Javaの生みの親でSunに在籍するジェームズ・ゴスリング氏は、OracleがいつかGoogleに対して法的手段に訴えるのを予想していたという。
GoogleがOracleの訴訟をオープンソースへの攻撃と位置付けたのは、巧妙な作戦だ。ソフトウェア開発コミュニティーは、オープンソースソフトウェア支持者に囲まれているからだ。ソフトウェア開発者のフローリアン・ミューラー氏は、8月13日付のブログで、「Oracleはこの訴訟でオープンソースを攻撃しようとしている」と述べている。
オープンソースの基準を満たさないコンポーネントが、一部のAndroidベースの製品あるいはAndroid関連製品に含まれていたとしても、Oracleがそこに適用しようとしている特許が、Androidの多数のオープンソースコンポーネントではなく、クローズドソースのコンポーネントのみによって侵害されているとは考えられない。
「それゆえ、この訴訟はフリーソフトウェアとオープンソースに対する特許攻撃であるとわたしは考えている」とミューラー氏は付け加える。
オープンソースプロジェクトのGNOMEとMonoの創始者であるミゲル・デ・イカザ氏によると、GoogleのAndroidチームは、Java Micro Editionのライセンスを受けるのではなく、そのコードをリコンパイルしてDalvik VMを開発したことでSunの怒りを買ったという。
「Googleはこれにより、彼らが気付いていたライセンス問題を交渉時点で回避することができた」とデ・イカザ氏は説明する。
同氏は、GoogleがAndroid用のJavaコードをライセンスするのにSunに数十億ドル支払うと予想している。しかしGoogleがAndroidアプリケーションの開発者を保護しない可能性があるという。
「GoogleがAndroid OEM各社に代わって費用を支払うというシナリオは考えにくい。Android OEMは世界各国で次々と登場しているからだ」と同氏は記している。「OracleがJava資産をすべてGoogleに売却する可能性も考えられる。Sunが売りに出されたとき、恐らくGoogleはこのチャンスを見逃したのだろう」
いずれにせよ、この訴訟は長引く可能性が高く、Googleが今後、AppleのiPhoneに対抗してモバイルWeb市場に効果的に進出できるかどうかは不透明な状況だ。
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