Appleが初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」を発表する2日前、ファーウェイは三つ折りスマートフォンの新モデル「HUAWEI Mate XT 2 ULTIMATE DESIGN」を中国で発表した。
価格はメモリ16GB/ストレージ256GBモデルで1万9999元(約46万円)からと、日本円で50万円に迫る高級機だ。中国国内では9月12日に販売が始まり、店頭で実機に触れられるようになった。本稿では、筆者が現地で実機を体験したレポートと、この製品が持つ可能性について記したい。
Mate XT 2における最大の変更点は、画面の折り方だ。初代Mate XTとMate XTsは、内折りと外折りを組み合わせた「Z型」を採用していた。1枚の大きなディスプレイを3つに折りたたむ仕組みで、軽量化などの面では有利だったが、畳んだ状態でも柔らかい内側パネルの一部が常に外側を向くという難点を抱えていた。
Mate XTを所有している筆者として断言できるが、同機は持ち歩くたびに神経を使う構造だった。1枚のディスプレイである以上、どこか1カ所の折り目が傷めばディスプレイ全体が使えなくなる恐れもあり、プロトタイプ感が否めない部分もあった。
Mate XT 2はこの構造を、左右のパネルが同時に内側へ巻き込まれる「G型」(ファーウェイの呼称は「展翼三つ折り」)に改めた。閉じた状態ではメインパネルが完全に筐体の内側へ収まり、露出するのは独立した外向きパネルだけになる。考え方はGalaxy Z TriFoldと同じだが、外向きパネルの配置は異なる。
画面サイズは、閉じた状態で6.5型、全て開くと10.2型だ。初代のように「一度開いた状態の7.9型」という中間段階は持たないものの、パネルを1枚だけ立てたり、2枚だけ開いたりする使い方は引き続き可能だ。
本体サイズは折りたたみ時が157.2(幅)×77(奥行き)×12.3(厚さ)mm、展開時が157.2(幅)×219.2m(奥行き)mmで、厚さは4.0/3.69/3.5mmと3つの数字が並ぶ。3分割されたパネルごとに厚さが異なるためで、ファーウェイが訴求する「3.5mm」は最も薄い部分の数値だ。
とはいえ、従来機と比べて着実に薄くなっている。Mate XTは最厚部が4.75mmあったが、本機は4.0mmまで削られた。畳んだ状態の厚さも12.8mmから12.3mmに薄くなっている。後述する防水機構や、独立した外向きパネルを新たに搭載しながら最厚部を0.75mm削っており、構造を作り直した成果は数字にきちんと表れている。重量は約298gだ。
一方で、畳んだ状態の幅は73.5mmから77mmへと3.5mm広がった。G型への変更に伴ってパネルの分割比が変わったためで、片手で握ったときの感覚は初代とは別物になっている。
ヒンジはやや硬めの手応えで、片手でさっと展開できるタイプではない。その代わり、この硬さのおかげか画面の角度はしっかり保持され、端末の自重でパネルが勝手に動くことはなかった。画面の折り目も、同社の「Pura X Max」と同等レベルまで抑え込まれている。光の当たり方によって筋が見える程度で、視聴体験を損なうほどではない。
耐久性の面では、「玄武アーキテクチャ」と称してヒンジとパネルの製法を一新したという。カバーディスプレイに採用した「玄武崑崙ガラス」は、従来比で落下耐性が30倍、耐傷性が16倍に向上した。内側パネルはUTG(超薄型ガラス)と、航空グレードをうたう高強度スチールを多層に重ねた構造で、耐衝撃性が従来比で200%向上したとしている。第2世代のヒンジには、歯車を使わない連動機構を採用した。
そして、三つ折りスマートフォンとして初めてIP58/IP59の防水・防塵(じん)に対応した。ヒンジ機構が複雑な三つ折り機で防水を実現できた時点で、ヒンジ回りの設計は相当に詰められたと見ていい。
画面の輝度は、外向きパネルでピーク時6500ニトと、一般的なスマートフォンと比べても高い水準だ。
ただし、物足りない点もある。展開時のパネルのリフレッシュレートは1〜90Hzにとどまり、120Hzに対応するのは後述のプライバシーディスプレイ搭載モデルのみだ。最上位構成だけハードウェアが大きく異なる製品展開は、消費者にとって分かりにくいと感じた。
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