3DMark03と3DMark05の結果を見る限り、GeForce 6800 Ultra2枚差しの効果は絶大。グラフにはNVIDIA SLIによるパフォーマンスの向上がはっきりと示されており、最も軽負荷の状態ではAthlon 64 3500+というミドルレンジCPUでも3DMark03 Scoreは「2万」の大台に乗っている(このスコアを見るためにGeForce 6800 Ultraを二枚買うことに意義を見出すユーザーがいるかもしれない)。
1枚差しと2枚差しで比較したパフォーマンスの開きが処理が重くなるにつれて広がっていくのは、これまで紹介してきたNVIDIA SLIのレビューでも見られた傾向。さらに言えば、3DMark03の軽負荷時ベンチマークで、ほかの条件から飛び抜けたパフォーマンスを見せるのもこれまでと同様だ。
このように、Futuremark系のベンチマークでは飛びぬけたパフォーマンスとNVIDIA SLIの絶大なる効果を見せ付けてくれているが、Aquamark3や市販ゲームのベンチマークになると一転して、RADEON X850XT PEのみならず、GeForce 6800 Ultraの一枚差しにも肩を並べられてしまう。
ただし、これはベンチマーク結果のグラフの頭が横並びであることからも推察できるように、「CPUのボトルネック」の影響が十分考えられる。いずれのゲームベンチでも最も重負荷条件となる1600×1200ドット、アンチエイリアス4サンプル、異方性フィルタリング8サンプルの測定ではNVIDIA SLI構成の結果は1枚差しのそれを大きく引き離している(とはいえ、NVIDIAが主張する「1.87倍」には程遠いが)。
Futermark系ベンチマークでは格段の差がでた夢の「GeForce 6800 Ultraの2枚差し」であるが、市販ゲームベンチでは、CPUが足を引っ張ってしまい、かけたコストに見合った違いを引き出すことはできなかった。
ミドルレンジのシステムでパフォーマンスをフルに引き出すには、ゲームに支障のない限りオプションを重くしていくような使い方になるだろう。しかし、オプションとフレームレートのトレードオフがうまくいかないときは、CPUのアップグレードを考え始めたほうがいい。
結局のところ、NVIDIA SLIで構成されたGeForce 6800 Ultraで、そのコストに見合ったパフォーマンスを引き出すには、CPUもそれなりのグレードが必要。そういう意味では「大人買い」向きのグラフィックスシステムということになるだろう。
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