法人向け機能としては、「特におすすめ」(鈴木氏)なのがプロンプトテンプレート。生成AIに指示するプロンプトは慣れが必要で、生成AIの使用を控えられる原因にもなりかねない。そこで営業や企画など、業種別によく使うような内容をテンプレート化して提供。効率的にAIを利用できるようにした。
管理者がNGワードを設定すること、利用状況を可視化する利用状況ダッシュボードも提供。さらに社内ドキュメント連携機能(RAG)を提供。ファイルをアップロードすることで連携できるようになっている。
法人向けのセキュア環境では、入力情報はトレーニングに使用せず、外部に共有されることもないと明言。プロンプトの履歴やアップロードしたファイルは国内に設置されたサーバに保存される。OpenAIのChatGPT-4oがベースとなっているため、発生した問い合わせとその返答はOpenAIのサーバを経由するが、履歴は保管されないという。
実際に社内でRakuten AIを使ったところ、ビジネスメール作成時間は54%削減され、営業資料作成時間は48%削減されたという。三木谷氏は、この時間を100%削減したいという意向だと言うが、「そこまではまだできていない」と鈴木氏。いずれにしてもAIとプロンプトを利用することで大幅に業務効率化ができるとアピールする。
コンサルタントなどの導入、活用支援では、楽天自身がAIの導入、活用で得られたノウハウなどを提供。部門ごとに設定するKPIやどのような話し合いが必要かといったアドバイスのような支援を行うという。
既に複数の企業、団体がトライアルに参加しており、「AIを使えなければ生き残れないようになってきている。特に中堅・中小企業においてAIを活用して、さらにDXをして成長の伸び代があるのでは」と鈴木氏は強調し、AI活用のメリットをアピールする。
サービスとしては楽天モバイルの法人向け回線契約は不要だが、「楽天モバイルの高速/低価格/高品質のネットワークの上で動くからこそRakuten AIは価値を生むと考えているので、楽天モバイルとして回線と一緒に提案していく」と鈴木氏。
さらに、よりセキュアな環境が必要だったり、社内システムなどと連携をしたり、個別のカスタマイズが必要だったりする場合は別途追加料金で提供を行う。まずは低価格でRakuten AI for Businessを広げて、必要な企業にはカスタマイズを提供することで、回線とセットでアップセルの収益化を目指す。
「一般的な形で料金を設定して幅広く公平にプログラムとして(AIサービスを)提供するのは4キャリアで初めてではないか」と鈴木氏。2025年はRakuten AIの拡大の年として、法人向けに加えてコンシューマー向けのRakuten AIをさらに拡大して提供していきたい考えだ。
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