そんな中、早い段階でSwitch 2の出品を禁止した企業がある。LINEヤフーだ。社内での議論を経て出品禁止を決断し、「むやみに多くの商品を禁止対象にすれば自由な取引環境を損なう。社会的影響を鑑み、慎重に判断した」と公式サイトで説明している。
メルカリが見習うべき点は2つある。まず、利益を優先しなかった姿勢だ。LINEヤフーは「出品禁止には利益の減少というリスクがあるが、ユーザーが安心して使える環境を守るためには必要な判断だった」と明言している。混乱を放置すれば、むしろ自由で健全な取引の場を損なうという考え方だ。ただし、供給不足が解消されればSwitch 2出品禁止措置は解除するという。
もう1つは、判断の背景をオープンに説明した点である。LINEヤフーは「転売自体を悪と決めつけるのは難しい。介入しすぎれば自由を奪うことになるが、取引環境が混乱する場合は介入が必要」との見解を、自社サイトのインタビュー形式で公開している。取材は6月9日に社内広報編集部が行い、「なぜ禁止にしたのか」「それは正しい判断なのか」という一般ユーザーの疑問に丁寧に答えている。
LINEヤフーは、「Switch 2の出品を禁止したわけ」というインタビュー記事を公開した。この記事では、むやみに禁止対象を増やすと自由な取引環境を損なうとしつつ、悪質な転売の的となる商品は詐欺といった他のトラブルを招くリスクも考慮。あらゆる側面から議論を重ねて総合的に判断した経緯が詳細に分かる内容となっている(出典:LINEヤフーの記事)メルカリには、手数料の是非以前に、こうした説明姿勢が欠けているように見える。もしSwitch 2出品禁止の判断に迷ったのなら、理念を盾にするのではなく、手数料や市場混乱の実態を踏まえて、もう少し誠実に説明すべきではなかったか。メルカリが次に示すべきは、理念ではなく「決断と行動」だ。
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