「iPhone 16e」全方位レビュー、iPhone 16 Proと比較して分かった“真の実力” Apple好きほど選べない?(2/4 ページ)

» 2025年04月07日 11時00分 公開
[島徹ITmedia]
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処理性能はハイエンド級、AI処理はiPhone 16 Proと同等

 iPhone 16eは、iPhoneとしては低価格帯モデルながらも最新の「A18」シリーズのプロセッサを搭載している。ただ、同じA18シリーズでも16 ProはA18 ProでGPUが6コア、16のA18は5コア、16eのA18は4コアと差別化されている。メモリ容量はAI機能のApple Intelligence対応を考慮してか、いずれもiPhoneとしては大容量の8GBだ。16eの動作は当然ながら快適で、近年の高画質ゲームもおおむね快適にプレイできる。

iPhone 16eレビュー Appleが公開するiPhone 16シリーズの仕様では、モデルごとにA18プロセッサのGPUコア数が異なっている

 処理性能の検証にはiPhone 16eと、現在の最上位モデルiPhone 16 Pro、前世代モデルだがAI対応のiPhone 15 Pro、iPhone SE(第3世代)を用意した。まずは総合ベンチマークのAnTuTu Benchmarkと、CPUとGPUテストのGeekbench 16、ゲームなどの3Dグラフィックを想定した3D Markの結果をまとめて見ていこう。

iPhone 16eレビュー

 結果、iPhone 16eの性能は16 Proより1〜3割ほど低いものの、1モデル前の最上位機種である15 Proとは同等に近い処理性能を持つことが分かる。iPhoneの中では高性能といっていいだろう。AnTuTuのスコアがやや低めなのは、MEMのストレージのリード・ライトに関する数値が大きく影響している。ベンチマーク側の問題か、低コスト化のために従来モデルと差別化した可能性もあるだろう。

 iPhone SE(第3世代)と比べると、CPUやGPUの処理性能はおよそ1.3〜1.5倍高速だ。GPUは世代の差もあり、レイトレーシング対応テストの3D Mark Solar Bayでは2倍近い性能となっている。なお、日常の操作では処理性能に加えて、メモリ容量の増加が快適さの改善に大きく寄与しているという印象を受けた。

 AI対応機能を快適に動かすための、NPUに関するベンチマークも行った。16eと16 Proが同等の性能で、以前のiPhoneを大きく引き離すスコアを記録した。特に、AI処理で多く利用される半精度浮動小数点(Half Precision)と量子化(Quantized)のスコアが大きく伸びている。今後利用が増えるApple Intelligenceのオンデバイス処理に関しては、16シリーズなら比較的快適に利用できそうだ。

iPhone 16eレビュー

 なお、AI機能のApple Intelligenceは本体を米国の英語設定にしないと利用できなかったが、4月1日から提供されているiOS 18.4にアップデートすることで、日本語でも利用できる。Siriの会話やアプリ連携、通知の優先度の強化や、画像生成、一部の被写体を消すなどの画像編集、テキスト要約や書き換えなどを提供する。ただ、文書生成や高度な機能はChatGPTを利用することも多い。

iPhone 16eレビュー 画像生成は「Image Playground」アプリや、絵文字の「ジェン文字」生成で利用できる
iPhone 16eレビュー テキストの書き換えや要約も可能だが、文章生成に関してはOpenAIのChatGPTを利用する

 Apple Intelligenceには複雑な処理をAppleのクラウドで行う仕組みもあるが、Appleとしてもできる限り端末のNPUによるオンデバイス処理や、外部のChatGPTで完結して欲しいという考えもあるのだろう。

ロングバッテリー&iPhone 16 Pro越えの27〜30W急速充電に対応

 AppleがiPhone 16eの特徴として大きく挙げているのが、「並外れたバッテリー駆動時間」だ。実際、16eのバッテリーの持ちはスペック値でも6.1型前後のiPhoneの中では16 Proと並んで長く持つと記載されている。AppleはiPhoneのバッテリーの仕様を詳細には公開していないが、この点について検証してみた。

iPhone 16eレビュー Appleが公開しているバッテリー持ちの仕様を確認すると、傾向は異なるが、iPhone 16eと16 Proのバッテリー持ちが長い

 まず、16eと16 Proの普段の利用を想定したバッテリー持ちのテストを行った。両モデルにドコモのSIMを入れて10時間外出し、持ち歩く途中でSNS、動画再生、ブラウザ、ゲーム、マップ、カメラについて同じ操作を行った。両モデルともバッテリー劣化を示す最大容量は100%で、16 Proの常時画面表示はオフにしている。

 検証した結果、16eは42%減少し、16 Proは48%減少した。普段使いでは16eの方がバッテリー持ちはややいいようだ。

 次に屋内のWi-Fi環境にて、YouTubeのライブ配信を10時間再生した場合のバッテリーの減少を計測した。明るさは50%、フルHD画質だ。結果、バッテリー残量は16eが42%、16 Proが40%となった。スペック表の、動画再生では16 Proの方がややバッテリー持ちがいいという表記が裏付けられた格好だ。16 Proは常時点灯対応もあり、より省電力のディスプレイパネルを搭載しているのかもしれない。

iPhone 16eレビュー

 まとめると、普段使いでは16eのバッテリー持ちは同サイズのiPhoneの中でトップクラスなのは確かだ。ちなみに、フル充電時に必要な供給電力を16eと16 Proで計測して比較したところ、16eは16 Proの約1.13倍必要だった。推測にはなるが、16eはバッテリーの容量自体がやや大きいのだろう。

 充電についてだが、iPhone 16eはUSB PD充電器で最大27〜30Wの電力供給に対応していることを確認できた。これまでの16 Proを含む6.1型前後のモデルは最大20W前後だったので大きい変化だ。これから充電器を購入するなら、小型化が進むUSB PD 30W以上の充電器を選んだ方がいいだろう。

iPhone 16eレビュー USB PDかつ30W以上対応の充電器を利用すると、バッテリー容量がおおよそ0〜50%までの間は30〜27Wで充電できた。なお、USB Type-C端子の通信はUSB2(480Mbps)に対応で、映像出力には対応していない

 実際の充電時間はUSB PD 30W以上の充電器を利用すると50%まで25分、80%まで50分、100%まで90分だった。ちなみに、16 Proの場合は50%まで28分、80%まで58分、100%まで109分かかる。

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