NTT島田社長「われわれの最大のブランドは品質」 ドコモの銀行業参入についても言及(1/2 ページ)

» 2025年02月07日 20時39分 公開
[小山安博ITmedia]

 NTTは2月7日、2024年度第3四半期決算を発表した。売上高にあたる営業収益は、対前年比3.4%増の10兆497億円、営業利益は同5.9%減の1兆3992億円で増収減益。営業収益は第3四半期として過去最高を記録したが、モバイル事業や固定通信事業における収益減や、NTTドコモの顧客基盤強化に向けた施策などが利益を圧迫した。

 NTTの島田明社長は、「年間の利益計画達成は厳しい状況だが、各社の増益努力によって最大限のリカバリーを図っていきたい」と話した。

NTT NTTの島田明社長(提供:NTT)

通信品質向上などでコストが膨らんで減益

 増収要因としては、モバイル、固定の通信事業を含む総合ICT事業が484億円の増加で、グローバル・ソリューション事業は2316億円、不動産やエネルギーなどのその他の事業が784億円の増加となった。特にNTTデータグループが国内外で好調で、ドコモのスマートライフ事業の拡大も貢献した。

NTT NTTの決算概要。当期利益は前期の株式売却益の反動によるもの
NTT セグメント別の状況

 営業利益では、ドコモの顧客基盤強化や通信サービス品質向上に関する取り組みによってコストが増大したことで683億円の減収となり、利益を吹き飛ばした。地域通信事業の減益も439億円と大きく、利益を押し下げた。

NTT ドコモの決算概況。増収減益だった

 しかし、ドコモの施策は必要なものとして、「顧客基盤強化やネットワーク品質向上を確実に実行しつつ、さらなるコスト削減などでリカバリーに取り組んでいきたい」と島田氏は強調。地域通信事業は減収減益だが、おおむね進捗(しんちょく)通りだとしている。

 ドコモの決算は、営業収益が同1.1%増の4兆5673億円、営業利益が同7.6%減の8339億円だった。コンシューマ通信事業は同1.8%減の2兆5139億円だったのに対して、スマートライフ事業は同13.6%増の9044億円と2桁成長を達成した。

NTT コンシューマ通信の減収をスマートライフがカバー
NTT それでもコンシューマ通信のコスト増をカバーしきれず、減益となった

 営業利益は同8.3%減の6,166億円で、コンシューマ通信が同17.9%減の4188億円、スマートライフ事業は同22.2%増の1978億円となった。スマートライフが減収をカバーした形だが、コスト増加を吸収できなかった。

NTT ドコモの減収要因

 モバイル通信サービス収入は、機器収入などで84億円の増収があったものの、irumoへの移行などによる減収が533億円に達した。ただし、第3四半期にはMNPがプラスに転じて純増数も拡大。解約率も0.63%と低水準を維持した。さらにモバイル通信ARPUは前四半期比では10円増、前年同期比では70円のマイナスだったが減少幅は縮小した。大容量プランのeximoへの移行率が61%になったことで、今後のARPU上昇が期待される。

NTT 純増数は増加。解約率も低水準を維持
NTT ARPUの下げ幅も減少し、eximoへの移行の加速を目指す

dカードPLATINUM申込者の6割がeximoポイ活に加入

 ドコモのスマートライフでは、金融・決済事業の同624億円の増加を中心に、全領域で増収。金融・決済取扱高は同14%増の11兆900億円まで伸長。dカード PLATINUMは発行以来好調で、会員数は1月末時点で34.7万を突破した。PLATINUMユーザーはdカード・dカードGOLD利用時の実績よりも21%利用額が増加。マネックス証券のカード積立額も32%増加するなど、利用度が高まっている。

NTT スマートライフ事業は全領域で順調
NTT 特にdカード PLATINUMが開始2カ月で34.7万会員を獲得して好調。利用増にもつながっている

 PLATINUMに申し込む人の6割がeximoポイ活に加入しており、通信のアップセルにもつながっている。コンテンツと連携する「爆アゲ セレクション」に申し込んだ人の方が4.4倍多くeximoに移行するという傾向もあり、ARPU向上につながる施策を今後も強化していく。

NTT eximoポイ活への移行も含めて、通信との連携にも貢献している

 eximoは「期待していた想定を上回って移行していて順調」と島田氏。ahamoもirumoも順調に推移しているという。

 島田氏は、こうした取り組みで「成果は上がってきている」との認識を示し、そのための販促など、コストは増加しているものの、競争激化に対応するために必要な施策も「年度末までしっかりやっていきたい」(島田氏)考えだ。

 ただし、単純な料金の値上げは「競争が激しいので難しい」(島田氏)。どういったユーザーのニーズを踏まえて、どういった料金体系にするか、ユーザーにとっての価値だけでなく、ドコモにとっても一定のコストをカバーできる料金体系が必要との認識だ。

 懸案の通信サービス品質向上では、関東圏(一都三県)の5G基地局でSub6基地局数を1.3倍へと拡大。4G転用の5G基地局数も1.4倍にすることで改善を図る。島田氏は、基地局を増やすこと、エリアチューニングをしっかりきめ細かにやること、パラメーターの制御を適切にすることといった対応が重要だと話す。

NTT 特に関東圏で5G基地局を拡大。満足度も改善の兆しだという

 基地局の拡大に向けては、設置場所の地権者との折衝は順調に進んでおり、計画を上回っているとのこと。これから年度末に向けてエリアを拡大していくことで、ネットワーク改善はその後の数字に出てくるとしている。

 「われわれの最大のブランドは品質」と島田氏。無理なスケジュールで進めても失敗するとして、「着実に工程をこなしていく」との構えだ。

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