arrows Alphaは「ハイエンドスマホ高すぎ問題」へのアンサーになるのか? じっくりチェック(3/3 ページ)

» 2025年06月18日 21時20分 公開
[井上翔ITmedia]
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arrowsらしい「使いやすさ」「安心」も追求

 arrowsブランドのスマホは防水/防塵(じん)性能と、高い耐環境性能を備えている。arrows Alphaもその点では抜かりない。

 防水性能はIPX6/8に加えてIPX9にも対応した。「IPX9?」と思った人に解説すると、IPX9は最近IP等級に加わった基準で、80度(±5度)の温水を8000〜1万kPaに圧力で毎分14〜16L、2分間(4つの角度で30秒ずつ)吹き付けた後に、機能を維持できると合格というもので、高温かつ高圧の水にさらされた際にも安心ということになる。

 防塵性能は、従来と同様にIP6X等級に準拠している。米国防総省の物資調達基準「MIL-STD-810H(MIL規格)」に定める23項目の耐衝撃/耐環境試験もクリアしており、丈夫さも健在だ。

丈夫さ維持 丈夫さという観点でいうと、IPX9等級に新規対応したことが大きなトピックだ
耐圧 「ここではさすがに80度の熱湯は無理ですが……」ということだったが、発表会場では8000〜1万kPaで実機に水を吹き付けるデモが開催されていた。かなりの水圧だったが、arrows Alphaは何事もなく動いていた
−1度 耐環境という観点では、氷にはめ込んで「−1度」の環境でカメラなど主要な機能を問題なく使えるというデモンストレーションもあった
鋭鉄 鋭鉄を画面の縁にガンガンとぶつけるデモンストレーション
泡 最近のarrowsスマホの特徴である「泡ハンドソープでの本体洗浄」にも対応している

 バッテリー容量(定格値)は5000mAhで、FCNTの自社調査によるとバッテリーは2日間充電せずに使えるという。バッテリーはUSB PD(Power Delivery)規格での急速充電に対応しており、最大90Wの電源入力に対応している。90Wで急速充電すると10分で40%、35分で100%まで充電できるとのことだ(充電ブーストを有効化した場合)。

 なお、arrows Alphaには90W出力のUSB PD充電器と、それに対応するUSBケーブルが付属する。「arrowsとしては初めて“超”急速充電に対応するので、付属した方がいい」との判断からだという。

 なおUSB Type-C端子はUSB 3.2 Gen 2(USB 10Gbps)準拠で、USB PDによる電源入力の他、DisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応する。

バッテリー 大容量のバッテリーを備えることで2日程度充電しなくても使えるという(使い方によって大きく変わる)
充電器 arrows初の超急速充電対応モデルということで、90W出力に対応するUSB PD充電器を標準で付属する
パッケージ 久しぶりに充電器が付属するということで、パッケージは少し分厚くなっている
上部と下部 本体の上部にはマイクのみを備える。下部にはnanoSIM/microSDスロット、マイク、USB 3.2 Gen 2 Type-C端子とスピーカーを備える
側面 左側面にはマイクとアクションキー(後述)、右側面にはボリュームキーと電源キーを備える

独自のAI機能「arrows AI」も

 時勢を受けて、arrows Alphaでは「arrows AI」という独自AI機能を搭載している。これはLenovoグループのソフトウェアリソースを生かしつつ、arrowsに最適な形で実装したものだという。

 arrows AIは先述したカメラ機能の他、「自然言語での機能検索」「通知要約」で使われている。これらの機能はアプリアイコン、画面上のフロートアイコン、または左側面に新設されたアクションキーから呼び出せる。ただし、通知要約機能は発売時点では未実装で、2025年秋〜冬をめどに利用できるようになる。

自然言語 今までも、設定画面の項目検索はできたが項目名が分かっていないとできないという課題があった。その点、arrows AIの機能検索では自然言語で機能を探したり、設定を反映したりしてくれる
自然言語 通知要約機能は、主要なSNS/コミュニケーションアプリに対応する予定だ。ただし、発売時点では未対応で、今発売後のソフトウェア更新で実装される
サイドキー arrows AIは、新設されたアクションキーから呼び出せる。なお、アクションキーは「1回」「2回(ダブルクリック)」「長押し」の最大3パターンで好きな機能(arrows AIまたはデジタルアシスタント)や任意のアプリを呼び出せる(要設定)
アイコン arrows AIはアプリアイコンやフロートアイコンからも呼び出せる(フロートアイコンの表示は要設定)
ロードマップ arrows AIは今後もアップデートで機能を追加/改善していく

ハイエンド機種並みの体験はできそう 課題は「価値の継続提供」と「真のハイエンドモデル」

 SoCだけを見ると「ミドルハイレンジ」のスマホなarrows Alphaだが、ハードウェア/ソフトウェア両面の工夫によって「ハイエンドスマホと同等の体験を提供する」という目的は達せられているように感じた。ハイエンドモデル高すぎ問題に対して、ハイエンドモデルに“戻る”ためのきっかけとしては、十分なモデルだ。実機に触った時間はそれほど長く取れなかったので、今後実機を入手したらより詳細に実力はチェックしていきたい。

 課題もある。まず、arrows AIを含む端末機能を継続的にブラッシュアップできるかどうかという点だ。AIは日進月歩で、できることがどんどん増えている状況にある。それだけに、arrows AIの進化計画を着実に実行することがarrows Alpha、ひいてはarrowsブランドの今後を左右することになるだろう。

 また、FCNTとして、本当の意味でのハイエンドモデルを今後用意できるかという点も気になる。arrows Alphaは、確かに「ハイエンドスマホと同等の体験を提供」できてはいる。ただ、あくまでも“体験”であって、本当のハイエンドモデルではない。このarrows Alphaでハイエンドスマホの“楽しさ”を知ったユーザーが機種変更を考えた際に、arrowsブランド内に“受け皿”があればいいのだが、それを用意できないと他メーカーに流出する恐れもある。今後、arrows Alphaのさらに上位に来るモデルが出てくるかどうかも注目したいところだ。

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