5月19日午前から、ドコモのネットワークがつながりにくいといった声がSNSで目立ったことを受け、ドコモが異例の告知を出した。ドコモ自体の設備には影響がなく、一部MVNOの設備に不具合によって、MVNOサービスの利用に影響が出ていたことが分かった。
このMVNOサービスとは、フリービット傘下のドリーム・トレイン・インターネットが提供している「DTI SIM」と「トーンモバイル」であることが判明した。同社は5月19日に、これら2サービスでネットワーク設備の障害が発生したことを告知した。発生期間は5月19日2時5分頃から12時38分頃まで。
影響内容については「SIMの新規接続時に時間がかかる状態だった」と案内している。具体的にどういうことか。フリービットに確認したところ、「新規接続、もしくは再接続が発生したときに、接続時に時間がかかる場合があるという現象」とのこと。基地局と携帯電話の新規接続や再接続は日常的に行われているものなので、普段使いの通信に影響があったことが分かる。
「フリービットの設備に障害があり、一部お客さまへの影響が出ていたことは確認している」とのこと。また、19日に影響があったのはトーンモバイルとDTI SIMだけでなく、フリービットがMVNEとしてサービスを提供している「別OEM(事業者)様も一部含んでいる」が、影響を受けていない事業者もいるという。
つまり、19日にSNSで増えた「ドコモがつながりにくい」という声の多くは、フリービット系列のMVNOユーザーのものだった可能性が高い。ただ、トーンモバイルやDTI SIMがつながりにくいという投稿は確認できず、投稿主がドコモ回線のMVNOサービスをドコモのサービスだと誤認していたとは考えにくい。
サービス自体は認識していたものの、「回線がドコモだから」という理由で「ドコモがつながりにくい」と投稿した可能性も否定できないが、それらは少数派だろう。むしろ、ドコモ回線に対する潜在的な不満がベースにあったからこそ、今回のMVNO障害が「ドコモ全体の障害」であるかのようにSNS上で増幅されてしまった、とみるのが自然ではないだろうか。
さらにいえば、ドコモ回線を用いたMVNOサービスも、速度低下の傾向がみられる。イオンモバイルが2025年に測定した実効速度は、ドコモ回線では平日の日中に1Mbps以下しか速度が出ていないという結果だった。またIIJの谷脇康彦社長も、5月14日の決算会見で、ドコモ回線の品質について「いろいろなご意見がお客さまから寄せられている」と語っていた。
大本のドコモ回線や、ドコモ回線のMVNOサービスでもつながりにくいという声が途絶えない中でMVNO設備の不具合が起きたことで、ユーザーの不満が一層目立つ結果となったようだ。ドコモの品質改善への取り組みはもちろん、回線を借りるMVNO側がいかに安定した通信インフラを維持し、正確な情報を発信していけるかが、今後も重要であることに変わりはない。
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