発行枚数が3144万枚(2024年9月末時点)もあり、単純計算で4人に1人が持っている「楽天カード」。MMD研究所の調査でも、楽天カードの利用者は54.0%と最も多い(2024年7月「決済・金融サービスの利用動向調査」より)」。
2024年7月には「楽天ブラックカード」も登場し、「リリース時から大変好評をいただいており、目標に対して想定以上の反響がございます」とは、楽天カードの広報担当者談。筆者は楽天カードを保有していないのだが、さすがに持った方がいいのではないかと思い、各カードのメリットを調べてみた。
通常、クレジットカードにはレギュラーカード、ゴールドカード、プレミアムカード、ブラックカードといったランクがあり、ランクが上がるごとに保険や空港ラウンジ利用などの特典が増える。その分、年会費もゴールドで1万円程度、プレミアムで3万円台、ブラックでは10万円以上とアップする。
楽天カードのラインアップにもブラックカードが加わったことで、楽天カード、楽天ゴールドカード、楽天プレミアムカード、楽天ブラックカードの4種類のプロパーカードがそろった。ただ年会費は永年無料の楽天カードに続いて、楽天ゴールドカードが2200円、楽天プレミアムカードが1万1000円、楽天ブラックカードで3万3000円と、一般的なクレカと比べると低めだ。
そのため、楽天ゴールドカードでは国内空港ラウンジが年間2回のみ無料、楽天プレミアムカードでは海外空港ラウンジが年間5回のみ無料などと制限があるものの、あまり旅行をしない人にとっては影響しないだろう。
しかもハワイに行く場合は、楽天カード会員専用の「ワイキキラウンジ」と「アラモアナラウンジ」を無料で利用でき、ソフトドリンクを飲んで休憩できる。ただし、2025年1月1日より利用回数が変更になり、楽天カードと楽天ゴールドカード会員は年間10回まで、楽天プレミアムカード会員は年間20回までとなったので注意したい。なお楽天ブラックカードはこれまで通り回数制限なしで利用できる。
楽天カードを持つ一番のメリットは、楽天グループのサービスを利用することでさまざまな特典が受けられることだろう。そのメインとなるのが「楽天市場」だ。
楽天市場ではSPU(スーパーポイントアッププログラム)を実施している。楽天グループのさまざまなサービスを利用することで、買い物時のポイント倍率が最大17.5倍までアップし、楽天ポイントがたまりやすくなる。
楽天市場では100円の買い物ごとに1ポイントたまるが、その料金を楽天カードで決済することでさらに+1倍となり、楽天カードで決済する特典として+1倍になる。つまり通常は1倍のところ、楽天カードで決済することでポイントが3倍にアップする。
楽天ポイントの総合サイト「楽天PointClub」では、過去6カ月間のポイント獲得状況によって、レギュラー、シルバー、ゴールド、プレミアム、ダイヤモンドという5段階の会員ランクが用意されている。最上位のダイヤモンド会員になると、毎月18日(いちばの日)の楽天市場ご愛顧感謝デーにはポイント4倍になる他、「楽天トラベル」や「楽天ブックス」などさまざまな楽天サービスで利用できる限定クーポンや割引特典が受けられる。
つまり、楽天カードを含む楽天サービスをより多く利用することでSPUの倍率がアップし、楽天市場の買い物でポイントが多くたまり、そのポイントの獲得数などによってランクが上がり、より多くたまったポイントを使って楽天市場や楽天サービスがお得になるという好循環が生まれる。
楽天カードは楽天グループの金融サービスの利用でもメリットがある。2025年1月1日に、楽天ゴールドカード以上の会員に向けて、新たな付帯特典として「楽天カードプレミアムプログラム」の提供がスタートした。
既に提供している楽天証券、楽天市場、楽天マガジン、楽天ミュージックの特典に加え、新たに楽天銀行と楽天損保(楽天損害保険)の特典が追加された。
楽天銀行で楽天カード利用額の引き落としをすると、ボーナス金利として最大年0.18%の普通預金金利が2025年3月分より適用される。楽天損保では2025年1月14日以降に新規で自転車保険(サイクルアシスト)またはゴルフ保険(ゴルフアシスト)に契約する際、保険料を楽天カードで支払うと、保険料の最大3.0%分の楽天ポイントが得られる。
このように、日常生活のさまざまなサービスを楽天グループで統一するシステムのことを楽天経済圏と呼ぶ。最近では「経済圏疲れ」といった言葉も耳にするものの、経済圏を利用することで得られるポイントは侮れない。
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