いろいろな撮り方ができるユニークな静止画&動画デジカメ――Optio MX4(3/4 ページ)

» 2004年11月01日 04時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

機能はペンタックスらしい豊富さがある

 前述したとおり、グリップ部に静止画用シャッターがあり、その周りにズームレバーが。ズーム速度は高速と低速の2段階あり、動画中のズームでも無理なく画角を変えられるようになっている。

 静止画用シャッターに人差し指をかけた状態で、親指があたる位置に動画用シャッターボタンがある。一度押すと録画開始、もう一度押すと終了だが、押しっぱなしにすると押している間だけ撮影するということも可能だ。

 それ以外の操作は上面と左側面にある。

 左側面には内蔵ストロボのポップアップボタンと、発光モード、ドライブモード、フォーカスモードのそれぞれのボタン。

左側面を見ると上部が斜めになっているのがわかる。上の方に3つのボタンが並ぶ

 ドライブモードではセルフタイマーや連写のほか、優秀なブラケット機能がある。露出、ホワイトバランス、彩度、シャープネス、コントラストの5つのパターンでオートブラケットを使えるのだ。ペンタックスならではの機能である。露出以外はデジタルオートブラケットになり、撮影は1枚だけであとは内部の処理を変えて3枚の画像を生成する方式だ。

 上面には撮影モードダイヤルと電源ボタン、円形の小さな十字キー、MENU、再生ボタンが集まっている。電源ボタンは押すと即座に緑色に点灯するのですごくわかりやすい。これはよい。

 撮影モードにはシャッタースピード優先、絞り優先の各AEやマニュアル露出もあり、さらにPICTモードでは7つからシーンを選べる。

上面のインタフェースはこじんまりとまとまっている。モードダイヤルはシンプルで、PICTがシーンモードに相当する
PICTモード(ピクチャーモード)時に十字キーをした入れると、10個のシーンから好きなものを選べる。中にはイラストやSOFTなどデジタル処理をかけるものも

 シャッタースピードも絞りも露出補正も1/4段刻みで細かい調整ができる。ヒストグラムを見ながら微妙な最適値を見つけられるのだ。

 再生時は再生ボタンを押すだけとシンプル。

 円形十字キーは中央がクリックになっており、左右のキーが露出補正に割り当てられている。

 撮影機能はそこそこ充実しており、ホワイトバランスにはカスタム設定機能もあるし、測光パターン、ストロボ光量補正、デジタルフィルタ機能(青や赤、紫などカラーフィルタをかけられる)などが用意されている。彩度、シャープネス、コントラストも3段階で調整可能だ。

 この辺はペンタックスらしいカスタマイズの豊富さであるが、「Optio X」や「Optio 750Z」といった最新の2004年秋モデルに比べると、メニュー構成や機能が2004年春モデルにとどまっているのが残念。2004年秋モデルのようによりカスタマイズできると、もっと使い勝手をコントロールできたはずだ。

静止画の撮影機能メニュー。設定内容は結構細かくてマニュアル志向といえよう
動画の撮影機能メニュー。動画のメニューはシンプル

 バッテリーはグリップ部におさまっており、充電器で充電するタイプ。容量は3.7ボルトで1800mAhと非常に大きく、撮影枚数は約180枚(CIPA規格による)、動画は約80分撮れる。バッテリー容量の割に持ちがいいとは言い難いようだ。

バッテリーはグリップ部に格納する
メディアは上面のカバーの中にセット

非常にクセはあるがすごく楽しめるアイテム

 個人的には欲しいと思わせる個性を持ったデジカメだ。。

 MX4を「動画機能付きデジタルスチルカメラ」と考えると違和感があるかもしれない。少なくとも伝統的なカメラスタイルではないし、スチルカメラとしてどうかといわれると、ユニークすぎて万人向けとは言い難いのだ。

 でも、このユニークなスタイルはちゃんと使うと結構いろんな撮り方ができて面白い。例えば作例で掲載したオシドリの写真はテレ端で1/10秒で三脚なしである。

 もっともしゃがみ込んで地面を使って手のひらをクッションにしつつ固定して撮っているわけだが、そういうムチャな撮り方をしてもちゃんとファインダーを見ながら、ぶれないようにシャッターボタンを押せるのはこのスタイルならではと言っていい。

 普通のカメラではできないし、単なる液晶モニタ回転型ではぶれないようにうまくシャッターボタンを押すのが難しいだろう。

 静止画と動画のモード切替が不要なのもいい。撮りたいときにさくっと撮りわけられる。

 どう撮ればいいか悩むところもあるが、大事なのは左手でちゃんとボディ(というかレンズ部)を下から握るように支えてブレないようにすることくらい。そうすれば結構安定するのだ。

 つまりは今までのカメラのスタイルをまったく気にせず、MX4ならではの安定した構え方を身につけ、そのフリーアングルさを楽しめるなら、お勧めできるということ。なにしろ動画も静止画もいけて10倍ズームで目一杯寄れるしマクロにも強いという、面白いアイテムなのだ。これだけコンパクトな10倍ズーム機もなかなかないだろう。

 逆にカメラらしいデザインじゃないと落ち着かない人や、画質最優先の人にはあまり勧められない。その辺が微妙だ。

 クセはありまくるしツッコミどころもあるけれども、個人的には欠点よりもユニークさを買いたいお気に入りのカメラだし、単純に小型軽量10倍ズーム機が欲しい人にも魅力的な製品である。

Optio MX4、作例

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