迷走するvivoのセルフィースマホ「S50」シリーズ:山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2026年01月25日 10時00分 公開
[山根康宏,ITmedia]

 vivoのセルフィー・ポートレート強化モデルである「S」シリーズは、中国で展開されているモデルです。グローバルでは仕様を若干変えた「V」シリーズとして販売されています。

 Sシリーズ最新モデルとなる「S50」シリーズが、2025年12月15日に中国で発売となりましたが、2つのモデルは同じシリーズの製品とはいえないデザインをしています。

photo vivo「S50」と「S50 Pro mini」

 発売されたモデルは「S50」と「S50 Pro mini」です。この2つのモデル名を見ると、本来は「S50 Pro」というモデルが存在するように思えます。しかし、vivoは1つ前の「S30」シリーズでも同様に2モデル展開で、Proモデルはありませんでした。消費者側が混乱してしまわないかとちょっと心配になります。

photo 無印モデルの「S50」

 S50のスペックはプロセッサがQualcommのSnapdragon 8s Gen 3、ディスプレイサイズは5.59型です。一般的なスマートフォンと比べるとやや小さいものの、小型モデルよりは大きめ。カメラは約5000万画素の広角、約5000万画素の3倍望遠、約800万画素の超広角を搭載します。

photo トリプルカメラを搭載

 バッテリーは6500mAhで90Wの急速充電に対応しています。実はこの後に紹介するS50 Pro miniも、カメラとバッテリー性能は同等です。ただしS50 Pro miniは40Wの無線充電も追加されています。

photo 6500mAhバッテリーを搭載。最近のモデルとしてはやや少ない容量だ

 そして、こちらがS50 Pro miniです。ディスプレイサイズは6.31型です。Proの名前が付くだけあって、プロセッサは高性能なSnapdragon 8 Gen 5を搭載します。

 名前が似ていますがSnapdragon 8 Elite Gen 5ではありません。Qualcommの方もプロセッサ名がだんだんややこしくなってきているなという気もしてしまいますが、Eliteより1つ下の性能を持つプロセッサを求める中国メーカーの要求に応えて投入したのでしょう。

photo 小型モデルの「S50 Pro mini」

 このPro miniという名前のモデルは、ちょうど1年前にカメラフォンの「X200」シリーズが登場した際に「X200」「X200 Pro」「X200 Pro mini」の3モデルが出てきたときに誕生したものです。

 しかし、前述したように2025年5月に登場したS30シリーズではS30とS30 Pro miniだけしか出てきませんでした。Sシリーズのターゲットユーザーを考えると、大画面ハイエンドモデルは不要ということなのかもしれませんが、それなら「S50 mini」を出して価格を抑えるべきではないかと考えてしまいます。

photo Proモデルが無いのが不思議に思える

 そして2つのモデルを比べると、カメラデザインが全く異なっており、同じシリーズの製品とは思えません。別の製品として開発したものを無理に同じS50シリーズにしたのでは、なんて勘ぐってしまうほどです。

 SシリーズはOPPOのRenoシリーズ、HONORの数字3桁シリーズとほぼ同時期に発売され、ターゲットユーザーも同等のライバル製品です。他社の新製品の性能や価格に合わせると、Proの無い2モデル展開や背面デザインを変えた製品を出さざるを得ないということなのかもしれません。

photo S50 Pro miniのカメラデザインはS50とは全く異なる

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