JRグループ6社(※1)は4月10日、交通系ICカードのエリア外において利用できる「みせるモバイル定期券」のサービスを2027年春に開始することを発表した。サービスの詳細は、決まり次第改めて告知するという。
(※1)北海道旅客鉄道(JR北海道)、東日本旅客鉄道(JR東日本)、東海旅客鉄道(JR東海)、西日本旅客鉄道(JR西日本)、四国旅客鉄道(JR四国)、九州旅客鉄道(JR九州)
みせるモバイル定期券は、交通系ICカードの利用エリア外においてスマートフォンアプリの画面を提示して利用できる定期乗車券だ。
JR北海道/JR東日本エリアではJR東日本が提供する「モバイルSuica」アプリを、他の4社のエリアではJR西日本が提供する「モバイルICOCA」アプリを利用する想定で、交通系ICカードのエリア外の駅相互間だけでなく、交通系ICカードのエリア内の駅とエリア外の駅にまたがる利用にも対応する(※2)。購入できるのは通勤定期券と通学定期券だが、一部対象外となるものもある。
(※2)JR四国については、JR西日本の交通系ICエリア外の駅と、JR四国の一部の駅までを結ぶ定期券のみ対応する(同社では既に、独自のチケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」で自社線と土佐くろしお鉄道線の定期券を購入できる。ただし、児島駅を発着駅とする場合は購入できない)
みせるモバイル定期券は、交通系ICカードのエリア内はスマホを改札機にタッチして利用する。一方、交通系ICカードのエリア外ではアプリを操作して定期券情報を表示し、駅係員(無人駅などの場合は乗務員)に見せて使うことになる。
なお、交通系ICカードで鉄道を利用する場合、駅の「入場」「出場」をカード側に記録しており、入場記録がないと出場できず、出場記録がないと入場できない仕組みとなっている(※3)。
この仕組みを維持したまま本定期券を導入した場合、交通系ICカードの対応エリアと非対応エリアをまたぐ場合に問題が生じうる。何らかの対応策が盛り込まれると思われるが、現時点では明らかになっていない。
(※3)磁気式の乗車券/定期券でも同様の仕組みを導入している区間がある
みせるモバイル定期券は、交通系ICカードの対応エリア外ではスマホの画面を駅係員または乗務員に提示して利用する一方で、交通系ICカードの対応エリア内では従来通り改札機にタッチして使うという。対応/非対応エリアをまたいで使う場合、「交通系ICカードでは『入場』『出場』を記録している」という現状の仕組みが“かせ”となりうるが、何らかの対処がなされると思われるJRグループ6社では昨今、人手不足などを背景に「みどりの窓口」(乗車券/定期券の購入カウンター)の削減を進めている。定期券の購入自体は、駅に「指定席券売機」または定期券発券が可能な「自動券売機」があれば可能だが、これらもない場合は定期券を購入するために長距離移動を強いられることもある。
みせるモバイル定期券のサービスが始まれば、交通系ICカードのエリア外でも駅に窓口や対応券売機がなくとも定期券を買える点でメリットは大きい。
みせるモバイル定期券では、一部の通勤/通学定期券を購入できないとされている。ただし、どのような条件を満たすと購入できないかという情報は、記事掲載時点で公表されていない。
参考までに、記事掲載時点においてモバイルSuica/モバイルICOCAで購入できない定期券を紹介する(オペレーター対応で購入できるものは除外している)。
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