スマホの実質負担額、ソフトバンクが最も「分かりにくい」と感じる理由(1/3 ページ)

» 2024年07月17日 10時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 スマートフォンの価格には「一括価格」と「実質負担額」がある。一括価格は商品の定価であり、割引前の金額となる。実質負担額は大手キャリアの端末購入プログラムを利用した際、実際に支払う金額を指す。

 4キャリアは2024年現在、スマートフォンを残価設定のある24回払い、または48回払いで購入し、スマートフォンを返却すると、返却時点に応じて支払いの一部が免除されるプログラムを一部機種向けに提供している。この免除される金額を引いた額が、実質負担額となる。

 この実質負担額は、各社のオンラインストアや製品ページで確認できるため、どのタイミングでスマホを返却すると、どのくらいの金額で運用できるのかが分かる。しかし、その中で特に分かりづらいと感じるキャリアがある。ソフトバンクだ。

ソフトバンク 実質負担額 スマホの価格 ソフトバンクの実質負担額が特に分かりにくいと感じる理由を解説する

最安のケースになる実質負担額の算出が困難

 まずは実質負担額について。ソフトバンクをはじめとする大手キャリアでは、分割購入や一定期間使用後の返却などを条件とした端末購入プログラムを適用することで、1回払いで購入するよりも割安な価格(実質的に安い価格)で端末を入手できる。

 各社ともにオンラインショップや製品ページで1回払いと実質負担額を明記しているが、ソフトバンクでは1回払いも実質負担額も「総額」と表記されており、パッと見だとどちらが1回払いなのか実質負担額なのかが分かりづらい。

 ミッドレンジモデルの「Google Pixel 8a」を例に挙げると、製品ページに総額と小さな字で記載された方の7万7760円(税込み、以下同)が1回払いの金額で、その少し下に「新トクするサポートなら超おトク」と記載のある総額2万2008円が実質負担額に見える。

ソフトバンク 実質負担額 スマホの価格 ミッドレンジモデルの「Google Pixel 8a」
ソフトバンク 実質負担額 スマホの価格 青色の枠で囲われた内容が「新トクするサポート」を適用した場合の価格となるが、厳密には実質負担額ではない

 ……と、いいたいところだが、実はこれ、最終的な実質負担額ではない。

 ここで伝えたいのは、「最安の実質負担額」を算出しづらいこと。ソフトバンクオンラインショップでは、MNPで乗り換えた上で端末を購入すると、「オンラインショップ割」という割り引きを受けられる。

 先に挙げたPixel 8aをソフトバンクオンラインショップで購入する場合、総額と書かれた2万2008円からオンラインショップ割の2万1984円を引いた金額、つまり24円が最終的な実質負担額となる。しかしソフトバンクの製品ページには、オンラインショップ割を加味した、最終的な実質負担額が明記されておらず、消費者自身で算出する必要があるのだ。

ソフトバンク 実質負担額 スマホの価格 「オンラインショップ割」は、キャンペーンという立て付け。乗り換えを条件に対象機種の価格を割り引く

 ソフトバンクオンラインショップから製品を選び、契約種別で「MNP」を選択した後に表示される「機種・プラン」のページには、オンラインショップ割を加味した実質負担額は表示されるが、オンラインショップで機種を選択した最初のページや、(オンラインショップとは別の)製品ページには明記されないので、やはり分かりにくいと感じる。

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