あるアナリストの報告によると、米MicrosoftのWindows Phone 7への関心を促進しようとする試みは難航するかもしれない。この報告は、向こう数週間のうちにWindows Phone 7の大規模なアップデートがリリースされるといううわさとともに発表された。
米調査会社NPD Groupの業界分析担当アナリスト、ロス・ルービン氏は11月30日(現地時間)、同社の公式ブログで次のように語った。「Windows Phone 7にとっては、(米Googleの)Androidの場合と同じように条件がそろっているわけではない。まず、米Verizonは、Android携帯DROID以前にはタッチスクリーン搭載スマートフォンを扱っていなかったが、(Windows Phone 7端末を販売する)米AT&Tと米T-Mobileには豊富なラインアップがある」。また、AT&TとT-Mobileには既に実績のある競合端末がある。特に、AT&Tは米AppleのiPhoneの独占販売権を持っている。
「一方、両社のWindows Phone 7端末は既存機種に対する明確な買い換え対象だ」とルービン氏。「AT&Tが販売するすべてのWindows Phone 7端末は何かしらiPhoneに不足しているものを搭載しており、T-Mobileが販売するHTC HD7の画面は同キャリアのほかの端末より大きい」
MicrosoftがスマートフォンOSを厳格に制御していることも、今後端末が市場に浸透するに従って有利に働くだろう。「MicrosoftがOSのアップデートを厳格に管理していることで、販売された端末は機能のギャップを埋めるアップデートをすぐに反映させることができる」(ルービン氏)
うわさによると、Windows Phone 7の初のアップデートは大規模なものになるようだ。
Windows Phone 7のアプリ開発者でアンロックツールのChevronWP7の共同制作者であるクリス・ウォルシュ氏は11月28日、「最初の#wp7のアップデートは大規模なものになるそうだ」とツイートしている。「Microsoftは初代Windows Phone 7を出荷する以前からこのアップデートの準備をしていた」
ウォルシュ氏はまた、アップデートの規模についての質問に対し「Windows Phone 8と呼んでもいいくらい、とだけ言っておこう」と答えた。そのころにはブログ界は同氏のコメントに飛びつき、アップデートは1月らしいというオンラインのうわさと関連付けた。
1月という日程はMicrosoft幹部の最近の発言とぴったり一致する。MicrosoftでSharePointの責任者を務めるアルパン・シャー氏は11月4日、公式ブログに次のように記している。「批評家はコピー&ペーストのような機能の不足とアプリ数の不足について指摘している。確かにその通りだが、コピー&ペーストは数週間以内(2011年初頭)のアップデートで可能になるし、アプリケーションについては、時間の問題だ」
Windows Phone 7には現在、マルチタスキング、テザリングやAdobe Flashのサポートなどが欠けている。それでもMicrosoftは、コンシューマーや企業ユーザーがWindows Phone 7のユニークなユーザーインタフェース――Webコンテンツやアプリケーションにリンクする6つの「ハブ」を含む――を気に入ってくれると期待している。
本当に大規模なWindows Phone 7のアップデートがあれば、こうした機能不足の幾つかは解消し、売り上げ予測がまちまちな時に同OSのアピールを広げることになるかもしれない。
台湾のDigiTimesなどの国際的ニュースサイトは、Windows Phone 7の売り上げは欧州の一部とオーストラリアで好調だと報道した。一方、英小売業者のMobilesPleaseの新しい報告によると、英国ではGoogleのAndroid端末とSymbianの方がWindows Phone 7より売れているという。
MobilesPleaseは同社の公式ブログに11月29日、次のように記している。「Windows Phone 7は当社について言えば、緩慢なスタートを切った。スマートフォンの売上高に占める同端末の割合はわずか3%で、MobilesPlease.co.ukおよび当社のパートナーサイトのネットワークを通じたすべての売り上げでは2%をわずかに下回る」
Windows Phone 7が市場で成功すれば、何四半期も続いているMicrosoftのスマートフォン市場でのシェア減少を逆転できるだろう。同社はiPhoneおよび増え続けるGoogleのAndroid端末との過酷な競争に直面している。
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