警察庁の公式Xアカウント「@NPA_KOHO」は1月6日、重大な注意喚起を行った。木原官房長官の映像を悪用し、不当に投資を勧誘する詐欺動画がネット上(YouTube)で拡散していることが確認されたためだ。動画の手口は、虚偽の説明を用いて巧妙に投資へ誘導する内容となっている。警察庁はこうした悪質な広告に対し、記載されたURLを不用意にクリックしないことや、氏名・電話番号・銀行口座などの個人情報を入力・登録しないよう強く呼びかけている。
今回の事案を受け、SNS上では多くの利用者から不安や憤りの声が上がっている。とりわけ目立つのは、一般の視聴者が動画の真偽を客観的に見極めるのは非常に困難であるという指摘だ。AIによって著名人の声や表情を精緻に再現するディープフェイク技術が悪用されることで、木原官房長官のような公職者が特定の投資案件を推奨しているという誤解を生みやすくなっている。
こうした公共のインフラを悪用した明らかな詐欺行為に対し、利用者の間では、欧州連合が進めているような「Alphabet」や「Meta」といった巨大プラットフォーム運営企業に対する規制を日本国内でも強化すべきだという意見が噴出している。特に「YouTube」などの動画配信サイトで表示される詐欺広告の審査体制が不十分であるとの理由から、企業側にさらなる責任を追求する声もある。
注意喚起ポストに寄せられた声の中には、実際に著名人の動画を信じて被害に遭った人物の生々しい証言もある。ある被害者は、経済的に成功している著名人が登場する広告を信頼して登録した結果、代理人を名乗る人物から「LINE」で頻繁に連絡が届くようになり、ようやく不自然さに気づいてアカウントをブロックしたという。
本来、投資には常にリスクが伴うものであり、元本保証や確実な高利益をうたう「甘い話」は存在しない。しかし、政府機関や日本銀行の名をかたることで、その防壁を突き崩そうとするのが詐欺動画の狙いだろう。
木原官房長官のみならず、皇族をおとしめるような投稿や著名人になりすました偽広告が放置されている現状に対し、国家の威信をかけて厳正に対処すべきだという論調も見られる。
生成AIの急速な発展は利便性をもたらす一方で、今回のようなフェイクコンテンツの作成を容易にした側面は否めない。今後は技術の進歩に合わせた法的な規制の検討や、プラットフォーマーに対する強力な改善要請が政府に求められるはずだ。「注意喚起にとどまらず、実行犯を必ず検挙するという強い姿勢を示していただきたいです」という声もあり、「単なるなりすまし動画」ではなく重大な事案として受け止めるべき局面に来ている。
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