店舗を変えるモバイル決済
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» 2019年02月22日 12時22分 公開

乱立する○○ペイに風穴を開ける? 「メルペイ」が目指す、決済の“エコシステム” (1/2)

フリマアプリ「メルカリ」の売上金を使った決済サービス「メルペイ」がスタート。決済サービスが乱立する中で、どう差別化を図っていくのか。メルペイが2月20日に開催した「MERPAY CONFERENCE 2019」で、その全容が明かされた。

[田中聡,ITmedia]

 フリマアプリ「メルカリ」の売上金を使った決済サービス「メルペイ」がスタート。まずはiOS向けに2月13日から先行提供し、Android向けを2019年2月下旬〜3月上旬に、コード決済を3月中旬から提供する。

メルペイ iOS向け「メルペイ」。Apple Payで「iD」を利用する
メルペイ 3月以降に提供予定のコード決済

 2018年からにわかに盛りあがったモバイル決済にメルカリも参入した形だが、決済サービスが乱立する中で、どう差別化を図っていくのか。メルペイが2月20日に開催した「MERPAY CONFERENCE 2019」で、その全容が明かされた。

 メルカリの流通額は月間400億円を超えており、1200万人のアクティブユーザーを抱える。10〜50代を中心に幅広いユーザーが利用し、「売ることを前提とした消費行動」が活発に起きている。また、放送梱包資材を購入するために100円ショップの利用が増えたり、商品発送で郵便やコンビニの利用が増えたりするなど、メルカリを取り巻く経済効果は最大752億円あるともいわれている。

メルペイ メルカリのユーザー数と決済額は、右肩上がりで伸びている

 そんなメルカリが次に取り組むのが「お金の流動性でイノベーションを起こすこと」だと、メルカリの山田進太郎CEOは話す。これまでは二次流通としてメルカリの中で循環していたお金を、一次流通として店舗に流すことで、新たなエコシステムを構築させるのが狙いだ。

 メルペイ代表取締役の青柳直樹氏は「物の流れをより滑らかにするには、お金の流れも滑らかにする必要がある」と話す。具体的には「メルペイで本を購入し、読み終わったらメルカリで売る。新しい本を借りるような感覚で売れる。メルカリ、メルペイならではの体験を届けられる」という流れを思い描く。青柳氏は「メルペイは単なる決済手段ではない」と強調する。

メルペイ 左からメルカリ山田進太郎氏、メルペイ青柳直樹氏、メルペイ山本真人氏

ユーザーがメルペイを使うメリット

 青柳氏はメルカリのメリットとして、「メルカリの売上金がすぐに使えること」「さまざまなお店で使えること」「メルカリアプリでそのまま使えること」を挙げる。売上金の他に、登録した銀行口座からチャージした金額も利用できる。銀行は2月20日時点で31行が連携可能で、今後予定しているところを含めれば、60行以上の銀行と連携可能になる予定。

メルペイ ユーザーがメルペイを使うメリット

 決済サービスを提供する上で課題になるのが店舗開拓。新規で開拓するには膨大なコストと時間がかかる。そこでメルペイではまず、iOSとAndroidの非接触決済に対応させ、「iD」に対応した店舗で利用可能とした。これにより、一気に90万箇所の加盟店を手に入れた。

 そして、Apple Payやおサイフケータイに対応していないスマートフォンでも決済ができるよう、バーコード/QRコードを使った決済も45万箇所で導入する。

メルペイ メルペイを使える(使える予定の)店舗

 今後はネット決済への対応も予定しており、将来的にはネットで購入した履歴を元に、ワンタップでメルカリに出品できる仕組みも作る予定。

 さらに、メルカリでの取引実績からなる信用情報をもとに、残高がなくても後払いで取引ができる「メルペイあと払い」を2019年春に提供する予定。

加盟店がメルペイを採用するメリット

 では、加盟店がメルペイを導入するメリットはどこにあるのか。メルペイ執行役員VP of BusinessDevelopment and Salesの山本真人氏は「1200万人のユーザー基盤」「年間約5000億円の売上金」「メルカリのデータ」を挙げる。メルカリの売上金は「月々の収入とは全く別のお金。ある種の臨時収入」(山本氏)なので、より積極的に使ってもらえることを同氏は期待する。

メルペイ 加盟店がメルペイを採用するメリット
メルペイ メルカリの売上金は「臨時収入」なので、消費してもらいやすいとの考え

 加盟店には、メルカリの売上金を持つユーザーが、どんな商品を売買して、どんなものに興味があるのか、といったデータを店舗に提供する。山本氏は「お客さまに同意いただく必要はあるが」と前置きした上で、店舗近隣に住むユーザーの行動や好みが分かるデータを提供することで、加盟店は販促に役立てられる。なおデータが有償か無償化については未定。

メルペイ メルカリのデータを活用し、加盟店の販促をサポートする

 決済にまつわる費用については、「加盟店の負担が過剰にならないよう最大限の配慮をする」(山本氏)とし、初期導入費用と固定費用は0円に、決済手数料は1.5%とする。同氏は「1.5%の手数料はクレジットカードと比べて非常に低廉」と強調する。また、1.5%は期間限定のキャンペーンではなく、継続的に適用する。

メルペイ 決済手数料は1.5%

店舗はオープンな姿勢で開拓

 青柳氏は「多くの法人と直接話すと、2018年後半からコード決済の導入ブームや、増税対策、キャッシュレス振興の機運もあり、想定していた以上に導入を決めていただけている」と手応えを話すが、自前で店舗開拓をするには限界がある。また、サービスによって使える店、使えない店が生まれる状況はユーザーにも優しくない。

 そこでメルペイは、オープンなスタンスで、外部パートナーとの連携で店舗を拡大していく。青柳氏は「OPENNESS(オープンネス)」という言葉を強調し、中立的な立場で店舗拡大に努める姿勢を強調した。まずは、加盟店契約を一本化するJCBの決済基盤「Smart Code」にメルカリが対応し、KDDIが4月に開始予定のコード決済サービス「au PAY」とも相互連携する。

 これにより、Smart Codeを採用する加盟店、そしてau PAYの加盟店でもメルペイが使えるようになる。

メルペイ オープンな姿勢で加盟店開拓を行う
メルペイ 「au PAY」との連携も決定

 提携先にKDDIを選んだ理由について青柳氏は「au WALLETがモバイルペイメントで実績があり、既に1000億円以上の残高があること」を挙げる。また青柳氏が以前在籍していたGREEは、KDDIとSNSで協業した実績があり、その際に現在の高橋誠社長と青柳氏がビジネスをともにしたことも、今回の提携を後押ししたようだ。

 なお、KDDIは楽天との提携により、「楽天ペイ」の加盟店でau PAYも利用可能になる。ということは、メルペイも楽天ペイの加盟店で利用できるのだろうか? この点を青柳氏に尋ねたところ「楽天さんと決まったことはない」とのことで、現状は未定のようだ。

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