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楽天ペイが「スーパー還元」を武器に攻勢 課題の認知は“最大2.5%還元”の訴求がカギに(1/2 ページ)

» 2023年07月12日 20時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 楽天ペイメントが7月12日、都内で事業説明会を開催した。楽天ペイメントの小林重信社長と、執行役員でマーケティング本部長の諸伏勇人氏が決済アプリ「楽天ペイ」の強みと、4つの「スーパー還元」キャンペーンを開催する意図を説明した。

Rakuten 楽天ペイ キャンペーン 執行役員でマーケティング本部長の諸伏勇人氏(写真=左)と、楽天ペイメントの小林重信社長(写真=右)

楽天ペイは楽天グループシナジーを最大限に生かしたアプリ

 楽天ペイは2023年7月12日時点において、QRコード、バーコード、セルフ(支払い額の手動入力)、楽天Edy、楽天カードのタッチ(決済端末にかざす)といった決済手段を、アプリ1つで選べるのが特徴だ。モバイルSuicaとの連携やチャージ、請求書の支払いもアプリ1つで済む。

 小林社長は決済手段の多さをアピールする。「楽天ペイアプリには楽天カード、楽天デビットカード、暗号資産のウォレット、交通系ICのSuica、楽天Edy、オンライン電子マネーの楽天キャッシュ、ポイントが入る」

Rakuten 楽天ペイ キャンペーン 「楽天ペイ」ではさまざまな決済手段が用意されている

 6月26日にはiPhoneでも楽天ペイとモバイルSuicaの連携が可能になり、楽天ペイアプリに登録した楽天カードや楽天ポイントからモバイルSuicaへのチャージが可能になった。対応済みのAndroidに続くアナウンスで、ようやくiOSでもモバイルSuica連携/チャージ対応を果たした格好だ。

Rakuten 楽天ペイ キャンペーン iPhoneでも楽天ペイから「モバイルSuica」へのチャージが可能になったばかりだ

 着々と進化をとげる楽天ペイアプリについて、小林社長は「大きく3つの戦略で提供する決済アプリ」と説明。1つ目にオープン戦略、2つ目に圧倒的なポイント経済圏、3つ目にポイントによるユーザー体験を挙げる。

 オープン戦略とは、ユーザーに合わせた多様な決済手段を用意すること。コード決済の支払い元として楽天ペイが推すのは当然、楽天カードだが、全てのクレジットカードに対応している点をアピールする。他社クレジットカードの締め出し(延期)で話題になったPayPayとは違い、ユーザー一人一人に寄り添う仕様とするようだ。

Rakuten 楽天ペイ キャンペーン QR/バーコード、NFCタッチ、FeliCaなど多様な規格に対応する

 2つ目の圧倒的なポイント経済圏は、楽天ポイントと他のサービスの連携を指す。小林社長は、楽天グループが持つ70以上のサービスと、楽天ポイントをひも付けることで、お得感のアピールにつながるとの考えを示す。「われわれ(楽天グループ)が2002年に楽天ポイントの提供を始めてから2023年で21年目となる。70超のサービスと楽天ポイントを連携させたことで、ユーザーに支持されるポイントサービスとなった」(小林社長)

 楽天ポイントは開始当初、「楽天市場」での買い物やサービス利用時にポイントが付与される形で提供されていたが、その後、楽天(現楽天グループ)は2006年にグループのサービスを有機的にひも付け、グループサービスの回遊性を高める構想を発表。その結果、ユーザーが楽天グループのさまざまなサービスで、ポイントをためたり使ったりすることが可能になった。

Rakuten 楽天ペイ キャンペーン 楽天ポイントは2023年で21周年を迎えた。楽天ペイは長年培われてきた楽天ポイント経済圏を生かすアプリでもある

 「他社が追い付けない圧倒的な楽天グループシナジーによるポイント経済圏」が強みとなった楽天ポイントは、年間で約6400億円相当が発行され、発行数は累計で3.4兆を超える。

Rakuten 楽天ペイ キャンペーン 楽天ポイントの発行数は累計で3.4兆を超える。諸伏氏はその存在の大きさをユーザーの声とともに紹介する

 そんな楽天ポイントは、ユーザーから「iPhoneからSuicaへのチャージでポイントが付与される」「楽天ペイで楽天ポイントがたまる」「楽天ペイを使える店舗が増えた」「初回登録で特典があることに驚いた」「楽天ポイントがたまりやすい」「楽天ペイ今回は自動車税でもポイントの付与がありお得だと思った」などと評価されているという。

 楽天グループシナジーを最大限に生かした楽天ペイアプリが、「楽天ペイならではのユーザー体験」につながり、小林社長が紹介するユーザーの声に表れているようだ。

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