最も分かりづらいのは「新トクするサポート(プレミアム)」の対象機種の価格だ。
新トクするサポート(プレミアム)を利用するには、対象機種を48回払いで購入する際、「あんしん保証パック」に加入の上、「早トクオプションの利用料」を支払い、購入から13カ月目以降に特典利用を申し込むなどすれば、最大36回分の対象機種の分割支払金または賦払金の支払いが不要になる。
ここまでの内容はニュースリリースなどに記載されているが、最終的な実質負担額がソフトバンクの製品ページには明記されておらず、こちらも自分で算出しなければならない。
利用条件に含まれているあんしん保証パックだが、機種やシリーズによって、加入できるサービスや利用料が異なる。
例えば、Google Pixel、シャープ製スマートフォン(2021年以降発売機種、法人モデルを除く)、モトローラ製スマートフォン(2023年以降発売機種)、Xiaomi製スマートフォン(2024年以降発売機種)は、月額990円の「あんしん保証パックネクスト」に加入できる。その他のスマートフォン、ソニー製スマートフォンのXperiaなどは、月額715円の「あんしん保証パックプラス」に加入できる。
あんしん保証パックだけでなく、早トクオプションの利用料の1万2100円も別途発生するため、実質負担額に加算して考えた方がいい。
実際、どのような計算式になるのか。シャープ製スマートフォンのハイエンドモデル「AQUOS R9」で確かめたい。
AQUOS R9は1回払いが12万4560円だが、この金額は計算に含めなくてよい。見るべきはその下に記載の3万1824円だ。この金額に早トクオプション利用料の1万2100円と、あんしん保証パックネクスト利用料の1万2870円(月額990円×13回分)を足した5万6794円からオンラインショップ割の2万1984円を引いた3万4810円が、ソフトバンクオンラインショップで購入し、1年後に返却した場合の実質負担額となる。
このように、ソフトバンクの製品ページでは明確になっていない事項が多いと感じる。
では、他キャリアはどうか。ドコモも、ソフトバンクの新トクするサポート(プレミアム)と同様に、1年後に端末を返却するとお得になる「いつでもカエドキプログラム+」を提供している。
先に一例として挙げたAQUOS R9はドコモでも取り扱っており、いつでもカエドキプログラム+の対象になっている。ドコモオンラインショップを見ると、「一括払い」「いつでもカエドキプログラム+分割払い」「分割払い」という3つの項目がある。一括払いは言うまでもなく1回払いを指す。ドコモのAQUOS R9は11万7040円だ。
約1年後に別の機種に変更する場合は、いつでもカエドキプログラム+分割払いをクリックかタップし、「2:23か月目以外で本機種をご返却する場合」を選択すると、内訳を確認できる。
早期利用料の1万2100円、smartあんしん補償利用料の1万1440円(月額880円×13回分)、1〜12回目までの分割金額の3万2142円、という情報が箇条書きで分かりやすく記載されているため、ソフトバンクのような算出は不要だ。
ソフトバンクの場合、製品ページにオンラインショップでの価格を明記しているが、オンラインショップ割、新トクするサポート(プレミアム)で必要なあんしん保証パックの正確な利用料が明記されていない。AQUOS R9のページにはあんしん保証パックの料金として「月額使用料最大1740〜550円」と明記されているが、どの料金が該当するのかが分からない。早トクオプション利用料は明記されているが、合計金額は算出しておらず、自分で計算する必要がある。
KDDI(au)と楽天モバイルは、1年後に返却した場合に割安な実質負担額となるプログラムを提供していないが、auオンラインショップでは「au Online Shop お得割」、楽天モバイルでは乗り換えを条件とするポイント還元分を引いた金額を製品購入ページに記載している。
ソフトバンクは、なぜオンラインショップ割を引いた実質負担額を製品ページに明記していないのだろうか。オンラインショップ割込みなら、他キャリアよりも安くなるケースもあるかもしれないだけに、もったいないと感じる。特に、ソフトバンクは1年で返却すると実質12円や24円になるなど、お得な施策を打ち出している。もう少し表記を工夫するだけで、魅力的なプログラムの理解促進につながるはずだ。また、新トクするサポート(プレミアム)のあんしん保証パックの料金も、製品ページやオンラインショップに記載してほしい。
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