無償Web会議ツールが続々登場 それでもコニカミノルタが“オンライン入社式”で「Qumu」を選んだ理由

» 2020年05月27日 10時00分 公開
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 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を防ぐため、外出自粛が全国的に呼びかけられている。2月以降、多くの企業が在宅リモートワークに切り替えて業務を継続しているが、新年度が始まる4月には入社式という重要イベントが待ち構えていた。

 本来なら同じ場所に一同が集まって新入社員を迎え入れるところだが、コロナ禍ではそうもいかない状況だ。社会人の門出を迎える“フレッシャーズ”に対して、企業はどんな対応ができるだろうか。

 そこで一つの解決策を示したのがコニカミノルタだ。同社は、本社(東京・丸の内)と全国5拠点を結んだライブ配信を行うことで、リモートワークならぬ“リモート入社式”を実施。社長や新入社員それぞれの思いをリアルタイムで共有できる場を作った。この取り組みはメディアでも取り上げられ、多くの注目を集めた。

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 コニカミノルタがリモート入社式を行うまでの背景や、日頃からライブ配信を活用した業務効率化の取り組みについて話を聞いた。

コニカミノルタ株式会社 2020年入社式 社長訓示

入社式は一生に一度の特別な式典

 コニカミノルタといえば、複合機やプリンタといったオフィス向けITソリューション、画像診断システムを中心としたヘルスケア分野、プラネタリウム関連機器の開発などを行う映像ソリューション分野などを手掛ける老舗メーカーだ。

photo コニカミノルタの中村哲也さん(IT企画部)

 グループで4万4360人の従業員を抱え、関東地方をはじめ、東海、関西地方など国内だけでも17箇所の拠点がある。当然、全国で採用する新入社員の数は多く、2020年度は84人を採用した。

 同社の中村哲也さん(IT企画部)は「入社式は一生に一度だけのものです。本当は自社運営のプラネタリウムで式を行うなど、満足のいくものにしたかったのですが……」と残念そうに語る。

 人が密になってしまう式典はもとより、新入社員が地方から本社に移動する際にも感染リスクは高くなってしまう。例年通りの入社式は難しかったという。

 それでも、新入社員たちに向けて“特別感”を出すために何かできないか――オンライン入社式のプロジェクトが始動したのは、入社式まで1カ月を切った3月10日のことだった。

以前から動画を使った情報共有を活用

 コロナ禍で行われたオンライン入社式で注目されたコニカミノルタだが、実は3〜4年ほど前から、ライブ配信や映像を使った社内の情報共有に取り組んでいた。

 「動画配信のプラットフォームとしてブイキューブの企業向け動画配信ソリューション『Qumu』(クム)を以前から導入しており、4月と10月、つまり上期と下期のスタート時にトップメッセージを全従業員向けにライブ配信していました」と中村さん。「全国の拠点に対し『リアルタイムに思いを伝えたい』という社長たっての願いがありました」

 その他にも、四半期ごとの決算情報をライブ配信で管理職に共有するなど、社内で動画活用の幅は広がっていた。以前使っていたイントラネット上での掲示・共有よりも、情報伝達のスピードが高まったのは間違いないという。

 ただ、映像や音声を双方向でやりとりできるWeb会議ツールなどは以前から数多く市場に登場しており、あらためてコロナ禍でも無償で使えるサービスに注目が集まっている。なぜ同社はQumuを導入しようと考えたのか。

photo コニカミノルタ情報システムの河上剛さん

 Qumuの同時視聴人数の多さやセキュリティ面でのメリットを評価するのは、実際に社内で映像配信などの運用を担っているグループ会社・コニカミノルタ情報システムに所属する河上剛さんだ。

 「一般的なWeb会議ツールは、URLを知っていれば誰でも入室や視聴が行えてしまいます。しかし、QumuはIPアドレスによる視聴制限や、パスワードなどによって強固なセキュリティを実現できるのが強みになるでしょう」(河上さん)

 さらに、一般的なWeb会議ツールに比べ、Qumuは「Webブラウザを開いてパスワードを入力するだけ」という視聴者側の操作がシンプルである点も全従業員向けのトップメッセージ配信や、管理職向けの情報共有で強みになると考えているという。

photo コニカミノルタ情報システムの香取諒哉さん

 配信側の細かな使い勝手の評価も上々だ。コニカミノルタ情報システムの香取諒哉さんは次のように説明する。

 「Web会議ツールでは、画面共有という方法でスライド資料などを表示できますが、何らかの弾みで見せたくない画面まで共有してしまう恐れがあります。その点、Qumuならあらかじめスライド資料のファイルをクラウド上にアップロードしておき、ダイレクトに配信画面へ差し込めるため、画面共有ミスの心配がありません」(香取さん)



「いい加減な映像、音質では新入社員に顔向けができない」

 コニカミノルタでは大人数を対象としたライブ配信はQumuを活用し、社内の小規模なミーティングではWeb会議ツールを使うなど、規模や用途に合わせて使い分けを行ってきた。そんな中、オンライン入社式でQumuを使うのは同社にとって必然だった。

 「入社式は会社のイメージを強く印象づける式典です。いい加減な映像、音質では新入社員に顔向けができません。Qumuであれば、適切なカメラを接続して、良質な映像を配信できる。また、『Qumuなら安定して配信できる』という実績も後押しにつながりました」(中村さん)

 実際のオンライン入社式でも、準備は入念に行ったという。「これまでの定例ライブ配信でもリハーサルは行っていましたが、オンライン入社式は初めてのことです。カメラのスイッチングなど、念入りに計画を立てました」(河上さん)

 リハーサルは、本社会場と受信側の各拠点にそれぞれ担当者を配置して繰り返し行われた。電話やWeb会議ツールで連絡を取りながら進めていったという。

 「配信を行う本社側はIT部門が担当していますが、各拠点で確認してくれるのは総務メンバーでした。移動もままならない状況でも、各メンバーがしっかりと確認してくれたおかげで助かりました」と中村さん。「リハーサルをしっかり行ったおかげで、本番で本社会場に配置する人員を削減でき、“密”になる状態を避けられました」と河上さんは続ける。

 オンライン入社式の準備はそれだけでは終わらなかった。映像が途切れてしまったときを想定して音声だけでも配信できる環境を別で整え、さらに外部の業者にビデオ撮影の依頼も行っていたという。

 「映像を撮っておけば、最悪の場合でも後から録画を見てもらえるからです」と河上さん。Qumuでの配信が安定しているからといって、ツール任せにはしないのがプロフェッショナルなコニカミノルタ流だ。

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 安定したライブ配信を行うには、ツールもさることながら通信環境も非常に重要だ。同社は安定したライブ配信を行うために、送信側のメイン回線を4Gネットワークで用意し、サブ回線を社内ネットワークに担わせるという工夫を施した。社内のネットワークに依存してしまうと、帯域の問題で切断する可能性もあったからだ。

 特にクラウドサービスのQumuは社内へのライブ配信であったとしても、いったんインターネットを介す必要がある。香取さんは「アップロードする側だけでも4Gネットワークにしたことで、安定した配信ができるようになりました」と具体的な工夫点を解説する。

「費用を投じる価値がある」

 中村さんはこれまでの知見をもとに、無料で使えるWeb会議ツールや動画配信ツールについて「便利に見えるが、セキュリティ上のリスクが高い」と懸念点を口にした。

 「Qumuは費用を投じてでも使う価値があると感じています。リスクを避けるために、(業務では)セキュリティ上で不安のない安全なものを使いたいと考えています」(中村さん)

 新型コロナが収束した後でも、今回をきっかけにリモートワークを採用する企業は増えるだろう。離れた場所にいる従業員がスムーズに情報や思いを共有したり、トップからのメッセージを伝達したりするのに欠かせないWeb会議やライブ配信のツールだが、選び方や運用方法について、早くから知見をためている企業が、今後も成長を続けていきそうだ。

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提供:株式会社ブイキューブ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2020年6月26日

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