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Google、Verizonと共同でAndroidタブレットを開発中iPad対抗同盟?

» 2010年05月13日 14時51分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 米Verizon Wirelessは、コンシューマー向けのタブレットコンピュータを米Googleと共同で開発中であることを明らかにした。このタブレットはGoogleのAndroid OSを搭載する。Verizonはこの製品で米AppleのiPadと真っ向から対決する考えだ。

 Verizonのローウェル・マカダムCEOは5月11日(現地時間)、米Wall Street Journalに自社のタブレット計画について語った(リンク先の無料閲覧は一部制限あり)。Verizonの広報担当者は、この計画の存在を認めたが、製造を担当するメーカー、発売時期、機能などについては明らかにしなかった。

 タブレットに関しては、大ヒットとなったiPadよりも多くの話題を提供している唯一のベンダーであるGoogleだが、Androidタブレットについては口を閉ざしている。米eWEEKがこのデバイスに関する詳細を尋ねたところ、同社の広報担当者は5月11日、次のように答えた。

 スマートフォン用プラットフォームのAndroidは当初から、下は携帯電話から上はMID(モバイルインターネット端末)やノート型端末まで対応できる拡張性を備えた設計となっている。どんなコードが寄贈されるのか、またオープンなプラットフォームがどのようなイノベーションを促進するのか楽しみだが、現時点で発表するものは何もない。

 iPadの成功を考えれば、GoogleがAndroidをタブレットに対応させる取り組みを進めるのも当然だといえる。スマートフォン分野でも、GoogleはAndroidでAppleのiPhoneの後を追いかけた。同社の取り組みは3ダースものAndroidスマートフォンを登場させ、その数は今も増えている。

 iPadはiPhone OSの別バージョンを搭載し、AppleがApp Storeを通じてiPhoneユーザーに提供しているのと同じアプリを利用できる。

 Verizonが販売するAndroidベースのDROIDスマートフォン(Motorolaの「DROID」、HTCの「DROID ERIS」と「DROID Incredible」など)に組み込まれたGoogle Appsソフトウェアの多くが、Verizonが投入するAndroidタブレットにも搭載される可能性は十分あるといえそうだ。

 VerizonのDROID端末には、YouTube、Google Maps Navigation、Google Search by VoiceなどのWebサービスのほか、Googleが携帯端末ユーザーに提供する各種アプリが組み込まれている。

 GoogleとVerizonが共同開発するタブレットが、iPhoneの独占パートナーである米AT&Tを通じてAppleが提供している3G対応版iPadと競合するのは間違いない。

 iPhoneが引き金となって巻き起こったスマートフォンブームに乗り遅れたVerizonは、タブレット市場でその二の舞は繰り返したくないようだ。

 しかしVerizonが今回、Androidを軸としてGoogleと新たな協力関係を結んだことが、iPadだけでなくiPhoneもVerizonのネットワークで利用できるようにするという提携話にどういった影響を与えるのかは不透明だ。

 また、先の報道から判断すれば、Androidベースのタブレットの開発は、多数のスマートフォン上でのAndroidの進化に匹敵するものだといえる。New York Timesは先月、Googleがタブレットを開発中だと報じた

 Googleはタブレット戦略を強化すべく、2社のソフトウェアメーカー(AgniluxとBump Technologies)を買収した。一方、米Adobeは先週、Web 2.0 ExpoでAndroidタブレットを披露した。

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