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「楽天ペイ」「楽天ポイントカード」「楽天Edy」アプリを統合 “史上最大級のキャンペーン”も実施(1/2 ページ)

» 2024年04月18日 19時15分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 楽天ペイメントは2024年4月18日、共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」アプリと、キャッシュレス決済サービス「楽天ペイ」アプリを12月頃に統合すると発表した。合わせて、楽天モバイルとの連携強化に向けた施作なども明らかにした。同日、今後の戦略について、代表取締役社長の小林重信氏と、執行役員CMOの諸伏勇人氏が説明した。

楽天ペイ 楽天ポイント 楽天キャッシュ 楽天Edy 楽天ペイメントが「楽天ペイ」「楽天ポイントカード」「楽天Edy」を統合する
楽天ペイ 楽天ポイント 楽天キャッシュ 楽天Edy 楽天ペイメント代表取締役社長の小林重信氏(右)と、執行役員CMOの諸伏勇人氏(左)

楽天ペイはフィンテックの入り口へ

 2024年4月現在、楽天ペイアプリではQRコード決済の利用と、楽天ポイント付与の両方が可能だが、アプリ自体は個別に存在しているが、これまで「圧倒的にオープンな戦略で、決済サービスを提供してきた」(小林氏)としている。

楽天ペイ 楽天ポイント 楽天キャッシュ 楽天Edy オープンな決済サービスの実現に向け、楽天ペイメントはオープンな戦略を打ってきた。アプリ自体は個別に存在するものの、楽天ペイアプリでできることを拡充させてきたという

 あらゆる決済のフルデジタル化を推進するプラットフォームとして、既に「他社のクレジットカードの利用を可能にしており、ユーザーの利便性と楽天グループのあらゆるアセットが生むシナジー」(小林氏)が2023年12月の営業黒字化達成につながったという。

楽天ペイ 楽天ポイント 楽天キャッシュ 楽天Edy 他社クレジットカードでの支払いについては「PayPayによる他社クレカの締め出し」がSNSで大炎上する事態となったが、楽天ペイではそれを逆手に取り、あえて他社クレジットカードでの支払いを認めている。これもオープンな戦略の一環だという

 諸伏氏は「楽天ペイはさまざまなシーンにおいて、アプリ1つで楽天ポイントがたまる」点をアピールし、サービスのローンチ時から重視してきた世界観をこう振り返る。「楽天ペイは2016年10月にQRコード決済サービスとしてスタート。当初の加盟店は中小が中心だったが、楽天ペイを中心に広がるお得の世界観を実現させてきた」

 その結果、月間取扱高は2023年3月から2024年3月にかけて76%成長し、業界平均は37%と2倍の速さで成長したという。新規ユーザーによるダウンロード数も増えたとのことで、既存ユーザーだけでなく新規獲得も着々と進んでいるようだ。「2023年度JCSI(日本版顧客満足度指数)調査」のQRコード決済業種では、「顧客満足」など主要6指標で1位を獲得し、「利用者の皆さまから高い評価を受けている」そうだ。

楽天ペイ 楽天ポイント 楽天キャッシュ 楽天Edy 楽天グループが推す経済圏が生むシナジーを生かすなどして、2023年12月の営業黒字化達成につなげた

 同社は、楽天ペイアプリを「楽天グループのフィンテックサービスの“入り口”(≒起点)」(小林氏)にし、その第1弾として、楽天ペイに全ての決済アプリを統合する。12月頃に楽天ペイと楽天ポイントが、その後、IC型電子マネー「楽天Edy」アプリが結合する。将来的には「楽天カードアプリ」の主要機能や、その他の楽天フィンテックサービスのアプリの機能も、楽天ペイアプリへの搭載予定という。

楽天ペイ 楽天ポイント 楽天キャッシュ 楽天Edy 決済アプリ1つであらゆることを可能にするというのが今回の発表内容の注目どころだ
楽天ペイ 楽天ポイント 楽天キャッシュ 楽天Edy 楽天ペイアプリを入り口(≒起点)として、楽天ポイントや楽天Edyにまで手を出してほしいというわけだ

ユーザーにカスタマイズされた機能の提供も予定

 統合について、小林氏は「3年ほど前から検討してきた」といい、「年内をもって楽天ポイントアプリ、2025年に楽天Edyを楽天ペイアプリに移行させる」と具体的なスケジュール感を示した。その上で、「1つのアプリの方が利便性向上を図れ、利用者が楽天ペイアプリから多様なサービスや機能を発見しやすくなる」との考えを述べた。実際に「楽天ペイアプリでの楽天ポイントカードの利用が増えており」(小林氏)、統合の方が現実的だという結論に至ったわけだ。

 将来的には、「トランザクション(≒商取引)のデータと楽天グループが培ってきたAIのノウハウを組み合わせて、ユーザーにカスタマイズされた機能や案内を行えるようにしたい」という。小林氏は、具体的な内容までは示さなかったが、「完全自動化してカスタマイズして、出す(提示する)ところまで試行錯誤しており、そろそろ発表できるのではないか」と述べるにとどめた。

楽天ペイ 楽天ポイント 楽天キャッシュ 楽天Edy 楽天の各フィンテックサービスにAIを取り入れることで、ユーザーの行動に沿ったポイント活用の提案などが期待できそうだ。ただし、2024年4月18日時点において具体的な内容は明かされていない

 楽天ペイアプリを楽天グループのフィンテックサービスの入り口として機能させるため、チャージの方法を拡充させてきた。「楽天銀行を持っていない人のために260以上の金融機関からのチャージに対応させ、現金志向の人向けにはセブン銀行に続いてローソン銀行からのチャージを可能にしてきた」(諸伏氏)

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