moto g64 5Gは日本仕様に対応したミッドレンジモデルで、2023年に発売された「moto g53j 5G」の後継機。型番から日本を意味する「j」の文字はなくなったものの、引き続きおサイフケータイに対応する。防塵には対応していないが、IP52の防滴には対応。moto g53j 5GではHD+だったディスプレイは解像度が上がり、フルHD+と精細になっている。リフレッシュレートも120Hzだ。
同モデルも、Reno11 Aと同様、プロセッサをQualcommのSnapdragonからMediaTekのDimensityに変更。「Dimensity 7025」を搭載することで、パフォーマンスの底上げを図っている。また、急速充電は18Wから30Wに高速化。カメラの画素数などはそのままだが、光学式手ブレ補正に対応し、ブレをより軽減できるようになった。インカメラの画素数は800万画素から1600万画素に上がっている。
パフォーマンスに関してはReno11 Aに近いmoto g64 5Gだが、オープンマーケット版の価格は、同社オンラインストアで3万4800円。先代のmoto g53j 5Gと同額で、4万8800円のReno11 Aを大きく下回ってきた。超広角カメラを搭載していなかったり、防塵に非対応だったりと、仕様面ではReno11 Aに及んでいない部分はあるが、コストパフォーマンスは抜群に高い。
日本市場に特化して誕生した初代Reno Aは、発売時の価格が3万5800円だったが、世代を経るに従い徐々に価格が上がり、今では5万円に迫っている。ラインアップ全体を見ると、Reno11 Aの下に2万9800円でおサイフケータイにも対応した「OPPO A79 5G」が存在するが、プロセッサは「Dimensity 6020」でパフォーマンスではmoto g64に見劣りする。A79 5GとReno11 Aの間を、モトローラが埋めてきた格好だ。
オープンマーケットだけでなく、2機種ともY!mobileが販売するため、OPPOとモトローラの競争は激化する可能性が高い。一方で、先に挙げたようにReno11 Aは楽天モバイルも販売する他、幅広いMVNOが取り扱う。これに対し、moto g64 5GはMVNOの販路をIIJmioに限定しており、すみ分けが図られている。ミッドレンジのシェア拡大を狙うモトローラだが、キャリアやMVNOの取り扱いがOPPOに比べて少ないのは課題といえそうだ。
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