警察庁は2026年4月1日から16歳以上を対象に、自転車の交通違反に対する交通反則通告制度(青切符)を導入する。この新制度の開始を目前に控えた3月23日、NTTドコモとKDDIが公式X(旧Twitter)において、自転車の「ながらスマホ」に関する注意喚起を実施した。
NTTドコモは、運転中のスマホ操作や通話、画面の注視が反則金の対象になる事実を挙げ、大切な命を守るために使用を控えるよう呼びかけた。同社は業界団体であるMCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)や他通信事業者とも連携し、業界全体で啓発活動を展開している。さらに、運転中だけでなく、通行の多い場所で自転車を停車して「ながらスマホ」を行うことも、周囲の通行の妨げやトラブルの原因になるとして、安全な場所に停車して使用するよう求めている。
KDDIも公式アカウントで、画面の表示内容や音楽、過剰な環境音に注意が向きすぎる危険性を指摘し、運転中はスマホやイヤフォンをカバンにしまうよう具体的な行動を促した。
同社は単なるSNSでの発信にとどまらず、大学や関係機関と連携してVR(仮想現実)やリスクシミュレーターを活用した体験コンテンツを制作し、自治体や学校のイベントなどで「ながら運転」の恐怖を疑似体験できる機会を提供している。
KDDIは「ながらスマホ」撲滅に向け、大学や関係機関と連携した取り組みを強化している。VRやシミュレーターを用いた体験コンテンツを制作し、自治体や学校のイベントで「ながら運転」の恐怖を疑似体験できる機会を提供中だ(出典:KDDIの「ながらスマホ」撲滅に向けた取り組み〜安全・安心に利用できる社会の実現に向けて〜)警察庁の統計によると、携帯電話を使用しながらの自転車関連事故は前年同期比で約2.3倍に急増している。さらに、自転車乗車中の死亡・重傷事故の約4分の3において、自転車側にも何らかの法令違反が存在する。
愛知工科大学の小塚一宏名誉・特任教授の監修のもと、京都府、KDDI、au損保、UNN関西学生報道連盟(京都大学、同志社大学、立命館大学、京都女子大学など)が実施した実験結果も、この危険性を裏付けている。自転車でながらスマホ運転をすると、運転者の視線が頻繁に手元の画面へ向かい、周囲の歩行者を注視する時間が本来の「23%」まで減少すると判明した。
イヤフォンによる遮音の危険性も見逃せない。音響実験によると、ノイズキャンセリング機能をオンにした場合、約70dBある道路の音が、静かな図書館レベルの約40dBまで小さくなる。この状態で音楽を再生すると、後方から接近する自動車の走行音に気付きにくくなり、非常に危険な状況に陥るという。
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