ただ、強さは他の端末も極めていける部分だ。急速に進んだ円安や部材費高騰などのあおりを受け、2023年に経営が破綻した後、レノボグループによって救済され、事業再開を果たしたFCNTも5月16日に発表した新型スマートフォン「arrows We2」「arrows We2 Plus」は防塵・防水、耐衝撃の性能に加え、泡タイプのハンドソープで洗えるようになっている。
京セラも「ただ単に強いだけだと、TORQUEユーザーも次第に飽きてくるし、世の中にある端末も強くなっていくと、(TORQUEの)強さの魅力度が落ちてくる」(伊藤氏)という考えから、タフだけではないアップデートを入れた。例えば、TORQUE G06ではTORQUE初のマクロカメラを搭載し、被写体に4cmまで近づいたマクロ撮影ができる。
タフさだけでなく見た目にもこだわり設計されているのがTORQUEシリーズだ。TORQUE G01は「ポリカーボネートとエラストマーを組み合わせた設計で、高耐久性を赤で表現」(北村氏)している。形状も独特だ。TORQUE G03では「八角形を採用」(北村氏)しており、TORQUE G04からは「動画視聴を想定」(北村氏)したことから、「上下左右でシンメトリー(対称)」(北村氏)なレイアウトとなっている。
ボディーサイズとしてはシリーズ最大となる「TORQUE 5G」。新しい通信規格「5G」に対応し、大画面ニーズにも応えた。Colemanのシンボルカラーのレッドをベースにカムフラージュ柄を採用した「TORQUE 5G Coleman LIMITED」も用意された(写真=右)ウィジェットやアウトドアアプリの情報を集約した「Outdoor Portal」も特徴的だ。TORQUE G03では撮影時に移動速度や気温などを映像に重ねて記録できる「Action Overlay」を、TORQUE G04では「幅広いユーザーに使ってもらいたい」(北村氏)という意図もあり、「オリジナルのTORQUEフォントを採用する」(北村氏)ことに至ったそうだ。Action Overlayの系譜はTORQUE G06が継承。動画にテキストを挿入できる機能として、「Text Overlay」を搭載している。
「ユーザーの体験を拡張」(北村氏)できるアクセサリーもTORQUEシリーズの売りの1つ。「京セラは当初、サードパーティーの力を借りて、アクセサリーの開発を進めていたが、近年では京セラのデザインセンターの方でアクセサリーをデザインしている」(北村氏)という。「われわれが目指す方向性の使い方かつニーズの高そうなアクセサリーは検討していく価値があり、この先のTORQUEでそのようなアクセサリーを採用していく可能性は十分ある」(伊藤氏)
京セラはユーザーとの接点を持つべく、2023年3月にTORQUE STYLEというファンサイトを開設した。TORQUE STYLEはオーナー同士の情報交換や相談、自慢の場として活用してもらえるようなWebサイトとなっている。吉田氏はこれまでに「TORQUE G06の側面にリフレクターのスキンシールを貼った、背面カバーに推しのエンブレムを塗装した、背面カバーのTORQUEロゴをスプレーで塗りつぶし、暗所でロゴが光るようにしたなど」と、TORQUEへの愛着が感じられる投稿があったことを紹介する。
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