―― 逆に、ホワイトレーベルより技術が必要で、サービスインに手間がかかると思いますが、難度は高かったのでしょうか。
樋口氏 圧倒的に高かったですね。システムから全部作らなければならないので、その辺に一番時間がかかりました。
倉重氏 システムだけでなく、利用規約やお客さま対応まで、全てを作りました。普段は旅行など、別のプロダクトを担当しているカスタマーサポートにも半年ぐらい並走してもらいました。お客さまがどういうところでつまずきやすいのか、自社だからこそ分かるところもあります。
―― モバイルならではの問い合わせも多いのではないでしょうか。
倉重氏 まさに今、そういったお問い合わせがきています。店舗を持たず、Webで完結しているため、電話とメールしか接点がないので、丁寧に1工程ずつサポートしたり、想定のFAQを幅広く準備したりしています。
―― マイルに魅力を感じての契約だと、あまりモバイルに詳しくない方からの問い合わせも多そうです。
倉重氏 3月中は多かったのですが、今は落ち着いてきています。一番多かったのは、設定ができないというお問い合わせです。想定よりもeSIMを選ばれる方が多かったこともありますが、われわれのメンバーもだんだんと案内に慣れてきたので、ご意見を受けて改善にも取り組んでいます。
―― データ容量がかなり細かく刻まれています。ここまで多いのは珍しいと思いますが、なぜこのような料金プランになったのかを教えてください。
樋口氏 少ない方がシンプル、多いと迷ってしまうという議論はありましたが、MVNOになるのであれば、多様なニーズにおこたえしたい。そういう思いで、1GBから100GBまでの20プランを用意しました。さすがに100GBは申し込みが少ないんじゃないかという話もありましたが、ふたを開けてみると、サービスインから3週間たっても想定を超える数の方に100GBを選んでいただけています。その他の大容量帯も、想定を超えるお申し込みになっています。
―― 実際、大容量を必要としているのか、よりマイルが欲しいのであえてお金を払っているのか、どちらでしょうか。ちょっとマイルが足りないというときにあえて大容量プランにして、“マイルを買う”という考え方もできそうですが。
樋口氏 どちらもあると思いますが、まだ始まったばかりなので、その辺はこれから分析していきます。ちなみに、マイルを付与するタイミングも、最短にしています。例えば4月分のご利用だと、5月の中旬ぐらいには付くようにしています。
―― 選ばれるプランのボリュームゾーンはどの辺でしょうか。
樋口氏 いくつかあります。一番は30GBぐらいのところで、これも想定より多かったです。やはりメインで利用されるお客さまが多いのだと思います。なぜメインかというと、ギガ数(データ容量)もありますが、MNPと新規の割合も見ていて、一般的な(MVNOの)割合よりも、乗り換えが多いというデータも出ています。
もちろん、1GB、3GB、5GBのゾーンにも一定数のお客さまがいて、サブ回線というニーズもあります。
―― ユーザーの傾向はどうでしょうか。
樋口氏 マイレージ会員は40代、50代のビジネスパーソンが多く、男性の方がやや多い。その傾向は似ていますが、ANAモバイルは若干30代、40代の割合が高く、全体よりもやや若めという傾向が出ています。とはいえ、50代、60代も意外と申し込まれていますね。MNPやMVNOということのハードルが、そこまで高くなくなってきているのだと思います。
―― 音声定額などのオプションにもマイルが付くので、マイラーとしては、よりいろいろなものを契約したくなります。
樋口氏 そこもこだわったポイントで、(還元は)シンプルにしたかったということがあります。何かをしたら5%上がるというものは結構ありますが、われわれは20%で、使った分だけ付与されます。さすがに、(従量課金ぶんの)通話料まではできませんでしたが、基本プラン、通話定額、さらに追加のギガチャージまで20%付け、分かりやすくシンプルにしています。
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