シュミット氏によると、2年以内にスマートフォンがPCの販売台数を上回る見込みであり、ベンダー各社の戦略も「モバイル優先」でなければならないという。Googleは携帯端末向けにAndroid OSを開発するなど、モバイル分野への取り組みを強化してきた。
さらに同氏は、米国および海外のワイヤレスキャリアが展開しようとしているLTE(Long Term Evolution)は、8〜10Mbpsの平均通信速度をワイヤレスネットワークにもたらすと指摘した。Wi-Fi接続の高速化も、Googleなどが提供するWebサービスの利用拡大につながるという。
「スマートフォンやタブレットPCなどの携帯端末にクラウドコンピューティングを連係することも重要だ」とシュミット氏は語る。
例えばGoogleは間もなく、ユーザーが携帯電話に英語で話した内容をほかの言語に翻訳できるようにするという。これは、リモートデータセンターに配備されたGoogleの数千台のサーバで構築されたクラウド上で運用される音声翻訳ソフトウェアによって実行される。
これらの技術はいずれも高速なWebサービスが基礎となっており、情報の洪水で依然としてユーザーに大きな労力を強いている世界に効率をもたらすという。
長期的には、Googleの技術をより有効に活用することで人々の幸福が増進される、とシュミット氏は話す。
「コンピュータの利用、情報の利用、われわれが開発中のさまざまな技術の利用は、人々の生活の改善、生産性の向上、そしてより楽しい生活につながる。これこそが、われわれの眼前にあるビジネス機会なのだ」(同氏)
この主張は表面的には、「邪悪になってはいけない(Don't Be Evil)」というGoogleの精神にのっとったものだ。とはいえ、同社の成功を最も端的に示している指標は、主として検索キーワードを通じたオンライン広告で同社が1年間に稼ぎ出している240億ドルという売り上げだ。
検索エンジン最大手の同社は、大きな成長が期待できる新たな分野を探し求めているのだ。
Googleはクラウドコンピューティングベースのコラボレーションソフトウェアを企業向けに提供しているが、この分野では米Microsoftおよび米IBMと競合する。広告と連動したソーシャル検索の分野では、米Facebookと競合する。またモバイル広告の分野では、米Appleのアプリ内広告プラットフォームであるiAdとの厳しい競争にさらされている。
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