持ちやすい小型なスクエアボディの520万画素機――FinePix F450(2/3 ページ)

» 2004年07月28日 08時00分 公開
[石井英男,ITmedia]

バッテリーは薄型化されたが、撮影枚数は増加

 F450は、薄型の専用リチウムイオンバッテリーで動作する。F420では、付属のリチウムイオンバッテリーのほかに、単4形ニッケル水素電池2本でも動作したが、F450では専用バッテリーのみ対応となっている。バッテリーは薄型化されたが、液晶オン時の撮影枚数は約150枚(CIPA規格による計測)であり、F420の約100枚(液晶オフ時は約150枚)に比べて、1.5倍に増えている。

 起動時間は約2.4秒で、沈胴式ズームレンズ採用機としては標準的な速度だ。

 静止画の撮影モードは、オート、マニュアル、夜景、スポーツ、人物、風景の6種類がある。モードはそれほど多くはないが、よく使われれるシーンは十分カバーできる。

 F450では、設定項目が、Fボタンで呼び出すフォトモードメニューとメニューボタンで呼び出すメニューに分かれている。静止画撮影時のフォトモードメニューでは、解像度、ISO感度、FinePixカラーを設定可能だ。

 ISO感度は、AUTO(オートモード時のみ)/80/100/200/400から選択でき、AUTOでは80〜200に設定される。FinePixカラーは、スタンダード/クローム(コントラストや色が強めになる。風景や花などの撮影に向く)/B&W(白黒)から選べる。

 メニューの設定項目は、撮影モードによって異なる。マニュアル以外のモードでは、セルフタイマー、撮影モード、各種設定の3つのみだが、マニュアルでは、露出補正やホワイトバランスの設定も可能になる。露出補正は、-2.1EV〜+1.5EVまで0.3EV刻みで設定でき、ホワイトバランスは、AUTO/屋外/日陰/昼光色蛍光灯/昼白色蛍光灯/白色蛍光灯/電球から選択できる。

 また、撮影時のアシスト機能として、ベストフレーミング機能も装備している。ベストフレーミング機能をオンにすると、縦横3分割フレームが液晶ディスプレイに表示されるので、そのフレームを参考にすることで、簡単にバランスのよい構図で撮影できる。

メニューボタンを押すと、メニューが表示される。マニュアルモードでは、露出補正やホワイトバランスの設定も可能だ
「アカルサ」(露出補正)は、-2.1EV〜+1.5EVまで0.3EV刻みで設定できる

連写機能は装備していない

 通常撮影モードでは、最短60センチまでしか被写体に寄れないが、マクロモードでは、最短9センチまでのマクロ撮影が可能になる。ただし、9センチまで寄れるのはワイド端の場合で、テレ端では最短39センチまでに制限される。小さな花などの被写体をアップで撮るにはやや不満があるが、通常の被写体を撮るのなら十分であろう。

 なお、F420では、約0.3秒間隔で連続4コマまでの連写機能(シャッターを離す直前の4コマを撮影するサイクル連写機能も)を装備していたが、F450では連写機能は省略されている。また、動画撮影機能についても、F420では320×240ピクセル/30fpsでメディア容量一杯まで連続撮影が可能だったのだが、F450では、320×240ピクセル/10fpsまたは160×120ピクセル/10fpsで、連続撮影時間も限られている(320×240ピクセル時は最長約60秒、160×120ピクセル時は最長約180秒)。

 30fpsはいわゆるフルフレームであり、なめらかな再生が可能だが、10fpsではかなり動きがぎこちなく感じられる。このあたりのスペックダウンは、CCDがハニカムCCDから正方画素CCDに変更されたことが一因であろうが、残念である。

便利なクレードルが付属

 F420ではクレードルは別売りだったが、F450では、「ピクチャー・クレードル」(以下、クレードル)が標準で付属するようになったことは特筆に値する。クレードルに載せることで、本体バッテリーの充電やPCへのデータ転送がかんたんに行える。また、クレードルにUSB/PLAY切り替えスイッチと電源ボタンが用意されていることも面白い。

 USB/PLAY切り替えスイッチをPLAY側に切り替えて、F450本体をクレードルに載せ、クレードルの電源ボタンを押せば、本体のモードスイッチにかかわらず再生モードで電源が入る。また、USB/PLAY切り替えスイッチをUSB側にして、本体の各種設定メニューでUSB設定を「WEB」にすれば、F450をいわゆるWebカメラとして使うことも可能だ。

 なお、F450/440はPictBridgeにも対応しており、PictBridge対応プリンタを直接接続して、画像を印刷できる。また、Exif PrintやPRINT Image Matching IIにも対応する。

ピクチャー・クレードルが標準で付属している。クレードルには、USB/PLAY切り替えスイッチと電源ボタンが用意されている
クレードルにACアダプタを接続することで、本体のバッテリーを充電可能
USB/PLAY切り替えスイッチをPLAY側にして、電源ボタンを押せば、再生モードで電源が入る

携帯性や操作性は良好であり、サブカメラとしてもおすすめ

 F450の最大の魅力は、コンパクトでスタイリッシュなボディにある。F420と比べても、大幅に小型化されているので、気軽に携帯できるデジカメを探している人には有力な選択肢となるだろう。連写機能が省かれたり、動画撮影機能もスペックダウンしていることなど機能的には不満もあるが、画質自体は優れており、使い勝手もよいので、初心者はもちろん、デジタル一眼レフなどを持っている人のサブカメラとしてもおすすめだ。

F450、作例

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2024年04月26日 更新
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