なぜ中国のiPhone 17は物理SIMを搭載しているのか? 日本向けモデルがeSIMオンリーとなった“特殊事情”山根康宏の海外モバイル探訪記(1/3 ページ)

» 2025年09月19日 13時20分 公開
[山根康宏ITmedia]

 iPhone 17シリーズが発表され、相変わらず各国で大きな話題となっている。既に手元に届いたという人もいるだろう。しかし、日本では従来と大きく使い勝手が変わる仕様変更が全モデルで施されたことで、戸惑いの声も多く聞かれる。

 それは日本向けモデルが北米向けモデルと同様に物理SIMカードスロットを廃止してeSIMオンリーとなったことだ。一方、中国向けのiPhone 17はこれまで通りeSIMに非対応となり、物理的なデュアルnano SIMカードスロットを搭載している。

 なぜ日本向けモデルは北米向けモデルと同じ仕様になったのか。そしてなぜ中国向けモデルはeSIMを搭載しないのか。

eSIM導入が他国より容易な日本のキャリア販売ビジネス

 eSIMは世界各国でも普及が進んでいる。日本でも各キャリアがeSIMを提供しており、それほど珍しい存在ではない。

 とはいえ、多くの日本人はまだまだ従来の物理SIMカードを使用しており、またeSIMへの理解度も低いのが実情だ。eSIMはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルだけではなく、一部のMVNOでも対応が始まっている。キャリアショップの来店予約を行う必要もなく、多くのキャリアがオンラインでの契約とeSIM発行に対応している。

 しかし、それでもeSIMの利用者が増えないのは「慣れ」の問題の部分も大きいだろう。eSIMは店舗へ行かずとも契約が可能なキャリアが多く、物理的なカードを必要としないため、紛失や盗難の心配もない。

 「海外旅行時に現地の空港でプリペイドSIMカードを買って入れ替えたはいいものの、日本で使っていたSIMカードを紛失してしまった」なんて経験をした人も多いはずだ。日頃からeSIMを使っていればそのようなトラブルを回避できる。

photo 海外空港で売られるプリペイドSIMカード。だが購入時に日本のSIMカードを紛失してしまった……なんて経験がある人もいるだろう

 利便性の高いeSIMではあるものの、サービスが始まってからまだ数年程度と日が浅く、eSIMの存在そのものを知らない日本人も多い。それでもAppleが日本向けモデルのiPhone 17でeSIMオンリーに踏み切ったのは、日本と北米の端末販売ビジネスに類似点があるためだと考えられる。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月18日 更新
  1. “クレカ障害”の原因、三井住友カードが明らかに 都内店舗は「現金や交通系ICカードをご利用ください」と客に案内 (2026年07月16日)
  2. “クレカ障害”にJCBと楽天カードがコメント 朝のラッシュを直撃 (2026年07月16日)
  3. “特典終了”が続く「d払い」「dポイント」のお得さはどう変わるのか これからは「dカード」の利用が得策? (2026年07月17日)
  4. 専用充電器はもう不要? 中韓スマホから国内勢まで巻き込む「USB PPS」急速充電の新常識 (2026年07月14日)
  5. “クレカ障害”で「現金を持つべき?」の声 三井住友カード「弊社システムで障害は発生していない」 (2026年07月16日)
  6. なぜ? カーナビが「NHK受信料」対象になるワケ 課金されるケースと徴収を免れる方法 (2025年04月15日)
  7. 日本通信がMVNOサービスでシェア5位に 月額290円からの“合理的プラン”が好調 (2026年07月15日)
  8. 手ぶらで改札を通れる! 東武東上線・池袋駅に「顔認証改札」が登場、気になる仕組みとセキュリティを解説 (2026年07月16日)
  9. 中古iPhoneの注文増加 “新品は高すぎ” ――コレが消費者の本音か BelongとMM総研が分析 (2026年07月17日)
  10. NHK受信料に全国の知事が猛反発 パトカーや消防車で見ないのに…「カーナビ過去分請求」 (2026年07月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー