10月に開始した「Rakuten最強U-NEXT」も、契約者獲得やARPU上昇にはプラス材料になりそうだ。特に、同料金プランはRakuten最強プランとは違い、データ使用量に応じた料金の変動がない。契約したユーザーには、一律で4378円が課金される。「最強家族プログラム」などの割引はあるが、データ使用量に応じた金額の差に比べれば微々たるもの。ユーザーを獲得するだけで、ARPUの向上が見込める。
三木谷氏も、「Rakuten最強U-NEXTは、今後、データARPUの向上に効いてくる」と語る。同料金プランは、2026年1月まで3168円で利用できるキャンペーンが展開されているため、実際にARPUにその効果が反映されるのは、2026年2月以降になるが、9月に開催された説明会では、先行キャンペーンに10万件の申し込みがあったことが明かされている。サービスイン後に、この数字がさらに積み上がっていれば、ARPUは確実に上がることになりそうだ。
ただし、年末までの約1カ月半で50万回線積み上げるハードルは、かなり高いように見える。ここ2年ほどの純増数は、3カ月(四半期)で多くて55万、少ないと24万程度にとどまっているからだ。これは、2024年第2四半期で記録していた55万1000と並ぶ純増を、その半分の期間で達成することを意味する。十万の位を四捨五入で約1000万回線などに条件を緩和するのでなければ、獲得にブーストをかける必要が出てくる。
他社の値上げを伴う料金プラン改定も一巡し、流動性が低くなっているのも、楽天モバイルにとっては向かい風だ。実際、ドコモは純減を記録した第2四半期も解約率は0.69%を死守。KDDIも、第2四半期は前年同期より、解約率は0.12ポイント縮小。1.21%に落ち着いている。ソフトバンクは第2四半期で解約率が1.41%まで増加した一方で、同社は「優良顧客重視」に方針を転換。代表取締役社長執行役員兼CEOの宮川潤一氏は、その理由を「解約率の悪いところを直したいというのが根底にある」と語っている。
他社が守りを固める中、楽天モバイルがMNPの獲得数を第3四半期以上に上げていけるかどうかは未知数だ。もともと掲げている目標が大きいことに加え、モバイル市場を取り巻く市場環境が変わりつつあるというわけだ。
三木谷氏は、「B2Cについては引き続きよい獲得モメンタムを築いているので、これをさらに加速させるとともに、B2Bに関しても年末に向けて積み上がってきているパイプラインを実績化していくことで、今年度(2025年)内に1000万回線が達成できる」としていたものの、前者の個人契約をどう加速させていくかは語られなかった。法人事業でどの程度、契約目前の積み上げがあるのかにも左右されるため、達成は不可能ではないが、具体案が示されなかったのは不安要素といえる。
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