「iPhone 16e」の登場により、2月下旬には大手キャリアのオンラインショップで在庫切れが相次ぎ、中古スマートフォンの売れ行きが増加するなど、新製品ではなく旧製品に注目が集まる異例の事態となっている。
iPhone SE(第3世代)は、ホームボタンと指紋認証のTouch ID、4.7型の液晶ディスプレイを搭載したモデル。「iPhone 8」をベースとするボディーの横幅は67.3mmとスリムで、丸みを帯びた縁のおかげで持ちやすい。新品の価格は6万円台(税込み、以下同)からだった。
一方、iPhone 16eは、6.1型の有機ELディスプレイや「iPhone 16」と同等の「A18チップ」を搭載し、生成AI機能「Apple Intelligence」に対応する。価格は、高機能化だけでなく円安の影響を受け、iPhone SE(第3世代)の最低容量よりも約3万円高い9万9800円からとなっている。
新品と中古ともに価格が安いからという理由で、iPhone SE(第3世代)が再び注目を集めているようだが、価格だけでなくサイズや使い勝手も、iPhone 16eへの移行におけるハードルになっているようだ。そこで、実機でボディーとディスプレイのサイズを比較し、どちらが持ちやすく使いやすいのかを考える。
今回は手元にある「iPhone SE(第2世代)」と、販売元のソフトバンクから借りたiPhone 16eで比較する。iPhone SE(第3世代)の外観は、第2世代と見分けがつかないほど同じで、ボディーサイズも全く同じなので、型落ちにはなってしまうが、iPhone SE(第2世代)を使用することを念頭に置いてほしい。
ボディーサイズについて見ていこう。iPhone 16eはぱっと見でも分かるように、iPhone SE(第2世代)よりも一回り大きい。幅が4.2mm増して、高さが8.3mm高くなった。厚さはほとんど変わらないが、数値としては0.5mm厚くなっている。比較しやすいように両モデルのサイズを下に記載する。
ボディーサイズの違いは、持ちやすさにも当然影響する。iPhone SE(第2世代)の四隅はラウンドしているため、手のひらになじみやすく、幅はiPhone 16eよりも抑えられているため、片手でホールドしやすい。一方、iPhone 16eは幅と高さが増した分、より大きいものを手にしている感覚はある。加えて、サイドフレームから背面パネルにかけてラウンドしておらず、角張ったものを手にしているような印象を受ける。
サイドフレームから背面/ディスプレイにかけて湾曲しているのがiPhone SE(第2世代)で、手のひらになじみやすい。iPhone 16eも持てなくはないが、iPhone SE(第2世代)と比べると角張った物を手にしている感覚がある実際にiPhone SE(第2、3世代)からiPhone 16eに乗り換えた場合、サイズの違いにギャップを感じる人は多いだろう。
もちろん、iPhone 16eのサイズにもメリットがある。iPhone 16eの本体サイズは「iPhone 14」と全く同じで、iPhone 14の保護フィルム/ガラスを流用できるため、サードパーティーメーカーにとってもユーザーにとっても、その分の追加コストが省ける。
ただし、背面の設計はiPhone 14と異なるため注意が必要だ。iPhone 14は1200万画素のデュアルカメラなのに対し、iPhone 16eは4800万画素のシングルカメラ。そのため、iPhone 14用のケースをiPhone 16eで使うことはできない。
アウトカメラはiPhone SE(第2世代)もiPhone 16eもシングルカメラだ。iPhone 14はデュアルカメラのため、iPhone 14用のケースをシングルカメラのiPhone 16eに流用できない
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