スマホに格納する「デジタル学生証」の最新事情 学割定期の購入やタッチで出欠確認、“なりすまし“対策も(3/3 ページ)

» 2026年09月02日 12時24分 公開
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NFCを使った“タッチで出欠管理”も可能 大学間の相互連携も重要に

 フェリカネットワークスが提供しているデジタル学生証プラットフォームは、どのようなサービスをデジタル対応させたいかが大学によって異なり、採用する学生向けスマートフォンアプリも異なる。そこで、同社はVCによる検証を可能にするSDKを提供しつつ、インフラとなる検証プラットフォームを提供して足回りをそろえる役割を担う。

 2027年にはDCAPI(Digital Credentials API)がサポートされ、Webやアプリ上でのVC検証が可能になる。今回の大阪大学DXサミットではこの学生向けスマートフォンアプリを提供する事業者が複数出展しており、さまざまなデモンストレーションを行っていた。

 例えばアシアルの「MyCampus」では各種お知らせ、時間割、LMS(大学の学習管理システム)への接続、学内ネットワークの認証、出欠管理など学生に必要な情報や機能を集約したアプリを提供しているが、この中に包含されたデジタル学生証機能では、表示されたQRコードを端末のカメラが読み込むことで出欠確認を行うといったことが可能だ。また、シンプルにNFCの機能を使って“タッチ”による出欠管理も可能であり、学生の持つスマートフォンの機能に依存しない形で利用できる。

フェリカネットワークス フェリカネットワークスの「学生証プラットフォーム」の概要。2025年12月に札幌で行われた講演スライドから抜粋
大阪大学DXサミット2026 今回の大阪大学DXサミットに出展参加していた「学生証プラットフォーム」対応ベンダーの一覧
大阪大学DXサミット2026 アシアルの「MyCampus」でデジタル学生証のサンプルを表示させたところ
大阪大学DXサミット2026 タブレット端末を組み合わせることで教室での出欠確認が行える。QRコード読み取りの他、写真のようにNFCの“タッチ”でデジタル学生証を提示することも可能だ

 また冒頭の説明にもあったように、昨今の大学では別の大学キャンパスの講義に出席して単位を取得する「単位互換」や、図書館などの施設共有など小中規模の大学が連携してサービスを提供するケースがあり、出欠管理や施設への入退管理など、大学を横断して学生証を使う必要に迫られることがある。

 その場合、デジタル学生証もまた大学間での相互連携が重要となるが、フェリカネットワークスのデジタル学生証プラットフォームでは仕様そのものは共通化されており、後は大学側システムの対応次第という状態だ。

カード型の欠点だった“なりすまし”を回避できる

 大学単体で見れば、従来のプラスチック型のIDカードには頼らない仕組みへの移行も進んでいる。カード型IDの欠点として、“なりすまし”問題がある。カードの貸し借りで部外者が利用できてしまうため、例えば学生証ごとに設定されたコピー機の回数制限を貸し借りで突破され、本来は入れない資料室や研究室に侵入されて持ち出されるといったトラブルが想定される。

 しかしスマートフォンを用いれば、こうした問題は回避できる。大阪大学では顔認証ゲートを導入しており、学生IDにひも付いた情報で不正利用を防止しつつ、実質的に手ぶらで簡単に通過できる仕組みで利便性を確保している。

 今回の大阪大学DXサミットでは、クマヒラとフェリカネットワークスが共同でデジタル学生証(VC)を使った認証ゲートのデモンストレーションを行っていた。デジタル学生証の入ったスマートフォンアプリでゲートにあるQRコードまたはNFCタグを読み取るとVCによる検証がスタートし、スマートフォン上で必要な情報の送信に同意するとゲートが開く。

 カードの“タッチ”や顔認証に比べて一手間増えて時間もかかるため、「メリットはあるのか?」と思うかもしれない。ただ、VCの認証の仕組みが全てクラウドやオンプレミスのサーバ側に存在しているため、オンライン上で検証が終わればゲートの開閉許可を出すだけなので、容易に実装できると同時に、コストも低減できる効果があるという。

大阪大学DXサミット2026 クマヒラとフェリカネットワークスが共同で参考出展していたVCを使った認証ゲート
認証ゲートをスマートフォンアプリからVCで開く様子
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