強い人事の作り方 企業の採用力と育成力を高める「Web会議」活用

» 2020年06月22日 10時00分 公開
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 少子高齢化が進む日本において、労働生産人口の減少に伴う経済活動への影響は無視できないものとなっている。多くの企業にとって、従業員一人当たりの生産性を向上させることとともに、優秀な人材の確保や離職の抑制も大きな経営課題の1つだろう。

 折しも、首都圏を中心とした県をまたぐ移動の自粛など、社会環境の急激な変化によって企業の新卒採用活動が停滞するなか、採用面接を遠隔で行うオンラインソリューションが脚光を浴びている。Web会議システムを利用したテレワークと同様に、企業の人事担当者と新卒予定の学生がWeb会議で面接を行う「Web面接」だ。時代に先駆けて採用活動のオンライン化に取り組み、現在は社内研修もオンラインで実施しているブイキューブに話を聞いた。

採用活動は企業の在り方を示す最初のステップ

 Web面接のメリットは場所の制約にしばられないこと。つまり移動時間やスケジュール調整などのコストを大きく下げられる点にある。例えば、地方の学生が就職活動で上京する場合はそれだけで移動費がかかる上、面接会場が離れていればどちらかを諦めなければならないケースもある。一方、企業側にとっても、会場の手配や人事担当者のコストだけでなく、これまで場所の制約から応募を諦めていた優秀な人材を掘り起こす機会にもなる。さらに面談頻度が増えることで内定者のフォローもしやすく、内定辞退率を下げることにもつながる。

 また、新卒採用活動そのものが企業の姿勢を示す場になる、ということも重要なポイントだ。ブイキューブが地方の新卒予定者にWeb面接での応募を可能にしたのは2017年。同社はそれまでにもテレワークやフレックスを中心とした独自の人事制度を設け、働き方改革の一環として「ORANGEワークスタイル」と呼ぶ新しい働き方を推進してきた。

 新卒採用を担当するピープル・サクセス室(人事部門)の片桐氏は「ブイキューブは主にWeb会議システムなどのビジュアルコミュニケーションツールを開発・販売している会社ですが、そのミッションは『EVENな社会の実現』、ICTの活用によって距離と時間の壁をなくし、全ての人が平等に機会を得られる社会を実現することです。地方の優秀な学生にアプローチするというのもそうですが、新卒採用活動は企業の方向性を示す最初の接点になるので、『ブイキューブは時間や場所に縛られることなく活躍できる会社なんだ』と相互理解を深めるためにもWeb面接の導入は自然な流れでした。オンライン面接で使うツールはV-CUBE ミーティングやZoomなので、自社が取り扱うサービスを体験してもらう場になるという意味もあります」と話す。

新卒採用を担当するブイキューブ ピープル・サクセス室の片桐彩乃氏

 ブイキューブが20年に採用した新卒社員は12人。その中には、採用に至る選考プロセスを全てオンラインで完結した人もいるという。4月に入社した池下さんは「地方出身なので就職活動に不安を抱えていましたが、『オンラインで大丈夫だよ』といわれてほっとしました」と当時を振り返る。「面接時でもメモを取れるので、あとから読み直して会社をよく知るきっかけになりましたし、過度に緊張することなく、自然体でいられたのもWeb面接のおかげかもしれません」

 同じく4月入社の井家さんは、オンライン面接だったからこそ会社の理念に共感できたと話す。「就活では面接の日程調整にとても苦労していたのですが、十数社受けた中でブイキューブだけがオンライン面接を実施していて、この会社が目指しているのはこういうことなんだ、と実体験として強く感じられたのがよかったです」

V-CUBE ミーティング5を利用したWeb面接

 とはいえ、採用活動のオンライン化にデメリットはないのだろうか。特にオフィスの雰囲気や企業の文化・風土のような感覚的なものは、実際に足を運ばなければなかなか伝わりづらい。

 「確かにそういった面はあるので、オフィスのいろいろな写真を説明会で見せたり、やはりオフィスを実際に見てみないと最終的な決定ができないという学生側の要望があれば、来社しての面談も可能という体制にしています」と片桐氏。

池下さんは採用に至る選考プロセスを全てオンラインで完結した

 「その他にも、オンラインの説明会は学生側の参加意識が薄くなりがちなので、何か一言だけでも話してもらうなど双方向のコミュニケーションを心掛けたり、面接のときは学生さんが緊張せずにしっかりと自分を出せるようにアイスブレイク(面接前の雑談)の時間を大事にしました。また、オンライン面接の経験がない人もいるので、安心して面接を受けてもらえるように、面接の予約完了メールに設定方法などの注意事項を細かく添えたのも工夫の1つです」

 働き方改革が叫ばれる昨今、柔軟な働き方を支援するさまざまな制度や仕組みが採用されつつあるが、企業価値を高めるこうした施策を対外的に示す場は意外と少ない。会社の「中」と「外」が交わる採用活動において、「Web面接」という先進的な取り組みをいち早く採用することは企業ブランディングの面でも大きな意味を持つはずだ。

新人研修の全課程をオンラインで実施 スピード育成に手応え

 採用活動に続く新たな挑戦として現在ブイキューブが取り組んでいるのが、社内研修のオンライン化だ。同社は20年卒の新入社員に対し、1カ月以上にわたる研修を全てオンラインで実施したという。

 営業系統の新人研修を担当したのはマーケティング本部のインサイドセールスグループ。インサイドセールス(内勤営業)の主な仕事は、商談の前段階として見込み客に電話やメール、Web会議システムで営業をかけ、案件化することだ。

 研修先にインサイドセールスが選ばれたのには理由がある。フィールドセールス(外勤営業)が効率的に受注・契約までもっていけるように、インサイドセールスは見込み客のニーズを分析し、成約につながるサービスを提案する必要がある。そのためには、自社のサービス内容はもちろん、顧客ごとの業界動向や課題など幅広い知識が求められる。また、データに基づいて営業活動の最適化を目指す同グループは、CRMやSFAといったツールを駆使して業務を行うため、セールスイネーブルメントの視点でも業務プロセスを学習できる組織としてふさわしいという判断があった。

研修の全体像
インサイドセールスに求められるスキル

 新人研修を担当したインサイドセールスグループのチームリーダーである篠崎太祐氏は、「外出自粛要請を受けて今年から始めた挑戦だったため、講師の立場からいえば、Web会議の画面を通した研修は非言語コミュニケーションを制限される難しさはありました。例えば、画面にずっと資料を表示していると相手の反応が分からないのでデュアルディスプレイにして表情が見えるようにしたり、試行錯誤でしたね」と話すが、その一方で「学習レベルの質やスピードは満足できる結果」になったという。

インサイドセールスグループの篠崎太祐氏(写真=左)と久下沼実咲氏(写真=右)。営業系統の新人研修を担当した

 新人研修のゴールは、同社の役員を顧客に見立てた営業のロールプレイで実戦力の基準に達するかどうか。与えられた顧客情報をもとに、Web会議を通じて相手のニーズを探り、最適な自社製品を紹介し、競合との優位性をアピールしなくてはならない。新人にとってかなり高いハードルだが、今年は12人中10人が合格した。これは例年に比べても多い数字だという。

 「インサイドセールスグループは自社内の動画ポータルでオンライン研修に使う動画を共有しています。もちろん、採用段階で優秀な人材が集まったということもあるかと思いますが(笑)、個々人の学習レベルに合わせて動画教材を繰り返し視聴できる点もオンライン研修の利点ですね。例えば、新人研修の最後に実施する営業のロールプレイは録画して後から見直せるようになっていますし、先輩社員のロールプレイング動画も共有されています」と語るのは、篠崎氏とともに新人研修にあたった久下沼実咲氏。社内動画ポータルサイトと組み合わせることでオンライン研修に手応えを感じているようだ。

ロールプレイ動画は社内動画ポータルサイトで共有されている
研修で営業のロールプレイをする井家さん

 社内研修をオンライン化するメリットは多い。複数の拠点を持つ企業がそれぞれの場所で同じセミナーを開く無駄が省けるし、研修の様子を動画教材として活用することで、受講できなかった新卒社員や中途社員への研修もコストをかけずに行うことができる。場所や時間にしばられない新しい人材育成の手法は今後ますます注目されそうだ。

ブイキューブのインサイドセールスグループでは、オンライン商談専用のツール「V-CUBE セールスプラス」を活用して、お客さまへの説明を行っている

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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社、株式会社ブイキューブ
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