2025年は、やや固定化しつつあるメーカーのシェアやキャリアとの関係にも、大きな動きのあった1年だった。その1つは、ソフトバンクが約10年ぶりにGalaxyの販売を“再開”したことだ。同社は、iPhone、Pixelに続く3本目の柱としてGalaxyを展開しており、通常のAndroidスマホとは別枠の扱いをしている。「新トクするサポート(プレミアム)」を組み合わせて、ベースモデルのGalaxy S25をいきなり月額3円にしたことでも大きな話題を集めた。
ソフトバンクは、その後に発売されたGalaxy Z Fold7や「Galaxy Z Flip7」も販売しており、同社の新定番になりつつある。また、サムスン電子はソフトバンク以外にも販路を拡大。9月には、MVNO最大手のIIJmioで、Galaxyシリーズの展開が始まった。年末には、Yahoo!ショッピングモールにストアを設けるなど、オープンマーケットモデルの拡販も強化している。
調査会社MM総研が11月に発表した上期(4月から9月)の出荷台数調査では、3位に浮上。台数も前年同期比で52.3%増の163.1万台を記録している。同調査では、レノボ傘下として復活を果たしたFCNTもシェア5位まで回復した。同社は、8月にハイエンドモデル(機能的にはミッドハイに当たる)と銘打った「arrows Alpha」を発売。ラインアップを拡充している。
FCNTと兄弟関係になったモトローラ・モビリティ・ジャパンも、よりキャリアとの関係を強化しており、2024年のドコモ参入に続き、12月にはauからrazrシリーズの最上位モデルとなる「razr 60 ultra」を発売した。FCNTとモトローラを合算したレノボとしては、販売台数を大きく伸ばした形だ。2社はハードウェアの部材調達を共通化した他、AIの日本語化なども共同で行っており、シナジー効果が大きくなりつつある。
新興メーカーでは、Nothingの躍進が目立った。同社は、4月に発売したNothing Phone (3a)で、初めてキャリアモデルを投入。そのパートナーに選ばれたのが、楽天モバイルだった。もともとネット販売や家電量販店、一部ファッション系のショップを中心に展開していたNothingだが、店舗数を急速に拡大している楽天モバイルで取り扱われる影響は大きい。単純に場所が広がるというだけでなく、専用コーナーを設けることで、その世界観も訴求できるからだ。
8月には、2年ぶりとなるハイエンドモデルの「Nothing Phone (3)」を発売。さらには、サブブランド的な扱いのCMF Phoneシリーズも、周波数対応やおサイフケータイ対応といったローカライズを行い、「CMF Phone 2 Pro」を発売した。大手メーカーと比べるとまだ知る人ぞ知る存在だが、既存のスマホとは違ったデザインや遊び心を評価する人に、じわじわと広がっている。
逆に、Xiaomiは日本でオープンマーケット重視の戦略にかじを切っており、キャリアモデルの数を減らした。キャリアモデルとして販売されたのは、12月に登場した「REDMI 15 5G」のみ。ソフトバンクが取り扱っていた「Xiaomi 14T Pro」や、auが販売した「Xiaomi 14T」の後継機2機種も、オープンマーケットでの取り扱いにとどまった。一方で、2024年まではなかったフラグシップモデルの「Xiaomi 15」を早期に投入するなど、ラインアップは拡充させている。
また、ソフトバンクはこうしたモデルを展開するための「SoftBank Fee Style」というカテゴリーを設けて、オープンマーケットモデルのオンライン販売にも乗り出している。現時点では、Xiaomiの他、先に挙げたOPPOのFind X9を販売中だ。あくまでメーカーモデルという位置付けながら、SIMのみ契約と組み合わせることができれば、ユーザーの選択肢には上がりやすくなる。実験的な取り組みには見えるが、こうした販売方法がどこまで定着するのかにも注目しておきたい。
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