新たに登場したトッピングの1つは、そんな“povoのメイン化”を後押しするものだ。7月1日に導入される年間トッピングは、データ容量が1.32TBで3万9240円。1カ月に換算すると、110GBで3270円になる。povoでは、決済手段にペイディを導入しており、12回の分割払いが可能。これで支払うと、通常のキャリアのような月額払いで1年間利用できるようになる。
年1.32TBや月110GBというデータ容量は、中途半端なように見えるが、実はドコモのahamoに「大盛りオプション」を足した際の「ahamo大盛り」と同容量だ。KDDI Digital Lifeでトッピングなどの設計をするカスタマーエンゲージメント部長の葭内生悟氏も、「110GBは他社の料金プランを確認したが、分かりやすいのではないか」と明かす。
ただし、ahamo大盛りはahamoの2970円と大盛りオプションの1980円が必要になり、合計の料金は4950円になる。より安価な料金で、ahamoの大容量ユーザーを狙ってきたというわけだ。また、12回払いした際の月3270円という価格は、楽天モバイルで20GBを超えて無制限になったときの料金と同じ。無制限の楽天モバイルと違い、データ容量の制限はつくが、110GBはスマホ単体であればデータ残量をあまり意識しないで使える容量。金額面では、ほぼ横並びになった形だ。
povoには、30GBで毎月2780円のサブスクトッピングや、月払いで2200円、30GBになる360GBの1年間トッピングも存在する。新たに1年間で1.32TBのトッピングを追加したことで、よりahamoや楽天モバイル対抗の色合いを濃くしたといえる。同時に、容量で劣後していた1年間トッピングの1.2TBは廃止になる。
先に挙げたキャンペーンは、マゼンタ色の背景からpovoのキャラクターが飛び出してくるイラストが掲載されている。また、説明会では「スマホのつながらないに、備えよう」と書かれたボードが設定されており、「つながらない」の文字が赤とマゼンタを混ぜたような色合いだった。濱田氏は社名まで明言はしなかったものの、こうした打ち出しから、2社を意識しているのは明らかだ。
この2社をロックオンしたのは、実際にpovoをサブ回線と使う利用者が多いためだ。濱田氏が紹介した自社調査によると、povoをサブ回線にしているユーザーのうち、B社とC社の割合がKDDIとA社よりも高く出ている。その他のデータから推察すると、B社はドコモ、C社は楽天モバイルで、前者は30.7%、後者は28.1%を占める。KDDI以外は約8割だが、その内の6割程度をドコモと楽天モバイルが占めている構図だ。
ドコモはシェア1位のため、こうした調査で数値は高くなりやすいものの、1000万契約を超えたばかりの楽天モバイルが3割弱を超えているのは、povoの特徴といえる。それだけ、エリアや通信品質に不満を抱えているユーザーが多いことを意味する。
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