―― フォルダブルスマホはやはり高く、値上げもしていますが、どのようなプロセスで今回の価格が決まったのでしょうか。
大橋氏 プロセスについては紆余(うよ)曲折あるのが実情です。メーカーなので、コストの積み上げですが、一定のマージンは取っています。ただ、それだと高すぎて売れないということもあるので、各国の事情や市場の状況を考慮して、検討した上で価格を決定しています。昨今はメモリが高騰していますし、日本では円安もあります。どういうふうにすれば手に取りやすくなるのかは常に意識しながら、発表の直前まで検討しています。
今の価格が万全かというとそうではなく、昔より高くなってしまっているのを、これでよしと思っているわけではありません。だからといって、コスト割れで販売するのも難しい。ですから、われわれのチャネルでは分割払いを手数料なしで提供しています。これは原宿や大阪(の実店舗)でもできています。キャリアも(端末の残価を免除するプログラムを前提にした)実質価格をお見せしているので、そういったものを一緒に訴求して、利用価値と価格に納得感を出せるようにしていきたいと考えています。
―― 若年層には価格的に高いと思いますが、Galaxy Z Fold8効果で振り向いてもらえるようになりましたか。
小林氏 やはり話題になっているので、手応えを感じています。次はどのようにお求めやすい制度を作り、それを訴求していくかです。次のコミュニケーションは、そこを重点的にやっていきます。
―― 4キャリアで販売するようになり、関係性は変わりましたか。アンバサダー(製品に精通した販売員)を動員しているキャリアもあります。
小林氏 まずアンバサダーのお話をすると、体験するときには正しい体験をしてほしい。正しい体験とは、メーカー側が期待する体験です。極論だと、原宿のような直営店をたくさん作ってコミュニケーションできればいいのですが、それだとビジネス的には立ちいきません。そのために作ったのが、アンバサダー制度です。
これは、各キャリアからも評判がいい。メーカーの製品がお客さまに正しく伝わるには、販売代理店のスタッフに熱意を持って売っていただかなければなりません。お客さまの立場からしても、安心して買うことができます。スタッフの皆さんの最後の一押しで、「私はアンバサダーなので、私から買ってもらえれば絶対に安心です」というところまできていますが、これは、あるべき方向性だと思っています。
メーカーは、新しい製品を出したり、新しい機能を紹介したりする役割を果たしていますが、お客さまの興味がないと、関係ないと思われる恐れがあります。認知が上がる半面、理解やその後の行動につながりづらい。採用いただいたキャリアからの一押しはこれだ、というメッセージを出していただくことは、非常に重要なポイントだと思います。
大橋氏 キャリアは、チャネルマネジメントの観点では非常に重要なパートナーです。一方で、キャリアでは買わない方も一定数います。そのために、網羅的に広げています。キャリアとの関係を強化したというより、お客さまとの関係を強化するために販路を広げています。
3機種展開になり、これまでになかった横長ディスプレイのGalaxy Z Fold8が加わったことで、フォルダブルユーザーがにわかに拡大している様子がうかがえた。SNSでの反響も大きく、これまでのGalaxy Z Foldに反応していなかったユーザーにもリーチできているようだ。その話題性が、初速の速さに結びついている点も成功といえる。
ただ、ハイエンドモデルも含め、価格が上がっているのも事実。サムスンはその中でも上昇幅を抑えている1社だが、買いづらくなっていることに変わりはない。より回数の多い分割払いの拡充や残価設定型ローンなど、ユーザーが手に取りやすくなる工夫にも期待したい。
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