2025年のスマホ市場総括:薄型化で明暗分かれたGalaxyとiPhone/メーカーとキャリアの関係に変化も/AIの進化は道半ば:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2025年12月27日 14時33分 公開
[石野純也,ITmedia]

エージェント的なAIは道半ば、Apple Intelligenceも日本上陸

 機能面では、端末上で動作するAIが2024年以上に注目を集めた。その使い方の変化として大きかったのが、エージェント的に振る舞えるようになったということだ。サムスン電子とGoogleは、1月に発表されたGalaxy S25シリーズでGeminiのアプリ連携に対応。Geminiに話しかけるだけで、メッセージを送ったり、検索結果をメモアプリに保存したり、予定をスケジューラーに登録できたりといったことが実現した。

Gemini Galaxy S25シリーズの発表に合わせ、GoogleのGeminiが機能を拡張。アプリ連携が可能になった

 Galaxy S25シリーズと同時に、この機能はGoogle純正スマホのPixelシリーズにも対応しており、8月に発売されたPixel 10シリーズにも搭載されている。2025年に発売されたNothingのスマホに搭載されるEssential Spaceも、エージェントとして使える機能だ。スクリーンショットや音声を保存しておくだけで、自動的に内容を要約してくれる他、タスクリストの作成も可能。同様の機能は、年末に発売されたOPPOの「OPPO Find X9」にも、「AIマインドスペース」として実装されている。

OPPO Find X9 OPPOのFind X9に搭載されたAIマインドスペース。ボタンを押すだけでスクリーンショットが取れて、その中身を解析。ユーザーにカレンダー登録などを促してくれる

 とはいえ、これらの機能はユーザーが能動的に、何かアクションを起こす必要がある。よりAIがユーザーの行動を先読みして動き、アクションを提案してくれるような機能の実装も始まっている。GoogleがPixel 10シリーズに搭載したマジックサジェストは、そんなコンセプトを具現化した機能の1つだ。マジックサジェストは、ユーザーのメールやスケジュールなどをバックグラウンドで学習し、電話やメッセージのやりとりの際に必要な情報を提示してくれることを売りにしている。

 Googleは、マジックサジェストをアプリの何度も行き来するストレスから解放する機能と位置付けている。ただ、それは取りこぼしなく、かつ正しく機能すればの話。実際にマジックサジェストを使ってみると、なかなか必要な情報を提案してくれない。メッセージでは、カレンダーアプリが提案されることはあったものの、現時点では利用シーンがかなり限定されている。現実の機能が、コンセプトに追い付いていない印象を受けた。

Pixel 10Pixel 10 Pixel 10シリーズに搭載されたマジックサジェスト。ユーザーの蓄積したデータを参照、学習し、関連するコミュニケーションの際に自動でそれを提案する

 スマホ内に散らばったデータをAIが学習し、AIが文脈に沿って動作するようになる機能は、Appleも改良版Siriで目指している一方、この機能は投入が大幅に遅れている。初めて構想が明かされたのは、2024年のWWDC。2025年に導入されるかと思いきや、iPhone 17シリーズやiPhone Airを発表した際にも言及はされなかった。想定したパフォーマンスに達していないのが遅延の理由で、AppleがAIで後れを取っていると言われる根拠にも挙げられている。

Apple Intelligence Apple Intelligenceが日本に上陸したのも、25年の大きなトピックだ

 ただ、AIモデルやAIサービスの開発をリードしているGoogleですら、Pixel 10シリーズのマジックサジェストが十分な動作をしているとは言いがたい。機能を実装できていないAppleが後れを取っているのは事実だが、キャッチアップできる余地はまだありそうだ。AIモデルの改善や、オンデバイスAIの処理能力向上など、手を入れることは多そうだが、2026年には本当の意味で役立つエージェント的なAIが導入されることを期待したい。

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