次の日は、知人である白先生のお招きを受け、氏の友人宅で行われる食事会に参加させていただくことになった。
台湾人や中国人の宴会に参加するのは初めてではないが、毎度のことながら覚悟がいる。彼らの飲み方がハンパではないからだ。決して飲めない口ではない私でも、アルコール度数が50度近い白酒の一気飲みはさすがにつらい。
だが今回出されたのは、中国でおなじみの白酒ではなく黄酒だった。蒸留酒である白酒に比べると、醸造酒の黄酒はアルコール度が控えめで20度以下のはずだ……、と油断したのがまずかった。「新年快楽、恭喜發財(あけましておめでとう、財産がたまりますように)」との掛け声で始まった乾杯合戦は延々と続き、私の意識は次第に遠のいていった。
台湾や中国を知る人にはご存知のように、こちらの乾杯は「杯を乾す」という意味であり、日本の一気飲みにあたる。相手から「乾杯」と言われて杯を向けられたら、飲み干すのがマナーだ。日本からの客ということで、当然私に乾杯が集中する。しかも、正月ということで彼らのテンションは高い。
歓迎に応えようという気持ちと、撮らなければならないという仕事への使命感との狭間で葛藤しながらも、再び気が付いた時はホテルのベッドの上で倒れていた。
枕元にあった*ist DSを恐る恐る再生してみると、身に覚えのない写真がたくさん記録されている。酔写とでもいうべきこれらの写真は、とてもじゃないがお見せできない。以下は、まだ酔いが回る前に撮った写真である。
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