メルペイは12月18日、みんなの銀行と連携し、フリマアプリ「メルカリ」で得た売上金を即時かつ手数料無料で銀行口座へ出金できる新サービスを始めた。従来は振込手数料が発生し、入金までに最短でも1営業日を要していたが、今回の取り組みにより、売上金の扱いが大きく変わることになる。
新サービスは、メルペイとみんなの銀行によるBaaS事業の業務連携を通じて提供される。利用には、メルペイとAPI連携したみんなの銀行口座を開設し、メルカリアプリ内でメルカリバンクとして登録する必要がある。連携後は、メルカリの売上金を即時に、かつ手数料を負担せずに、みんなの銀行口座へ振り込めるようになる。他行口座への振込は従来通り手数料と日数がかかるため、即時無料出金は連携口座に限定される。
メルカリバンクを登録した利用者は、専用の優遇プログラムの対象となり、全国のセブン銀行ATMでの出金が毎月1回まで手数料無料となる。条件を満たすことで、無料回数は最大3回まで拡大される。また、みんなの銀行の口座残高は、メルカリアプリ内のおさいふタブに表示され、残高確認や資金管理をアプリ内で完結できる。口座残高は、メルペイへのチャージや、メルカード、メルカード ゴールドの利用代金の清算にもそのまま使える。
従来の手数料や入金待ちが解消され、専用プログラムによりセブン銀行ATMの出金も月1回(最大3回)無料。残高はアプリで確認でき、メルペイのチャージやメルカードの清算にもシームレスに利用できる。管理から決済まで、メルカリ内での資金循環がよりスムーズに進化する。メルペイは、スマホ決済や後払い決済、クレジットカードといった機能を通じて、売上金を軸にした利用体験を広げてきた。今回の新サービスは、決済や与信にとどまらず、売上金の受け取りから使うまでを一気通貫で扱うウォレットへ進化するための第一歩といえる。メルカリで不要品を売って得たお金を、待ち時間や手数料なしで生活資金として使えるようにすることで、フリマ取引と日常の金融行動をより密接にする狙いだ。
この取り組みでは、銀行機能をアプリ内に自然に組み込むエンベデッドファイナンスの考え方を採用している。デジタル専業銀行であるみんなの銀行と連携することで、口座開設から残高確認、出金までをスマートフォンだけで完結させる設計とした。メルペイは、キャッシュレス社会における資金の流れをより円滑にする新たな基盤として、この仕組みを拡張していく考えを示している。
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