背面カメラは4眼構成だ。メインとなる広角カメラには、LOFIC対応の1/1.28型5000万画素RYYBセンサーを採用し、F1.49〜4.0の連続可変絞りと18EVのダイナミックレンジを備える。望遠カメラは5000万画素のRYYB配列センサーで、光学3.5倍ズーム、光学式手ブレ補正(OIS)、望遠マクロに対応する。超広角カメラは4000万画素だ。
これに第3世代の「紅楓原色カメラ」(色の波長を捉えるスペクトルカメラ)を組み合わせ、色再現能力が95%向上したという。インカメラは外側・内側ともに800万画素だ。
一般に折りたたみスマートフォンでは、筐体スペースの確保や軽量化を理由にカメラ性能が削られがちだ。広角カメラの可変絞りやペリスコープ型の望遠機構を、最薄部3.5mmの筐体に収めた点は素直に評価したい。
バッテリー容量は5600mAhで、初代から据え置きだ。有線66W、ワイヤレス50Wの急速充電に対応し、7.5Wのリバースワイヤレス充電も利用できる。展開時の最薄部が3.5mmというボディーでワイヤレス50W充電を実現した設計には、感心させられる。
Mate XT 2の価格は、16GB+256GBモデルの1万9999元(約46万円)から。16GB+512GBモデルが2万1999元(約50万円)、16GB+1TBモデルが2万3999元(約55万円)だ。プライバシーディスプレイ版は2万4999元(約57万円)、M-Pen 3 Miniが付属するスタイラスセットの2TBモデルは2万9999元(約70万円)となる。発売は9月12日で、スタイラスセットのみ9月23日からだ。
スタート価格は初代Mate XTと同額だ。メモリ価格の高騰を受けて各社で値上げが進む中、価格を据え置いたのは、むしろ健闘した部類だろう。
発表時期を見ても、Mate XT 2がAppleを意識していないとは考えにくい。9月9日(現地時間)に発表されたiPhone Duoは、内側7.6型・外側5.4型の2画面構成で、価格は1万5999元(約38万円)から。開けば7.6型になるiPhone Duoに対し、ファーウェイはより大きな10.2型ディスプレイに防水とECGを備え、さらに最上位モデルにはプライバシーディスプレイを用意した格好だ。
Appleが折りたたみ市場に参入した2026年に、自らが旗振り役を務めてきた「三つ折りスマホ」の完成度で、ファーウェイがどこまで先行して見せられるか。ブランド力を持つメーカー同士による“40万円超えのスマホ”という点で、両者は真っ向勝負となる。
一方、日本のユーザーにとって最も現実的な問題は、この端末が国内で発売される見込みがまずないことだ。HarmonyOS 7を搭載した中国市場向けの専用機であり、GMS(Google Mobile Services)は当然搭載されず、改善されたとはいえ日本語回りの制約もある。技術としては面白いが、日常的に使いこなせる人はかなり限られるだろう。
それでも、ファーウェイの三つ折りスマホの累計出荷台数が100万台を超えたという事実は無視できない。2年前には「見せ物」と評されたカテゴリーが、今や商品として成立しているのだ。先行してきただけあってアプリの最適化も進みつつあり、10型の大画面を余すことなく使えるコンテンツも幾つか登場している。ファーウェイはこの点も、iPhone Duoに対する優位点としてアピールしている。
Galaxy Z TriFoldをはじめ他社の三つ折りスマホが登場し始め、Appleがようやく二つ折りで参入した今、中国の折りたたみスマホ市場の覇者であるファーウェイが送り出したMate XT 2は、三つ折りというカテゴリーの基準を一段引き上げたと感じた。
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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