無料通話の次は「対話型AI」だ 楽天グループが「Rakuten Link AI」で描く世界とは(1/3 ページ)

» 2024年10月31日 22時02分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 楽天モバイルが10月31日に「Rakuten Link」アプリのアップデート内容を発表した。対話型AIアシスタント「Rakuten Link AI」の実装により、Rakuten Linkアプリで悩み相談やアイデアサポートができるようになった。楽天モバイルはこの機能をAndroid向けに順次提供しており、iOS向けには近日中に提供する。

 同日の発表会では楽天モバイル代表取締役会長の三木谷浩史氏や、楽天グループ専務執行役員でCAIDO(チーフAIデータ・オフィサー)のTing Cai (ティン・ツァイ)氏が登壇し、楽天グループによるAIを活用した取り組みや、Rakuten Link AIできることを解説した。

RakutenLinkAI チャット AI 楽天モバイルが「Rakuten Link」アプリに対話型AIアシスタント「Rakuten Link AI」を実装した
RakutenLinkAI チャット AI Rakuten Linkアプリの右上にある「AI」のマークがRakuten Link AIへの入り口だ。これをタップすればチャット画面へ推移する

「AIの民主化」を掲げる楽天グループが昨今、取り組んでいること

 三木谷氏はまず「楽天グループとしてAIの民主化を掲げている」と宣言し、「社会構造すら変えてしまう変革ともいえるAIを楽天モバイルの武器にしたい」とする。ただ、AIと一口にいっても従来のAIと生成AIとではできることが異なる。

 三木谷氏はこう説明する。「従来型のAIは分析、予測、自動運転、医療など専門的な分野に活用されていたが、生成AIではアイデアを生み出したり、文章を作成したりできる。生成AIを使えるか使えないかで人々の生活の豊かさは変わるし、生産性も大きく変わる」

RakutenLinkAI チャット AI 従来型のAIと生成AIでできることの違い

 楽天グループの強みは国内で1億を超える楽天IDをベースに、携帯電話、EC、金融、ポイントなどのさまざまなサービスが連携することにある。三木谷氏はこれまでを「ポイントを中心とした経済圏」だったと振り返り、これにAIを付け加えてさらに協力なエコシステムを作りたい」と意気込む。

RakutenLinkAI チャット AI 楽天グループの強みを説明する楽天モバイル代表取締役会長の三木谷浩史氏

 楽天グループでは既に、マーケティング・オペレーション・クライアントの効率を20%アップさせる「トリプル20」プロジェクトに着手している。楽天グループが保有するデータアセットとチャネルにAIを駆使し、ビジネスにおける効率性や創造性を高めて事業成長につなげる「AI エンパワーメントカンパニー」へと進化し、楽天グループのビジネスパートナーやサービス、さらにはその利用者に対して新しい価値を提案することに取り組んでいる。

RakutenLinkAI チャット AI マーケティング・オペレーション・クライアントの効率を20%アップさせる「トリプル20」プロジェクト

 三木谷氏は「主にAI活用による生産性最大化」をキーワードに、「創造性と好奇心といった人間が元来持っている才能を拡張し、通常は時間を要するタスクを自動化し、生産性を向上させる」と楽天グループが昨今、AIを活用して取り組んでいることを説明した。

 楽天グループは2023年に従業員向けのAIツール「Rakuten AI for Rakutenians」を導入した。「ChatGPT」に基づいた社内向けのAIで、業務を効率化することに役立っている。ツァイ氏によると、「3万人以上の楽天社員がAIを活用しており、毎日8000人強の社員がAIを活用している」そうだ。これらの社員は「ビジネスにおける提案書やマーケティングメッセージの作成、会議のメモにAIを活用している」という。

RakutenLinkAI チャット AI 楽天グループが2023年に導入した「Rakuten AI for Rakutenians」は「ChatGPT」に基づいたAIツール。これを楽天グループ社内だけでなく、さまざまな分野に活用できるそうだ
RakutenLinkAI チャット AI 楽天グループ専務執行役員でCAIDO(チーフAIデータ・オフィサー)のTing Cai (ティン・ツァイ)氏によると、「3万人以上の楽天社員がAIを業務に活用しており、8000人強もの社員がAIを活用している」という

 一方で、一般ユーザーの中には、AI活用による生産性最大化と聞くと、「業務の生産性を向上する」企業向けなのか? と捉えてしまい、どうしても個人ごととしては考えづらい、と感じてしまう人もいるだろう。しかし、今回の発表は企業どころか、個人に向けた大きな発表なのだ。

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