例えば店頭での本人確認でも、現状は「マイナンバーカードのICチップを使った偽造チェック」もでき、「JPKI(電子証明書)を使った本人確認」といった使い方もできる。iPhoneをかざすだけで基本4情報と顔写真が送信できるため、その情報で契約書類を作成して、偽造ができない顔データと本人を見比べて確認した上で安全に本人確認する、という使い方も想定できる。タブレットを併用して、顔データを使った顔認証を機械的に行うこともできるだろう。
マイナンバーカードのICチップ内にAPとして免許証情報を保管する「マイナ免許証」についても、ウォレットに搭載するモバイル免許証が計画されている。これが実現すれば、身分証明書、保険証、免許証が全てスマートフォンに内蔵できることになる。
欧州ではEUデジタルIDウォレットの導入が進められており、例えばパスポートをスマートフォンのウォレットに内蔵することで、入出国審査でスマートフォンをかざすだけで通過できる、といった将来像が検討されている。こうした取り組みは世界中で進められている最中だ。
ちなみに、Androidにも「Google ウォレット」があり、Appleウォレットと同様にmdocに対応しているため、マイナンバーカード機能を搭載することは可能だ。デジタル庁でも対応は検討しているが、現時点で対応時期は明らかにされていない。
今後、すぐに対面でスマートフォンに搭載したマイナンバーカード機能を使う例がいくつも登場するとは考えにくく、現状のコンビニ交付サービスやマイナ保険証のように、電子証明書を使ったサービスはAndroidでも変わらず利用できるため、当初は大きな問題にはならないだろう。
ただ、早期にGoogle ウォレットにも搭載され、早期にスマートフォンのマイナンバーカードを使えるサービスが登場することを期待したい。
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