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auの「Ponta」パス始動 “auらしさ”も残し、ローソンのお得な特典でPonta経済圏拡大を(2/2 ページ)

» 2024年10月02日 20時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]
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Pontaパスに「au色」がある特典はあるのか 今後はエンタメも強化

 auスマートパスをリニューアルし、Pontaパスとしてスタートした格好だが、どのような経緯をへてリブランド、リニューアルを果たしたのだろうか。ここでサービス名にあるPontaの歴史とともに少し整理してみたい。

 Pontaが共通ポイントサービスとしてスタートしたのは2010年3月1日のことだ。「サービス開始後にはローソン、イオンの他、2014年にはリクルートホールディングス、日本航空(JAL)、2017年には三菱UFJ銀行、2020年にはKDDIが資本参加をした」(三菱商事の佐藤氏)経緯があり、既にPontaの会員ID数は1.2億ID、ポイントがたまる店舗数は31万店舗、提携社数は156社ある。

KDDI ローソン Ponta ポイント さまざまな業態に支えられているPonta。会員数は1億を超えている

 三菱商事、KDDI、ローソンの3社は「リアルテックコンビニ」の始動に向け、「さまざまな協議を重ねてきた」(佐藤氏)という。佐藤氏は「その協議の中で、KDDIからauスマートパスをリブランドしたいという話があった。三菱商事からPontaパスというブランドを冠したサービスにしたらどうか、と提案した」(佐藤氏)

 こうして2024年10月1日にスタートしたPontaパスだが、裏を返せば「au色」が薄まったようにも見える。というのはサービス名にあるPontaの運営元が三菱商事の子会社、ロイヤリティ マーケティングであって、KDDIではないからだ。「Pontaパスサービスを主導的に推進する」(佐藤氏)のはKDDIだが、ポイントサービス運営元はロイヤリティ マーケティングで変わらない。

 KDDIの繁田氏は「au色は残している」との考えを明かす。サービスリニューアル、リブランド前のauスマートパスにあった内容はPontaパスが継承しているという。「お得な特典を既存の特典に加えながらも、月額料金は548円でそのまま。かなりパワーアップした内容になっているのではないか」(繁田氏)

KDDI ローソン Ponta ポイント auスマートパスの特典を引き継ぐ形で、特典拡充とリブランディングを図ったPontaパス

 全国のTOHOシネマズで毎週月曜日(祝日を含む)に映画を1100円で鑑賞できる特典、デリバリーサービス「menu(メニュー)」の配送料が無料となる特典、セキュリティサービス「ウイルスバスター for au」、公衆無線LANサービス「au Wi-Fiアクセス」、音声通話関連サービス「迷惑メッセージ・電話ブロック」を追加料金なしで利用できる特典は、auスマートパスから継承されている。

 KDDIとしては今後「エンターテインメントの特典も強化する」(繁田氏)という。例えば、2025年1月9日までのPontaパス開始キャンペーンではローソン・ユナイテッドシネマの劇場観賞料金(大人2000円)が800円引き(通常600円引き)となり、毎日1200円で新作映画を鑑賞でき、11月22日と23日に開催されるK-POP授賞式「2024 MAMA AWARDS」の生配信をPontaパスで視聴できる。

KDDI ローソン Ponta ポイント 毎日1200円で新作映画を鑑賞できる特典もある。対象となる劇場はローソン・ユナイテッドシネマ、ユナイテッドシネマ、CINEPLEXとなっている
KDDI ローソン Ponta ポイント K-POP授賞式「2024 MAMA AWARDS」の生配信もPontaパスを通じて実施される

 KDDIはauスマートパスの特典と合わせて、毎月合計3000円以上お得になる特典や、Pontaパスの提供開始を記念したキャンペーン「あげすぎチャレンジ 第1弾」も用意した。Pontaパス会員は10月2日〜11月30日にローソンの「からあげクン」が無料でもらえるクーポンなど、通常のウィークリーLAWSONに追加で各月3枚以上のクーポンがもらえる。ローソンにてau PAYで支払った際のポイント還元率が通常の最大10倍(5%)となる。

KDDI ローソン Ponta ポイント 「あげすぎチャレンジ 第1弾」ではクーポンやポイントなどを通常より多く進呈する

期間限定でオープンするPontaパスStation 限定グッズやイベントも

PontaパスStation 渋谷に期間限定でオープンする「PontaパスStation」

 Pontaパスがどれくらいお得なのかをより実感してもらいたいという意図で、期間限定オープンするのがPontaパスStationだ。

 1階では渋谷区内で利用可能なクーポンや、ローソンのからあげクンを提供する他、ポップアップストア限定グッズを来場者全員に抽選で進呈。2階ではPontaパス会員かその場でPontaパスに加入した人を対象に、猿田彦珈琲のコーヒーや菓子を提供する。3階では日替わりでゲストを招きイベントを開催する。地下1階ではPontaパスStationのアンバサダーとなり、日本のアイドル文化を世界へ発信するプロジェクト「KAWAII LAB.」関連の展示を行う。

KDDI ローソン Ponta ポイント PontaパスStationの1階では渋谷区内で利用可能なクーポンや、ローソンのからあげクンを提供する
KDDI ローソン Ponta ポイント レジ横のボタンを押すと……
KDDI ローソン Ponta ポイント レジ奥のディスプレイにQRコードが表示される。これをスマートフォンで読み込むとクーポンを取得できる
KDDI ローソン Ponta ポイント Pontaパスと猿田彦珈琲のコラボレーションスペースとなる2階。Pontaパス会員かその場でPontaパスに加入した人がコーヒーを無料で飲める
KDDI ローソン Ponta ポイント 「KAWAII LAB.」とのコラボTシャツ。1階に展示されている

まずはよりローソンをお得に楽しんでもらえる特典を用意

 PontaパスやPontaパスStationの特典は、ローソンにフォーカスしている。繁田氏は「まずはよりローソンをお得に楽しんでもらえるような特典を用意した」と意図を述べた。ローソンはPontaパスを通じて「定番商品、季節商品などを展開していく」考えで、ローソンの勝田氏は「大きなピザパンは定価が214円だが、Pontaパス会員なら107円で購入できる」点をアピールする。

 ロイヤリティ マーケティングの高木氏はPontaパス ブーストの内容である「au PAY決済を利用した場合、Ponta提携店舗で通常0.5%のところ、最大で1%(2倍)のポイントが付与される」点、「ローソンなら通常0.5%の4倍となる2.0%にアップする」点を挙げた上で、「Pontaパスブーストが起爆剤となり、経済圏全体の拡大循環が起きていく。そうなれば新しい動きを起こせるのではないか」と経済圏の拡大に期待を寄せた。

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