iPhone 17シリーズが発表され、相変わらず各国で大きな話題となっている。既に手元に届いたという人もいるだろう。しかし、日本では従来と大きく使い勝手が変わる仕様変更が全モデルで施されたことで、戸惑いの声も多く聞かれる。
それは日本向けモデルが北米向けモデルと同様に物理SIMカードスロットを廃止してeSIMオンリーとなったことだ。一方、中国向けのiPhone 17はこれまで通りeSIMに非対応となり、物理的なデュアルnano SIMカードスロットを搭載している。
なぜ日本向けモデルは北米向けモデルと同じ仕様になったのか。そしてなぜ中国向けモデルはeSIMを搭載しないのか。
eSIMは世界各国でも普及が進んでいる。日本でも各キャリアがeSIMを提供しており、それほど珍しい存在ではない。
とはいえ、多くの日本人はまだまだ従来の物理SIMカードを使用しており、またeSIMへの理解度も低いのが実情だ。eSIMはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルだけではなく、一部のMVNOでも対応が始まっている。キャリアショップの来店予約を行う必要もなく、多くのキャリアがオンラインでの契約とeSIM発行に対応している。
しかし、それでもeSIMの利用者が増えないのは「慣れ」の問題の部分も大きいだろう。eSIMは店舗へ行かずとも契約が可能なキャリアが多く、物理的なカードを必要としないため、紛失や盗難の心配もない。
「海外旅行時に現地の空港でプリペイドSIMカードを買って入れ替えたはいいものの、日本で使っていたSIMカードを紛失してしまった」なんて経験をした人も多いはずだ。日頃からeSIMを使っていればそのようなトラブルを回避できる。
利便性の高いeSIMではあるものの、サービスが始まってからまだ数年程度と日が浅く、eSIMの存在そのものを知らない日本人も多い。それでもAppleが日本向けモデルのiPhone 17でeSIMオンリーに踏み切ったのは、日本と北米の端末販売ビジネスに類似点があるためだと考えられる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.