通信業界のビジネスは日々、めまぐるしく変化している。その主役となる携帯電話の世界は、スマートフォンの登場によって大きく変わった。
そんな通信ビジネスの過去、現在、未来について包括的に解説しているのが、クロスメディア・パブリッシングが1月9日に発売した「通信ビジネス」だ。本書は、弊誌ITmedia Mobileでもおなじみのジャーナリスト、石野純也氏が執筆したもの。石野氏は20年以上にわたりモバイル業界を取材しており、同氏が培ってきたモバイルに関する知見が存分に盛り込まれている。価格は1848円で、Kindle版が1760円だ。
一言で通信ビジネスといっても、その領域は多岐にわたる。スマートフォンはiPhoneとAndroidに大別され、各スマホを開発する多様なメーカー、そして通信サービスを展開しているキャリアが存在する。本書では、AppleやGoogleなどのプラットフォーマー、端末メーカー、そしてキャリアを取り巻くビジネスモデルの変遷を読み解くことができる。
中でも多くを占めているのが、通信キャリアに関する記述だ。フィーチャーフォン全盛の時代は、日本ではキャリア主導で端末やサービスを展開していたが、スマホの登場によってそのビジネスモデルが大きく変わった。本書では、スマホ時代でキャリアが直面したネットワークの課題、金融や決済などの周辺領域に乗り出した背景なども解説している。新規参入キャリアとして注目を集めている楽天モバイルについても、通信政策を交えて参入の背景が理解できる。
もちろんキャリアだけでなく、iPhoneやAndroidのビジネスモデル、チップベンダー、5Gを中心とした通信技術の進化や基地局ビジネスなどの内容も充実している。各項目では、国内外での取材に裏打ちされた事実やキーパーソンのコメントも交えており、概要の把握にとどまらない、気付きの多い内容になっている。
AIで変わるスマホの在り方、各キャリアが進めている衛星通信、6Gから学ぶ通信ビジネスの未来など、最新のトピックも盛り込んでおり、通信サービスが進化するためのヒントも得られる。
本書は、これからモバイル業界に関わる人や、同業界を勉強したい人への入門書としておすすめできる。モバイル業界に身を置いている人や、スマホや通信に詳しい人にとっても、めまぐるしく変化する同業界を整理して理解するのに最適な一冊といえる。
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