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» 2020年11月30日 10時00分 公開

オンラインで議決権行使、質問や動議提出 バーチャル株主総会が成功したグリーの挑戦

[PR/ITmedia]
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 新型コロナを予防しながら生活する「withコロナ」の状況が続いている。今も日本や欧米諸国の多くは感染者が発生し、日本国内では3密を避ける対策や行動が求められている。

 このような状況を踏まえ、人を集めて開催していたイベントも、開催形態の変更を迫られている。上場企業が毎年行う株主総会も例外ではない。

 世の中にITが浸透した今、リアルな会場へ株主を集めずに行う株主総会を開く方法がある。会場にいない株主もオンラインで株主総会の様子を確認できるハイブリッド型のバーチャル株主総会だ。2月に経済産業省が「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」を策定したこともあり、株主総会の新しい開催形態として注目を集めている。

 ハイブリッド型バーチャル株主総会は2種類ある。株主がWebサイトなどで配信される中継動画を視聴する「参加型」と、動画の視聴に加え、リアルタイムに議決権の行使、質問や動議の提出もできる「出席型」だ。

 ただし、通信障害で議決権が行使できないなどのリスクに備え、出席型の実施を躊躇(ちゅうちょ)する企業も少なくない。

 そんな中、株主総会を出席型で行った企業がある。ゲーム事業などを手掛けるグリーだ。なぜグリーは出席型のバーチャル株主総会を行えたのか。開催に至った背景や理由について、同社の松村真弓さん(法務総務部シニアマネージャー)と徳田千紗さん(同部組織法務総務グループ)に聞いた。

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新しい挑戦をしてきた株主総会

 2004年の設立以来、グリーはゲーム、エンターテインメント、メディア、広告、投資などの事業を手掛けてきた。世界初のモバイルソーシャルゲーム「釣り☆スタ」をはじめ、新しい領域に参入し事業を拡大してきたグリーにとって、株主総会もまた、新しい取り組みにチャレンジする機会だった。

photo グリーの松村真弓さん(法務総務部シニアマネージャー)

 「社内で触れる機会の多い電子化やオンラインといった技術と、株主総会を結び付けられるのではと考えていました」と話すのは、グリーの株主総会で運営責任者を務める松村さん。株主総会の開催は年1回だが、半年以上前から準備は始まる。当日も進行の他、会場で株主を誘導したり資料を配ったり、やることは山積みになっている。法律事務所などでも株主総会の業務に携わった経験のある松村さんは「会社法上、つつがなく終わらせるための準備は必要ですが、もっと良い運営方法があるのではと問題意識を持っていました」と話す。

 そこでまず、会場へ来られなかった株主も後日、株主総会を視聴できる方法を取ることにした。17年には会場にカメラを設置し、総会中の360度動画を撮影した「360度オンデマンド動画」を用意。Webサイトに動画を掲載し、株主が会場全体をスクロールしながら見られるようにした。18年には、株主総会の準備やリハーサルの様子などをまとめた動画を作成。いずれも会場へ足を運べなかった株主に向け、株主総会の雰囲気を味わってもらいたいという思いで制作した。

 さらに19年には、参加型のハイブリッドバーチャル株主総会を開催。株主が株主総会の様子を視聴でき、株主総会中に株主がメッセージを送信できる機能も取り入れた。参加型は成功に終わったが、松村さんにはある思いが浮かんだ。

 「遠方の株主様に株主総会を見ていただけ、メッセージをいただくこともできました。でも新しい取り組みに挑戦してきたグリーなら、もっとコミュニケーションを取ることができるのでは――そう考え、20年には『出席型』を開催することに決めました」(松村さん)

リアル会場にいなくても会議に参加している実感を

 グリーの株主総会は9月に行われる。新型コロナウイルスの感染拡大もあったため、出席型の準備を本格的に進めることにした。

 出席型ではWebサイトなどで株主総会を視聴する株主も会議体の一部となるため、物理出席の株主が議決権の行使、質問や動議の提出をリアル会場でスムーズにできたように、オンライン環境も整える必要がある。こうした機能や安定した配信環境に加え、出席者以外のアクセスを制限するセキュリティ対策、通信障害への対応、これまでの実績を踏まえ、ブイキューブの「出席型バーチャル株主総会ライブ配信システム」を採用することにした。

 グリーが準備の中で重視したのは、企業と株主間で双方向のコミュニケーションを取れるようにすることだった。「コロナ禍のため物理出席は控えるよう招集通知を出しつつも、株主様が企業へ意思を伝えられ、企業がそれを反映できる形にしたいという思いがありました」と松村さんは語る。

 そこで、株主がオンラインで出席申し込みや事前質問の送信をできるようにした他、当日の配信画面に、株主総会中リアルタイムに質問を受け付ける機能や、議決権行使の機能、さらに株主が同意する意思を表明できる拍手ボタンの機能を追加した。

photo 出席申し込みをオンラインで受け付け
photo 株主が議案に同意する意思を表明できる拍手機能を追加

 株主がオンラインでも株主総会に出席しているという実感が持てるよう、リアル会場と一体感のある運営にもこだわった。「リアルの株主総会を進めながら同時並行にオンラインで出席する株主様にどう対応するか、シナリオをゼロから作りました」と話すのはネットワーク環境の構築やシナリオの作成など実務面を担当した徳田さん。「途中で細かな点の変更などシステム改修が必要になることが多くありましたが、対応してもらえたのはありがたかったです」と振り返る。

 「『この場面では登壇者を映した方が良い』『ここで画面を切り替えると良い』といったカメラワークのアドバイスもいただけました。オンラインで出席した株主様も違和感なく、会場と一体感を持てたのではないかと感じます」(徳田さん)

オンラインの質疑対応も杞憂に

 準備や調整を直前まで行い、迎えた当日。気になるのはリアルタイムで寄せられる質問への対応だった。事前に提出された質問はあらかじめ把握できるため、調査の必要なものであれば調べた上で回答を用意できる。だが株主総会中に寄せられる質問はそうはいかない。質問数が多すぎたり少なかったりしないだろうか、株主総会と無関係な質問が来ないだろうか、局所的に質問が集中して届かないだろうか――不安を抱えながら本番が始まった。

 しかしそれらは杞憂に終わった。松村さんは「質問の入力フォームの字数を300文字までにし、送信前に内容の確認画面を表示するようにしました。入力した質問を株主様自身が改めて見直せる機会を持てたのではと思います」と考察する。心配していた質問の集中も見られなかった。質疑をまとめていた徳田さんは「質問の早期送信を総会の冒頭で推奨したことでコンスタントに質問が届いたので、余裕を持って質問の選定ができました」と振り返る。

 本番中に受け付けたオンライン質問は19年の約4倍。「多くの株主様からお声をいただけたのは、出席型を行った最大のメリットです」と松村さんは語る。

photo グリーの徳田千紗さん(法務総務部組織法務総務グループ)

 質問の提出と同様、議決権の行使も無事に終了。Web画面に第一議案、第二議案と並べて表示し、議案ごとに賛成・反対ボタンを配置することで、直感的に操作できる画面構成となっている。議決権行使の結果データについては迅速な集計ができるよう、あらかじめブイキューブと調整を重ねた。「議決権を行使しなかった人数も把握でき、たった4分で集計できました」と徳田さん。「当日は緊張感もありバタバタしていますが、事前に何度もデモ画面に触れたのでスムーズに運用できました」と続ける。

 操作がWebブラウザで完結する点も成功につながった。徳田さんは「専用アプリが必要だったり専用端末が必要だったりすると、株主様も運営側も負担が大きくなってしまいますが、Webベースであればハードルが下がります」と話す。

 本番中、オンラインで出席する株主へ質問の提出方法などをアナウンスした松村さんは「総会が始まったときから、画面の右カラムに議決権行使タブや質問タブが並んで表示されていたため、落ち着いてアナウンスできました」と話す。「本番ではタブが表示されなかったり直前に表示されたりすると『どこ?』と慌ててしまいます。画面上で最初からタブが見えており、表示順にアナウンスすれば良いので、バタバタすることなく進行できました」という。

photo 「議決権行使タブや質問タブが表示されているため、落ち着いてアナウンスできました」(松村さん)

 ハイブリッド出席型バーチャル株主総会は、株主や社内の反応も上々だった。「オンラインで参加した株主様からは『質問や拍手機能のおかげで、自分も参加しているという実感が持てた』という声がありました」と松村さん。社内からの反応に関しては「今年から、外部の広い会場ではなく本社で開催したのですが、事前リハも機動的に複数回行うことができた上、移動時間も節約できました。また、役員からは株主様からの満足度も踏まえた経営リソースの効果的かつ効率的活用という点で高評価をいただき、企業にとってもメリットがあると思います」と続けた。

いつかは“バーチャルオンリー”に

 ハイブリッド出席型バーチャル株主総会を行ったことで、議決権の行使、質問や動議の提出をオンライン化できたグリー。次の株主総会でも新しい取り組みに意欲を見せる。

 徳田さんは「今回は議決権行使、質問や動議の提出もリアル会場と同様にできる“フル装備”の出席型を行いました。これからは、これまでリアルの会場で会議原則に基づいて受け付けてきた動議をオンラインにそのまま適用する形式が本当に良いのか、オンラインならではの会議原則があるのではないかという検討をしていきたいです」と語る。

 リアルな株主総会を開催せず、取締役や監査役、株主が全てオンラインで出席する「バーチャルオンリー型株主総会」の実施にも期待を寄せる。現行の会社法での開催は難しいとされているが、コロナ禍や働き方改革による業務コストの見直しなどで“バーチャルオンリー”のニーズは今後さらに高まると考えられる。

 もし“バーチャルオンリー”が実現すれば、企業にとって準備や当日を効率的に進められるだけでなく、株主にとってもメリットがあると松村さんは話す。

 「事前に議決権行使も質問も受け付け、株主総会は結果発表の場にしたり、回答や総会の様子はWebサイトにアップし、いつでも株主様が見られるようにしたりするアイデアが考えられます。『年に1回開催する株主総会』という視点から幅を広げ、1年間ずっと株主様と企業がコミュニケーションできる場を作る、という考え方もできるのではないでしょうか。万が一のシステム障害により、株主様が参加できなかったというリスクも相当低減できます」(松村さん)

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 企業にとって初めてで、かつ法的責任の伴うことにチャレンジするのは、どんな企業でも不安や懸念を抱くものだろう。しかし柔軟な対応や適切なアドバイスをしてくれる事業者を選ぶことで、一緒にチャレンジしていけるという思いが生まれ、実践や成功への道につながることもある。グリーの事例を参考に、ハイブリッド出席型バーチャル株主総会を検討してみてはどうだろうか。

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提供:株式会社ブイキューブ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2020年12月29日

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