ガラケー風デザインからネットにつながらないモデルまで スマホ依存の脱却に有効な“退屈な携帯”まとめ

» 2024年07月28日 10時00分 公開
[山本竜也ITmedia]

 インターネットが生活の一部となった現代、スマートフォンは欠かせないツールとなりました。その便利さの一方で、常にネットが気になり、無意識にスマートフォンを手にしてしまう、あるいは暇つぶしにふけってしまうという人も少なくないでしょう。

 こうした状況を受け、近年「デジタルウェルネス」や「デジタルウェルビーイング」といった言葉が注目を集めており、AppleやGoogleもスマートフォンの使い過ぎに警鐘を鳴らしています。さらに、この動きを加速させるように、「デジタルデトックス」という考え方が広がりを見せています。

 デジタルデトックスとは、スマートフォンやPCなどから距離を置き、デジタル機器への過度な依存から脱する試みのこと。日本でも目にすることが増えてきた単語ですが、海外では実際にデジタルデトックスを後押しするための端末なども登場しています。

 こう書くと、何やら高尚な理念のもとに開発された端末という印象もあります。もちろん、端末によってはそうした思いが込められているものもありますが、欧米の若い世代では、通話とSMS程度しかできない携帯電話を、スマートフォンに対してDumb Phone(ダムフォン、間抜けな電話)と呼び、人気が出ているのだとか。日本で言う昭和・平成レトロブームや、古いデジカメ人気などと同じようなノリなのでしょう。

 そこで今回は、そんなデジタルデトックス向けの端末、あるいはDumb Phoneを幾つか紹介したいと思います。

The Boring Phone:5000台限定販売の“退屈な携帯”

 まずは、「The Boring Phone」。直訳すると、「退屈な電話機」です。2017年からNOKIAブランドの携帯電話を販売しているフィンランドのHMDが、オランダのビールブランドであるハイネケンと、ファッションブランドのBodegaとコラボレーションし、4月にミラノで開催されたデザインウイークにあわせて発表されました。コンセプトモデルというわけではなく、実際に5000台限定で販売されるようです。

シンプルなスマホ 透明筐体のフィーチャーフォン「The Borning Phone」

 「スマートフォンがまだ存在しなかった時代を思い出すような携帯電話を発表します」とのことで、高画質カメラやマップ、SNSなどの機能は非搭載。通話とSMSができるフィーチャーフォンです。カメラを通して見るのではなく、その場の景色を実際に楽しむ。SNSではなくリアルな友人との会話を楽しむといったコンセプトの端末です。

 トランスルーセントなボディーが特徴的ですが、そのデザインはHMDが手掛けるNokiaのフィーチャーフォンによく似ています。詳しいスペックは公開されていませんが、ディスプレイは2.8型のQVGA、外側にも1.77型のディスプレイを搭載。30万画素のカメラ、3.5mmのヘッドフォンジャックも搭載しています。

シンプルなスマホ デザインはHMDが手掛けるNokia端末に似ている(関連リンク

Light Phone III:SNSやブラウザを利用できない携帯電話

 Light Phone IIIは、通話とSMSは可能なものの、メールやSNS、ブラウザなどネット関連の機能は非搭載な携帯電話。小さなスマートフォンのようなスタイリッシュなデザインで、3.92型(1080×1240ピクセル、AMOLED)のディスプレイも備えますが、表示はモノクロとなります。

シンプルなスマホ 小さなスマートフォンにも見える「Light Phone III」

 50MPのアウトカメラに8MPのインカメラ、GPS、NFC、指紋認証にも対応とそれなりに高機能な端末です。なお、Googleマップなどは使えませんが、ナビゲーションアプリは搭載しているのでGPSも活用可能です。

シンプルなスマホ GPSを搭載しており、ナビゲーションは利用可能です。発売は2025年1月の予定。価格は799ドルです(関連リンク

The Minimal Phone:QWERTYキーボード搭載のシンプルスマホ

 The Minimal Phoneは、2月にIndiegogoでクラウドファンディングを実施していた製品です。雰囲気はLight Phone IIIに似ていますが、QWERTYキーボードを搭載しているのが特徴。またディスプレイは4.3型のE-Inkディスプレイです。

シンプルなスマホ QWERTYキーボードとE-Inkディスプレイ搭載の「The Minimal Phone」

 他の端末が、機能を最小限に絞った独自OSを採用しているのに対し、The Minimal PhoneはAndroid 14を搭載。Google Playも利用可能とのことで、変わり種のスマートフォンといった印象です。ただ、コンセプトとしては「合理化されたライフスタイルのためのミニマルな携帯電話」とのこと。

 その気になればフル機能を利用できるものの、普段はシンプルに使うためのスマートフォンといったところでしょうか。QWERTYキーボードを搭載するあたり、ガジェットマニア受けを狙った印象もあります。

 Indiegogoでのキャンペーンは終了しており、最初のロットは9月に出荷予定。10月出荷予定で、399ドルでの予約注文も行われています。

MP02 New Generation:ミニマリスト向けの携帯電話

 Punkt.製のフィーチャーフォン「MP02 New Generation」は、2022年に日本でも+Styleから販売されていました。現在は+Styleでの取り扱いは終了しているようですが、Punkt.のサイトから購入は可能です。

シンプルなスマホ 日本でも販売されていたPunkt.の「MP02 New Generation」

 使用できる機能は通話や電話帳、SMSの他、電卓、カレンダー、リマインダー付きメモ、時計など。ミニマリスト向けの携帯電話ということで、気を散らす余計な通知や、つい開いてしまうアプリなどは使えない仕様です。ディスプレイもモノクロで、アイコンもなく100%テキストベースというこだわり様です。

 ここで紹介した以外にも、以前にはドコモからカードケータイが発売された他、カードサイズのNichePhone-Sというのもありました。あまり大ヒットするようなジャンルではありませんが、繰り返し登場していることを考えると、ニッチな市場は存在しているようです。日本では、7月26日に独自の「KaiOS」を搭載したフィーチャーフォン「Orbic JOURNEY Pro 4G」も発売されました。

 今後、デジタルデトックスという考え方が広まっていけば、この分野ももう少し盛り上がっていくのかもしれません。

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