ファイル保護ソフトの決定版「Undelete」がバージョンアップ――Undelete 4.0日本語版を試す

» 2004年10月21日 17時37分 公開
[今藤弘一,ITmedia]

 大事なファイルを保護することは、ビジネス上の重要な命題だろう。間違って必要なファイルを削除してしまっては元も子もないからだ。このような状況からファイルを守るためにリリースされてるアプリケーションは数多くあるが、中でも「Undelete」はユーザビリティに優れ、簡単な設定でファイルを保護してくれるソフトだ。今回、最新バージョンの「Undelete 4.0日本語版」(以下、Undelete 4.0)がリリースされたので、以前紹介した「Undelete 3.0日本語版」(以下、Undelete 3.0)からの機能変更点を中心に紹介していきたい。

サーバから各クライアントへインストール可能に

 Undelete 3.0ではサーバにインストールして利用する「Serverバージョン」と、クライアントで利用する「Workstationバージョン」が用意されていたが、Undelete 4.0からは以下のようなラインナップに変更された。

  • サーバ向け:Server Edition
  • クライアント向け:Professional Edition、Home Edition

 Server Editionとそのほかのエディションにおける違いは、まずはインストールできるOSがサーバ向けとクライアント向けをサポートしていることが大きく異なる。また、ネットワーク上のほかのマシンにインストールされているUndeleteをモニタしたり、復元できる機能を持つ。

 Professiional EditionとHome Editionにおける機能の違いは、Home Editionの場合は完全なスタンドアロン環境での利用になり、Server Editionと連携して、ネットワークドライブ上のファイル復元などができないことが大きな相違点だ。Professional Editonでは、Server Editionとの連携により、さまざまな機能が提供されることになる。

 なお、サーバ向けのServer Editionでは、管理しているネットワーク上のPCにリモートインストールできる「プッシュインストール機能」が追加された。各クライアントにインストールする際には、その台数分のライセンスは必要となるが、1台1台のPCを回ってインストールする必要がなくなったのはありがたい。

プッシュインストール機能画面。Undelete 4.0とは別にスタートメニュー上に用意されている「Push Install Undelete」をクリックして開始する

 また、Professional Editonでは、Server EditionがインストールされているPCならば、共有するネットワークドライブ上で削除されたファイルも復活が可能となった。サーバ上で共有しているファイルを間違ってほかのユーザーが削除した場合、基本的にはファイルがゴミ箱等に残らないため、困ってしまったケースも多いだろう。しかしUndelete 4.0ならば復活が可能になる。

 このほか、ユーザーインタフェースにも改良が加えられている。削除されたファイルを復活させる場合、元のフォルダに戻すのか、それとも任意のフォルダに戻すかを選択できるようになった。

ファイルを復活させる場合、この画面で「OK」を押すと元の場所へ、「参照」からフォルダを選択すれば、任意の場所に復活できる

便利な機能はそのまま引き継ぐ

 Undelete 4.0では、これまでのファイル保護機能はそのままに、復元箱内のファイル検索速度が速くなるなど、パフォーマンス向上が図られている。

 もちろん、Undeleteをインストールする前に誤って削除されたファイルを復活させる「エマージェンシーアンデリート」機能や、復元箱からも削除されてしまったファイルを検索し、可能な限り復元させる機能も用意されている。

 このほか、セキュリティの観点から、重要ファイルや機密ファイルなど、逆に復活できてしまっては困るファイルを完全に削除するための「セキュアデリート」機能も健在だ。

復元箱のプロパティで「復元箱のセキュアデリートを有効にする」にチェックを入れると、セキュアデリートは有効になり、復元箱から削除されたファイルはアメリカの国家安全保障局(NSA)が規定するビットパターンで3回上書きされたあと、消去される

 このようにUndelete 4.0は、誤った削除からファイルを保護できるだけでなく、ファイルのセキュリティにも活用できる優れたソフトだ。なお、発売元となる相栄電器のWebサイトには、30日間無料で試せる体験版も用意されている。導入を検討されている方は是非試してみてはいかがだろうか。

製品名 対応OS 価格(税込み)
Undelete 4.0 Home Edition(ダウンロード販売のみ) Windows NT4.0 Workstation(SP6以降)/2000 Professional/XP 4725円
Undelete 4.0 Professional Edition Windows NT4.0 Workstation(SP6以降)/2000 Professional/XP 7560円
Undelete 4.0 Server Edition Windows NT4.0 Server/NT4.0 Workstation(SP6以降)/2000 Server/2000 Professional/XP Professional/Server 2003 5万2395円

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年03月29日 更新
  1. ミリ波レーダーで高度な検知を実現する「スマート人感センサーFP2」を試す 室内の転倒検出や睡眠モニターも実現 (2024年03月28日)
  2. Synology「BeeStation」は、“NASに興味があるけど未導入”な人に勧めたい 買い切り型で自分だけの4TBクラウドストレージを簡単に構築できる (2024年03月27日)
  3. ダイソーで330円の「手になじむワイヤレスマウス」を試す 名前通りの持ちやすさは“お値段以上”だが難点も (2024年03月27日)
  4. 「ThinkPad」2024年モデルは何が変わった? 見どころをチェック! (2024年03月26日)
  5. ダイソーで550円で売っている「充電式ワイヤレスマウス」が意外と優秀 平たいボディーは携帯性抜群! (2024年03月25日)
  6. 日本HP、個人/法人向けノート「Envy」「HP EliteBook」「HP ZBook」にCore Ultra搭載の新モデルを一挙投入 (2024年03月28日)
  7. 次期永続ライセンス版の「Microsoft Office 2024」が2024年後半提供開始/macOS Sonoma 14.4のアップグレードでJavaがクラッシュ (2024年03月24日)
  8. サンワ、Windows Helloに対応したUSB Type-C指紋認証センサー (2024年03月27日)
  9. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  10. レノボ、Ryzen Threadripper PRO 7000 WXシリーズを搭載したタワー型ワークステーション (2024年03月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー