2025年のスマホ市場総括:薄型化で明暗分かれたGalaxyとiPhone/メーカーとキャリアの関係に変化も/AIの進化は道半ば:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2025年12月27日 14時33分 公開
[石野純也,ITmedia]

 2025年も残すところあとわずか。今年も、さまざまなスマートフォンが販売されてきた。特に話題になったのは、薄型化し、折りたたんだときに通常のスマホとほぼ同じようなサイズ感になった「Galaxy Z Fold7」や、わずか5.8mmの薄さで1枚の板のようなデザインを実現した「iPhone Air」だ。性能の向上で置き去りになってきたスマホの形状に改めて焦点が当たった1年だった。

 機能面では、2024年から続き、スマホで動作するAIが進化を続けている。2025年のトレンドは、エージェント的に振る舞うAI。年明け早々に発表された「Galaxy S25」シリーズから搭載が始まったGeminiのアプリ連携や、「Pixel 10」シリーズに採用された「マジックサジェスト」は、その一例といえる。Appleの「Apple Intelligence」が日本語対応したのも2025年の大きなテーマだ。

 メーカー別では、Essential Spaceなどの新機能を引っ提げたNothing Technologyが楽天モバイルと提携。キャリアとの販路を開拓して、にわかに存在感を高めた。サムスン電子も、ソフトバンクとの雪解けを経て、販売を大きく伸ばしている。年内最後の連載になる今回は、2025年のスマホを改めて振り返りつつ2026年を展望していきたい。

Galaxy Zシリーズ
iPhone 17
Pixel 10
Nothing Phone (3) 25年もさまざまなスマホが発売された。そのトレンドを振り返っていく。写真は上からGalaxy Zシリーズ、iPhone 17シリーズ、Pixel 10シリーズとNothing Phone (3)

薄さ、軽さで衝撃を与えたGalaxy Z Fold7、単純な「薄型」には課題も

 折りたたむと普通のスマホに、開くとタブレットになるといわれてきたフォルダブルスマホだが、トレードオフもあった。その1つが厚み、もう1つが重さだ。タブレットと比較すると許容できる範囲だが、一般的なスマホよりもサイズが大きくなり、質量も増してしまうのはより広い層に浸透させていくうえでの大きな課題だった。2025年に登場したGalaxy Z Fold7は、そのフォルダブル特有ともいえる弱点を克服した1台だった。

Galaxy Z Fold7 閉じてメインディスプレイが重なった状態でも、通常のスマホと同程度の厚みを実現したGalaxy Z Fold7。この薄さは、衝撃を与えた

 同モデルは、閉じた状態でも厚みが約8.9mm、重量は215gまで抑えている。ヒンジ部分の触感が違うといった差はあるものの、普通のスマホと同じように持つことが可能だ。「フォルダブルだから」という言い訳が一切ない端末に仕上がっている。カメラも、先に発売された「Galaxy S25 Ultra」と同様、メインカメラに2億画素のセンサーを搭載し、ややスペックダウンを図っていた「Galaxy Z Fold6」までの端末との差別化を図った。

Galaxy Z Fold7 Galaxy S25 Ultra(写真右)よりも軽いという重さも、一般受けする要素といえる

 そのインパクトが十分伝わった結果、Galaxy Z Fold7は2024年比で大きく販売を伸ばしているという。これまでのフォルダブルスマホは、どちらかといえば価格が安く、ファッション要素も強かった縦開き型が主流だったが、Galaxy Z Fold7はその傾向に一石を投じた1台になった。年末には、ZTEがY!mobileから初の横折り型「nubia Fold」を発売するなど、薄さという武器を得たフォルダブルスマホはそのバリエーションを広げている。

 このフォルダブルスマホから開閉機構を取り除けば、通常のスマホも今まで以上に薄くできる。そんな挑戦をしたのが、AppleのiPhone Airだ。同モデル投入の動きを察知したのか、25年は、グローバルでスマホの薄型化競争も起こった。日本市場には投入されていないが、サムスン電子も1月のイベントでサプライズとして薄型モデルの「Galaxy S25 Edge」を発表しており、大きな話題を集めている。

iPhone Air Appleは、5.6mmの薄さを誇るiPhone Airを発売した。Airを冠する、初のiPhoneだ
Galaxy S25 Edge 1月のイベントでは、サムスン電子も厚さ5.8mmのGalaxy S25 Edgeをお披露目している

 5.6mm薄さを実現するため、iPhone Airは超広角カメラや望遠カメラを削ぎ落した他、eSIMオンリーの設計することでギリギリまでバッテリーを搭載した。モデムを、省電力なApple独自の「C1」にすることで、駆動時間も両立させている。カメラの台座部分に基板を集約した設計もこれまでのiPhoneとは異なるポイントで、Appleの挑戦する姿勢が垣間見えた。

iPhone Air カメラ回りに、スマホの心臓部ともいえる基板を押し込んだ新たな設計を採用。eSIMオンリーにしてスペースを節約し、バッテリー容量も確保した

 一方で、実際に発売され、人気を博したのはベースのスペックを底上げした「iPhone 17」や、放熱性能を底上げして、設計を見直した「iPhone 17 Pro」シリーズだった。これに対し、iPhone Airの販売不振を報じるメディアは多い。実際、各種販売ランキングを見ても、上位に入るのはiPhone 17やiPhone 17 Proで、iPhone Airが他モデルに迫れていない様子を見て取れる。同様に、Galaxy S25 Edgeも海外では他のGalaxyシリーズに迫れていないと報じられている。

 同じ薄型化を図ったGalaxy Z Fold7とは対照的だが、単に通常の形のスマホを薄くしただけでは、ユーザーに魅力を訴求しきれなくなっていることがうかがえる。また、iPhone Airは薄型化のためのトレードオフがあるにもかかわらず、価格はProモデルに近い15万9800円からとなっており、割高感を与えてしまった印象も受けた。薄くて軽いだけではなく、そこに機能性やコストパフォーマンスなど、もう1つ何か付加価値が必要だったのかもしれない。

iPhone 17 実際にユーザーから人気が高いのは、ノーマルモデルのiPhone 17。120Hzディスプレイへの対応や、処理能力の向上、ストレージ増量など、コストパフォーマンスの高さが評価された格好だ
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