楽天グループが、2024年12月期第2四半期の連結決算を発表した。売上高を示す売上収益は前年同期比8.0%増の1兆509億800万円、営業損失は516億300万円の赤字だった。第2四半期単体では過去最高の売上収益となる5373億円、Non-GAAP営業利益は276億円改善した118億円の赤字で、通期黒字化に向けて着実な進捗(しんちょく)だとしている。
同社の三木谷浩史会長兼社長は、四半期ベースで連結EBITDAが668億円の黒字、金融を除いたEBITDAも99億円の黒字になり、「財務状況も飛躍的に改善」(三木谷氏)している。
特に楽天モバイル事業が順調で、マーケティング費用を除いたキャッシュフローで黒字化を達成。三木谷氏は「2020年に始まった挑戦的かつエキサイティングな楽天モバイルにおける楽天グループへの寄与は、キャッシュフロー上はポジティブになっている」とアピールする。
連結売上収益では、インターネットサービスが同3.1%増の3039億円、フィンテックセグメントが同12.0%増の2027億円、モバイルセグメントが同18.6%増の950億円となり、過去最高を達成。
連結Non-GAAP営業利益も、インターネットサービスセグメントが同30.3%増の189億円、フィンテックセグメントが同28.1%増の423億円と好調で、モバイルセグメントも赤字は継続しながら218億円改善のマイナス606億円となった。結果として、連結EBITDAは668億円の黒字を達成。非金融事業だけでも99億円の黒字だった。
懸案のモバイルセグメントは、全契約回線数が770万回線に到達。法人向けBCP回線を除くMVNOとMVNEでは726万回線となった。契約回線数が増加したことで収益性が改善。楽天モバイル単体の売上収益は同29.9%増の680億円、Non-GAAP営業損失は194億円改善の600億円の赤字となった。
回線数の増加に加えて解約率が低下。「楽天ポイントを狙って短期間で解約するユーザーはいるが、それを除いた真水の解約率」(三木谷氏)では1.04%まで改善。MNOのARPUは2031円まで上昇。結果としてMNOサービスの売上は同42.2%増の401億4000万円となった。
純増数は法人向けの拡大が奏功した他、紹介キャンペーンや楽天エコシステムからの契約が増加。他キャリアからの流入であるMNPも、2024年1月にプラスに転じて拡大。こうしたMNPユーザーは「メインで使ってくれるのでARPUの上昇にも寄与している」と三木谷氏は話す。
楽天モバイルの矢澤社長は「SIM単体はMNPしやすいので契約は増えているが、端末バンドルもかなりのボリュームがあり好調に推移している」と話しており、SIM単体契約以外も伸びていると説明した
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