もはやLINEはインフラ 若者は本命SNS「Instagram」で何をしているのか?

» 2025年02月17日 14時23分 公開
[鈴木朋子,ITmedia]

 「若者はLINEを使っていない」――そんなうわさが流れてからずいぶん時がたつ。若者は大人が入ってきたサービスから逃げ出す、という言説もある。しかし、本当に若者はLINEから離れているのだろうか。

 答えは「No」。LINEは、友人だけでなく、家族や友人、アルバイト先との連絡などによく使われている。Studyplusトレンド研究所が2024年7月に高校生に行った「SNSに関する調査」では、「普段一番よく使っているSNSはどれですか?」の問いに対し、1位は「LINE」(39.8%)だった。

SNS 「普段一番よく使っているSNSはどれですか?」(Studyplusトレンド研究所)

 「LINEは使わなくなった」と言っている若者は、もはやLINEがインフラと化しているため、意識していないのだろう。大人が「メールは使わなくなりましたね」と言うのと似ている。LINEがリリースされたのは2011年であり、彼らが幼い頃からLINEはあったのだ。

 また、LINEの使われ方も関係しているのだろう。LINEの利用目的のほとんどが、「トーク」と呼ばれるメッセージでの連絡だ。トークのやりとりが止まらないというときももちろんあるが、基本的に送信すればアプリを閉じる。なぜなら、他に魅力的なアプリがたくさんあるからだ。

 その1つが、先ほどのアンケートで2位になっていた「Instagram」(32.9%)だ。「LINEを使わなくなった」と話す若者も、「インスタ(Instagram)使っているから」と回答することが多い。彼らはなぜInstagramをよく使うのか、Instagramで何をしているのかを紹介する。

プロフィールはほぼ空に DMでもやりとり

 Instagramは「インスタ映え」する写真を投稿するSNSとして人気が高まった。しかし、今は「フィード」への写真以外に、24時間で消える「ストーリーズ」、ショート動画「リール」があり、DM(ダイレクトメッセージ)も備えている。

 若者が投稿するのは、もっぱらストーリーズだ。ストーリーズには静止画、動画が投稿できる。日常のたわいもないことをストーリーズに投稿する。ストーリーズにコメントをするとDMになるため、そこから会話が続くことも多い。自撮りをする際にもストーリーズのカメラエフェクトが「盛れる」とよく使われる。2025年1月にクリエイターが作成したエフェクトが利用できなくなった際には、悲しみの声がSNSにあふれた(関連リンク)。人気のエフェクトは、顔や目が極端に大きくなるなど、ユニークなものも多い。

Instagram ストーリーズのカメラにはエフェクトが多数用意されている

 フィードへの投稿はほとんど行わず、とっておきの写真だけをプロフィール画面に載せるようにしている。プロフィール画面にまったく投稿がない人もいる。フィードに投稿しても、しばらくしたらアーカイブか削除を行って、見えないようにする。若者にとって、プロフィール画像とプロフィール画面は自己表現の場として重要なのだ。

Instagram フィードには数個の写真しか残していない(筆者作成)

 DMは基本的に1対1で使っているが、グループでも利用する。LINEは公式アカウントからのメッセージや、部活の先輩などのあまり気乗りしないメッセージも来ているため、未読のままためがちだ。そのため、LINEを開くこと自体がおっくうになり、InstagramのDMを優先して返信する人も多い。InstagramのDMは、基本的に「最近仲がいい」友人とつながっているからだ。DMには通話機能もあり、LINEの通話と併用して使われている。

 また、最近は「ノート」機能がよく使われている。ノートとは、ひとこと書いたり、音楽をシェアしたりできる機能だ。DM画面の上部に表示されるが、2024年からリールやフィードにもノートが付けられるようになった。手軽に交流でき、公開範囲を限定できる点が10代に人気となっている。

Instagram ノートはストーリーズよりもさらに気軽なコミュニケーションができる

アカウントは2つ以上作成、相手によって使い分ける

 若者はInstagramにメインアカウントとサブアカウントを持っている。NTTドコモ モバイル社会研究所の調査によると、10代女性の約7割が2個以上のアカウントを持ち、3個以上のアカウントを持つ人は約4割いる。

 メインアカウントは関係性が浅い人ともつながる、いわばオフィシャルアカウントだ。フィードやストーリーズへの投稿も少なめで、広くつながるためだけに使われている。

 サブアカウントは、親しい友人だけのアカウントや、推し活専用アカウントなど、用途別に分けて運用している。親しい友人とのアカウントを複数持つケースもある。さらに、ストーリーズの公開範囲を「親しい友達」限定にすることもできる。

Instagram アカウントの切り替えは右下のアイコンをタップして一覧から選ぶだけ

 大人が若者に用事があり、「連絡したいからLINE教えて」と頼んだとき、「Instagramでいいですか?」と返されたという話を聞くが、これはInstagramのアカウントのうち、無難なアカウントを教えたいからだ。「LINEを教えるのは重いけど、Instagramならさりげなくフォロー削除できるし」とある10代女性が言っていた。こうしたエピソードから「若者はLINE使っていないんだ」と認識した大人も多いようだが、LINEを教えない理由は、縁を切りにくいから。ブロックするのは角が立つし、インフラなのでアカウントごと削除するのは避けたいからだ。

 Instagramのサブアカウントでは、ストーリーズの「ライブ」を使って、ライブ配信も行われる。親しい人しかつながっていないので、安心して配信できる。もっと限定したければ、「親しい友達」のリストに入れた人だけに公開することが可能だ。コメントしてくれた人に対して答えるなどの交流を行うため、感覚としてはビデオ通話に近いが、見たい人だけ見に来るゆるさがいいのだろう。友達数人で集まったときに、来ていない人向けにライブ配信する人も多い。

 このように、若者は自分の情報を出す相手を細かくコントロールし、お互いの負担が軽い方法でコミュニケーションをする。そのニーズに応えられているのが、Instagramだ。彼らはメインアカウントとサブアカウントでストーリーズやDMをまめにチェックし、時折リールを見ているため、Instagramの利用時間も自然と長くなる。大人から見えない場所で楽しんでいるので、何をしているのかつかみづらいかもしれないが、彼らにとってInstagramは欠かせないツールの1つになっている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月14日 更新
  1. スマホの「実質価格」高騰の恐れ、iPhone 18 Proは2倍高く? 総務省の残価設定ルール厳格化は“誰のため”か (2026年10月10日)
  2. ダイソーで1100円の「GaN USB充電器」は折り畳みプラグで外出用に持ち歩きやすい 45W出力対応でPCでも使える (2026年10月10日)
  3. 7型ディスプレイ搭載「Apple HomeView」発表 Siri AIと顔識別で家族全員に「欲しい情報」を届ける (2026年10月13日)
  4. 個人情報の流出にユーザーはどう備える? 乗っ取りやクレカ不正利用を防ぐ「3段階」の対策ガイド (2026年10月12日)
  5. Apple、「HomePod mini」に新色「ミッドナイト」追加 実はスペースグレイとの違いアリ (2024年07月16日)
  6. 楽天モバイル、KDDIローミングが大幅に縮小――ユーザーに対する説明責任はないのか (2026年10月11日)
  7. Google、画面付きトラッカー「Google Fitbit Edge」発表 日本では2万6800円で予約開始 バッテリー交換にも対応 (2026年10月13日)
  8. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  9. ファーウェイはなぜ「24時間測り続けること」にこだわるのか ウェアラブル開発責任者が語る医療機器との違い (2026年10月13日)
  10. ソフトバンクの「iPhone Duo」は一括42万9760円、2年23万9760円から 18 Proよりも免除額は控えめ (2026年10月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー